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広告代理店の月次報告|自社データで答え合わせ

広告代理店から届く月次報告には、ROAS400%やコンバージョン何件、といった成果の数字が並びます。でも、その数字は媒体が自分で申告したもので、自社が実際に受け取った売上とはずれることがあります。報告だけを見て予算を決めると、判断を誤ります。本記事では、なぜ報告だけでは危ういのか、数字が盛れて見える仕組み、そして自社の売上データで答え合わせする考え方を、専門用語を避けて整理します。

広告代理店の月次報告|自社データで答え合わせ

毎月、広告代理店から月次報告が届きます。ROASは400%、コンバージョンは何件、クリック単価は前月より改善——成果の数字がきれいに並んでいます。ですが、その数字をそのまま信じて来月の予算を決めてしまうと、判断を誤ることがあります。なぜなら、報告に載っているのは多くの場合、媒体が自分で申告した成果であり、自社が実際に受け取った売上とは別の数え方だからです。乖離があっても、それは代理店が嘘をついているわけではなく、数える基準が違うために起きます。本記事では、なぜ報告だけでは危ういのか、数字が盛れて見える仕組み、そして自社の売上データで「答え合わせ」する考え方を、順番に整理します。

まとめ解説動画

この記事のまとめ#

  • 広告代理店の月次報告に載るROASやコンバージョンは、多くの場合、媒体が自分で申告した成果です。自社が実際に受け取った売上とはずれることがあり、報告だけで予算を決めると判断を誤ります
  • 数字が盛れて見えるのには仕組みがあります。各媒体が同じ1件の売上をそれぞれ自分の貢献に数える二重計上、botや無効クリックの混入、返品前の売上などです
  • 自社で答え合わせする考え方は3つです。媒体のROASと自社の訪問あたり売上は別物だと知ること、UTMでチャネル別の実売上を見ること、botを疑ってきれいな数字に直すこと。考え方は簡単ですが、毎月チャネル横断で手作業で続けるのは重い作業です

1. なぜ報告だけでは判断を誤るのか#

結論から言うと、月次報告の成果は媒体が自分で数えた数字で、自社が実際に受け取った売上とずれることがあるからです。だから報告だけで予算を決めると、効いていない広告にお金を寄せてしまいます。

代理店の月次報告は、たいてい媒体(Google広告やSNS広告など)が出した管理画面の数字をまとめたものです。そこに並ぶROAS(広告費に対して何倍の売上が立ったか)やコンバージョン件数は、媒体が「これは自分の広告のおかげで起きた売上だ」と判定した分です。ところが、その判定は媒体に都合よく広めに数えられがちです。たとえば、もともと指名検索で来て買うつもりだった人の売上まで、広告の成果に数え込んでしまうことがあります。

下の図は、チャネル別に、報告された売上と、自社が実際に数えた売上を見比べたイメージです。多くのチャネルで、報告の数字のほうが大きく出ています。この差を知らずに「報告のROASが高いチャネルに予算を増やそう」と決めると、実は自社の売上にあまりつながっていないチャネルにお金を寄せることになりかねません。報告は出発点として大事ですが、それだけを答えにしないことが肝心です。

チャネル別に、広告代理店から報告された売上と、自社が実際に数えた実売上を見比べた図。リスティング広告・SNS広告・リターゲ広告のいずれでも、報告された売上のほうが自社の実売上より大きく出ている。報告の数字を信じて予算を増やすと、実は自社の売上につながっていないチャネルにお金を寄せてしまう恐れがあることを示す。乖離は嘘ではなく、媒体と自社で数える基準が違うために起きる

2. 数字が「盛れて見える」仕組み#

結論から言うと、報告の数字が大きく見えるのには理由があります。各媒体が同じ売上を二重に数えること、botや無効クリックが混じること、返品前の売上を数えることの3つです。

1つ目は、二重計上です。1人の客が、Google広告を見て、その後SNS広告も見てから買ったとします。すると、Google広告の報告にもSNS広告の報告にも、同じ1件の売上が「自分の貢献」として載ります。各媒体の報告を足し合わせると、実際の売上より大きくなります。

2つ目は、訪問の中身です。報告に載るクリック数や表示回数には、人ではないbot(自動でアクセスするプログラム)や、無効なクリックが混じっていることがあります。数だけ見ると活発に見えても、買う人ではありません。

3つ目は、買った後の話です。報告のコンバージョンは注文が入った時点で数えられますが、その後の返品やキャンセルは差し引かれていないことがあります。純粋に自社に残った売上とは差が出ます。下の表は、報告が見せるものと、見せないものを整理したものです。

広告代理店の月次報告が見せるものと、見せないものを整理した比較表。売上の出どころでは、報告は媒体が自分の貢献として数えた売上を見せるが、自社が実際に受け取った売上は見せない。重なりでは、各媒体がそれぞれ同じ1件を自分の貢献に数える二重計上を見せない。訪問の中身では、クリックや表示回数の合計を見せるが、botや無効クリックを除いた数は見せない。買った後では、コンバージョン件数を見せるが、返品やキャンセル後の純売上は見せない。盛れて見えるのは、媒体が自分の貢献を広めに数えるためだと示す

3. 自社データで答え合わせする3つの見方#

結論から言うと、答え合わせの考え方は3つです。媒体のROASと自社の訪問あたり売上は別物だと知ること、UTMでチャネル別の実売上を見ること、botを疑ってきれいな数字に直すこと。考え方そのものは簡単ですが、毎月続けるのは手間がかかります。

1つ目は、ものの見方を変えることです。媒体が出すROASは「広告費に対して媒体が数えた売上」ですが、自社で見たいのは訪問あたりの売上(RPS=そのチャネルから来た1訪問が平均でいくら売り上げたか)です。報告のROASが高くても、自社のRPSで見ると低い、ということが起こります。同じ「効率」でも、誰が何を基準に数えたかで意味が変わります。

2つ目は、UTMでチャネル別の実売上を見ることです。UTMとは、広告のリンクに付ける小さな印で、「この訪問はどの広告から来たか」を後から見分けられるようにするものです[3]。印を付けておけば、自社のアクセス解析で、チャネル別・広告別に実際の売上を集計できます。これをしないと、広告からの流入が「どこから来たか不明(Direct)」に紛れて、チャネル別に分けられなくなります[4]。

3つ目は、botを疑うことです。流入の中にbotや無効なアクセスが混じっていれば、訪問数が水増しされ、訪問あたりの売上が実際より低く見えてしまいます。既知のbotを除いたうえで数え直すと、きれいな数字になります[5]。下の図は、報告を受け取ってから自社の売上で答え合わせするまでの道すじです。各段階の考え方は難しくありません。難しいのは、これを毎月、すべてのチャネルについて手作業で続けることです。

広告代理店の報告を受け取ってから、自社の売上データで答え合わせするまでの4段階を示した流れ図。第一段階は報告を受け取る(媒体のROASやコンバージョン)。第二段階はUTMでチャネル別の実流入に突き合わせる。第三段階はbotや無効クリックを疑って除く。第四段階は訪問あたりの売上RPSで評価し直す。これを通すと、報告と自社売上の差分が見える。各段階の考え方は簡単だが、毎月チャネル横断で手作業で続けるのが重いことを示す

RevenueScopeの解決策

報告を自社データで答え合わせしようとすると、壁が2つあります。1つは、UTMの設定をしていないと、広告からの流入が「どこから来たか不明(Direct)」に紛れて、チャネル別に分けられないこと。もう1つは、チャネル別に「報告の数字」と「自社の実売上」を、botを除いたうえでそろえて見比べるのが、毎月の手作業だと重いことです。

RevenueScope は、この答え合わせを肩代わりします。クリックして来た流入をチャネル別に分け、botを除いたうえで、それぞれの流入数・訪問あたり売上(RPS)・購入率(CVR)・売上を、1つの画面で見比べられるようにします(表示はデモデータ)。報告のROASと、自社の実売上から見たチャネル別の効率を、同じ画面でそろえて確かめられます。

チャネル報告ROAS自社実売上訪問あたり売上(RPS)
リスティング広告400%¥780,000¥412
SNS広告380%¥410,000¥168
リターゲ広告520%¥220,000¥95

この表の読みどころは、報告のROASが高い順と、自社の実売上やRPSが高い順が、必ずしも一致しないことです。リターゲ広告は報告ROASがいちばん高く見えますが、訪問あたりの売上で見ると最も低い。これは、もともと買うつもりだった人を広告の成果に数え込んでいる可能性を示します。一方、リスティング広告はRPSが最も高く、1訪問あたりで見ると最も効率よく売上を生んでいます。こうして報告と自社データを1画面でそろえると、「どのチャネルに来月の予算を寄せるべきか」が、報告の数字だけでなく自社の売上を基準に判断できます。

ひとつ、はっきりさせておきます。RevenueScope が数えるのは、クリックして実際にサイトに来た流入とその売上だけです。媒体が管理画面で申告するROASそのものを作り直すわけではなく、粗利や返品後の利益、在庫までは計算しません。RevenueScope が肩代わりするのは、報告と突き合わせるための自社側の材料——チャネル別に、botを除いた流入と実売上をそろえて見比べられる状態——を整えるところです。最終的にどのチャネルに投資するかは、あなたが決めます。

FAQ#

よくある質問#

Q. 報告のROASと自社の売上がずれるのは、代理店が数字を操作しているからですか?

A. 多くの場合、操作ではありません。媒体が出すROASは「媒体が自分の貢献として数えた売上」で、自社が実際に受け取った売上とは数える基準が違うだけです。たとえば、複数の媒体が同じ1件の売上をそれぞれ自分の貢献に数えると、足し合わせたとき実際より大きくなります[1]。乖離は嘘ではなく、評価の軸が違うために起きます。だからこそ、自社の売上を基準に答え合わせする意味があります。

Q. 報告のコンバージョン件数は、そのまま信じていいですか?

A. 件数自体は記録ですが、何をもってコンバージョンと数えたかは媒体ごとに設定が違います[2]。買う直前にもう一度広告に触れただけで成果に数える場合もあれば、返品やキャンセル後の純売上は差し引かれていない場合もあります。件数だけでなく、自社に実際に残った売上と突き合わせると、より正確に判断できます。

Q. 答え合わせは、自分でやればRevenueScopeはいらないのでは?

A. 考え方自体は簡単で、UTMを付けてチャネル別に売上を集計し、botを除いて訪問あたりの売上で見る、という流れです。一度試す分には自力でもできます。ですが、これを毎月、すべてのチャネルについて手作業で集計し続けるのは重い作業です。チャネルが増えるほど、突き合わせと二重計上の調整に時間がかかります。RevenueScope は、その反復をまとめて肩代わりする位置づけです。

まとめ#

広告代理店の月次報告は、来月の予算を決める大事な出発点です。ですが、そこに並ぶROASやコンバージョンは、多くの場合、媒体が自分で申告した成果であり、自社が実際に受け取った売上とはずれることがあります。報告だけを答えにすると、効いていないチャネルにお金を寄せてしまいます。

数字が盛れて見えるのには仕組みがあります。各媒体が同じ売上を二重に数えること、botや無効クリックが混じること、返品前の売上を数えることです。だから、報告を自社の売上で答え合わせすることが大切です。

答え合わせの考え方は、媒体のROASと自社の訪問あたり売上は別物だと知り、UTMでチャネル別の実売上を見て、botを疑ってきれいな数字に直すこと。考え方は簡単ですが、毎月チャネル横断で続けるのは重い作業です。報告と自社データを1画面でそろえておけば、来月の予算を、勘でなく自社の売上を基準に決められます。

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