同じ広告チャネルに、いくつものキャンペーンを同時に出していると、「どの配信がいちばん効率よく売れたのか」が意外と分かりません。クリックや費用の多さは管理画面ですぐ見えるのに、訪問あたりいくら売れたかは、自分で計算しないと出てこないからです。本記事では、UTMタグを使ってキャンペーン別に売上効率を見比べ、次に予算を寄せる配信を数字で決める手順を、やさしく整理します。
クリックが多い配信に予算を増やしたのに、売上がついてこなかった。そんな経験があるなら、見ていた数字が「クリック」止まりだったのかもしれません。配信ごとの売れ方は、もう一段下のキャンペーン単位で見て初めて分かります。
まとめ解説動画
目次
この記事のまとめ#
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キャンペーン別の売上効率とは、配信1本ごとの「訪問あたり売上」を見ること
utm_campaignは、同じチャネルの中でどの配信から来たかを記録するUTMタグの項目
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クリックや費用が多い配信が、効率よく売れた配信とは限らない
クリックは集客の量。訪問あたりいくら売れたか(RPS)は、量とは別の数字
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キャンペーン別にRPS・客単価・購入率の3つをそろえると、効率の差が見える
3つを見比べると、どの配信が安売りで数だけ集めたのかが分かる
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キャンペーン別の効率がそろえば、次に予算を寄せる配信を数字で選べる
勘ではなく、訪問あたりの売上で配信を選び直せる
1. キャンペーン別に売上を見るとは#
キャンペーン別に売上を見るとは、同じ広告チャネルの中で、配信1本ごとに「どれだけ効率よく売れたか」を見ることです。
ここで使うのが、UTMタグの utm_campaign です。UTMタグは、広告のリンクに付ける目印で、どこから来た訪問かを記録するための仕組みです。その中の utm_campaign は、「どのキャンペーンから来たか」を表す項目です。たとえば同じInstagram広告でも、最安をうたった配信、送料無料をうたった配信、新作を紹介する配信と、目印を分けておけば、あとからキャンペーン別に売上を分けて見られます。タグの付け方そのものはUTMパラメータの正しい使い方で扱っているので、ここでは付けたあとの「見方」に絞ります。
GA4の標準のレポートは、流入をチャネル単位(広告・検索・メルマガなど)でまとめてくれます。これは出発点として便利ですが、同じチャネルの中で配信が複数走っていると、その内訳までは標準では見えません。キャンペーン単位は、チャネルのもう一段下です。チャネル全体のRPSを見る話はチャネル別の売上効率で扱いました。本記事はその1段下、同じチャネルの中のキャンペーン別に踏み込みます。
2. クリックや費用が多い≠効率よく売れた#
クリックや費用が多い配信は、人をたくさん集めた配信です。でもそれは、効率よく売れた配信と同じではありません。
クリック数は、管理画面を開けばすぐ目に入ります。だからつい、クリックの多い配信を「当たった配信」だと思いがちです。けれどクリックが表しているのは集客の量で、その訪問がいくら売上になったかは別の数字です。安さを前面に出した配信はクリックを稼ぎやすい一方で、最安の1点だけ買って離れる人が多く、訪問あたりの売上は伸びにくくなります。
そこで見たいのが RPS(訪問あたり売上) です。RPSは「1回の訪問で平均いくら売れたか」を表します。クリックは多いのにRPSが低い配信は、人は集めたけれど売上に変わりにくかった配信です。次の図のように、同じチャネルの中でもキャンペーンによってこの差ははっきり出ます。

最安をうたったキャンペーンAは、クリックがいちばん多いのにRPSはいちばん低い。新作を紹介したキャンペーンCは、クリックは少ないのにRPSが高い。クリックだけ見て予算を増やすなら、本当は効率の低いAに寄せてしまいます。配信の良し悪しは、量ではなく訪問あたりの売上で見ると、選び方が変わります。
3. キャンペーン別に見る3つの指標#
キャンペーン別に見るなら、RPS・客単価・購入率の3つをそろえます。この3つで、なぜ効率が違うのかまで分かります。
RPSは1つの数字ですが、その中身は2つに分かれます。RPSは、客単価と購入率の掛け算です。
RPS(訪問あたり売上) = AOV(客単価) × CVR(購入率)
AOV(客単価) は、1回の注文で平均いくら買ったか。CVR(購入率) は、訪問のうち何割が買ったか。RPSが低いとき、客単価が低いのか、購入率が低いのか、その両方なのかで、打ち手は変わります。だから3つをそろえて見ます。

表で見ると、最安をうたったキャンペーンAは客単価も購入率も低く、その掛け算であるRPSがいちばん低くなっています。安さで人は集まっても、安い1点だけを買って離れているわけです。送料無料のB、新作紹介のCと進むほど客単価が上がり、RPSも上がります。このように3つをそろえると、「Aはなぜ効率が低いのか」が、客単価の低さという形で見えてきます。
4. GA4で重くなる所#
考え方そのものは難しくありません。重いのは、これをGA4で毎回、手作業で組み立てることです。
GA4でもキャンペーン別の数字は出せます。「トラフィック獲得」のレポートを開き、ディメンションをセッションのキャンペーンに切り替えれば、キャンペーンごとのセッション数や売上を並べることはできます。一度試す分には、ここまでで十分です。
問題は、判断に使える形にそろえるところです。RPS(訪問あたり売上)は標準の指標として出てこないので、収益をセッション数で割って自分で計算します。チャネルをまたいで複数のキャンペーンを比べたいとなると、探索レポートを毎回その都度組み直すことになります。さらに、UTMタグが付いていない流入は Unattributed(未割り当て)にまとまってしまい、キャンペーン別の数字から漏れます。配信のたびにこの組み立てを繰り返すのは、回数を重ねるほど重くなります。
考え方が簡単な分だけ、毎回の手作業の重さが効いてきます。チャネルをまたいで、キャンペーン別に、同じ基準のRPS・客単価・購入率をそろえ続けるのは、続けるほど負担になっていきます。
RevenueScopeの解決策
キャンペーン別の効率が見えにくいのは、突き詰めると置き場所の問題です。同じチャネルの中のキャンペーンを、RPS・客単価・購入率という同じ指標で1画面にそろえて置ける場所が、ふだん手元に無い。だから、見るたびにそろえ直す手間もかかります。GA4でも探索レポートを組めばキャンペーン別に出せますが、RPSを手計算でそろえ、UTM未設定の流入が Unattributed に漏れるのを毎回確認しながらの組み直しになります。

RevenueScope では、チャネルで絞り込むと、その中のキャンペーン別にRPS・客単価・購入率が1画面でそろいます。たとえば「Instagram広告」を選べば、その中の最安訴求・送料無料・新作紹介といったキャンペーンが、同じ指標でそろった状態で出てきます。RPSは自前のトラッキングで重複を取り除いた実売上から計算されるので、手計算でそろえ直す必要はありません。
| キャンペーン | RPS | 客単価(AOV) | 購入率(CVR) |
|---|---|---|---|
| A(最安訴求) | 95円 | 4,200円 | 2.3% |
| B(送料無料) | 180円 | 6,800円 | 2.6% |
| C(新作紹介) | 260円 | 9,400円 | 2.8% |
(表示はRevenueScopeでチャネルを絞り込んだときの見え方のイメージ。数字はデモデータ。)
この並びを読むと、次の一手まで決められます。クリックがいちばん多いキャンペーンAは、RPSが95円と最も低い。安売りで数だけ集まっていたわけです。新作紹介のCはクリックこそ少ないものの、RPSは260円とAの2倍以上。ここに予算を寄せたほうが、同じ訪問数でも売上は伸びます。Aは予算を減らすか、最安1点で終わらせない見せ方に作り替える。こうした判断を、勘ではなく数字で選べます。
RevenueScope がするのは、利益そのものを直接出すことではありません。同じチャネルの中のキャンペーンを、RPS・客単価・購入率という共通の指標で1画面にそろえ、次に予算を寄せる配信を数字で選べるようにすることです。価格や値づけの設計まで踏み込みたいときはECのプライシング戦略も合わせて見てください。
FAQ#
よくある質問#
Q. キャンペーン別の数字は、UTMタグを付けていないと見られませんか?
A. はい、キャンペーン別に分けるには utm_campaign を付けておく必要があります。タグが付いていない流入は、どのキャンペーンから来たか分からず、未割り当てとしてまとめられてしまいます。広告のリンクに目印を付けるところから始めれば、あとからキャンペーン別に売上効率を見られます。
Q. クリックが多い配信は、増やしてはいけないのですか?
A. クリックが多いこと自体は悪くありません。問題は、クリックの多さだけを見て予算を決めることです。クリックは集客の量で、訪問あたりの売上(RPS)とは別の数字です。クリックが多くてもRPSが高ければ良い配信ですし、クリックが多くてもRPSが低ければ、安売りで数だけ集めている配信かもしれません。両方をそろえて見てから決めるのが安全です。
Q. RPSが低いキャンペーンは、すぐ止めるべきですか?
A. すぐ止めるより、まず客単価と購入率に分けて原因を見てください。客単価が低いなら、最安1点で終わらせない見せ方やまとめ買いの提案で上げられることがあります。購入率が低いなら、訴求と商品のずれが原因かもしれません。RPSだけで判断せず、中身を見て作り替えるか減らすかを選びます。
まとめ#
同じ広告チャネルの中でも、配信したキャンペーンごとに売れ方は違います。クリックや費用が多い配信が、効率よく売れた配信とは限りません。クリックは集客の量で、訪問あたりいくら売れたか(RPS)は、それとは別の数字だからです。
キャンペーン別にRPS・客単価・購入率の3つをそろえると、どの配信が安売りで数だけ集めたのか、どの配信が客単価を保って売れたのかが見えてきます。utm_campaignで配信を分け、同じ指標で見比べれば、次に予算を寄せる配信を、勘ではなく数字で選べます。クリックの多さで予算を決める前に、もう一段下のキャンペーン別の効率を見てみてください。
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