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GA4のリファラルが5月から急減|原因はチャネルの新設

GA4のリファラルが2026年5月から減り、月次レポートの前月比や前年比が合わない。原因はサイト側ではなく、5月13日に追加された「AI Assistant」チャネルです。ChatGPTなどからの訪問には媒体(medium)にai-assistantが自動で付き、それまでリファラルに入っていた分がこの行へ移りました。mediumは計測した時点で付くため、5月13日より前に記録されたセッションは従来の分類のまま残ります。自社サイトの直近90日の実測もあわせて、減った分がどこへ移ったのかを追います。

GA4のリファラルが5月から急減|原因はチャネルの新設

GA4の月次レポートを開くと、リファラルの前月比がマイナスで固まっている。前年比はもっと合わない。この症状の分かれ目は2026年5月13日にあります。この日の前と後では、リファラルという行が受け持つ訪問の範囲そのものが違います。手元にある常識が5月13日より前のものなら、まずそこを更新する必要があります。

この記事のまとめ#

  • 2026年5月13日、GA4に「AI Assistant」というチャネルが追加された[1]
  • ChatGPTなどからの訪問には媒体(medium)に ai-assistant が自動で付き、リファラルに入っていた分がこの行へ移る[1][2]
  • mediumは計測した時点で付くため、5月13日より前に記録されたセッションは従来の分類のまま残る
  • GoogleのAI OverviewsとAIモードはこのチャネルの対象外で、検索の枠に残る[2]
  • 自社サイトの直近90日では、AIアシスタント経由の合計が他サイトのページから来た訪問(動画・SNSを除く)の合計より約1.6倍多かった

1. リファラルが減ったのは2026年5月13日から#

減少の起点は仕様の変更であり、サイト側で何かが壊れたわけではありません。

GA4のリリースノートには、2026年5月13日の項目として「New AI Assistant traffic measurement」が載っています[1]。ChatGPTなどのAIアシスタントから来た訪問をGA4が判別し、媒体(medium)に ai-assistant を自動で付ける、という内容です。チャネルグループには「AI Assistant」、キャンペーンには「(ai-assistant)」が入ります[1]。

タグの設置も設定の変更も要りません。付与は自動で行われると、リリースノートに書かれています[1]。タグを一切触っていなくても、5月13日以降は分類だけが切り替わっています。

デフォルトチャネルグループのヘルプ側にも、対応する定義があります。mediumが「ai-assistant」に完全一致した訪問が、このチャネルに入ります。参照元がAIアシスタントの一覧に該当したとき、mediumとキャンペーンはGA4側で設定されます[2]。例として挙がっているのはChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok[2]。リリースノート側にはClaudeも出てきます[1]。

結果として、それまで参照元サイトからの訪問としてリファラルに入っていたChatGPTからのクリックが、5月13日以降は別の行に入ります。訪れた人も、着地したページも、買ったかどうかも変わりません。変わったのは集計上の行だけです。

2026年5月13日の前後で、ChatGPTからの訪問がどの行に入るかの分かれ道。5月12日までは参照元サイトからの訪問としてReferralへ、5月13日以降はmediumにai-assistantが付いてAI Assistantへ入る。説明用のイメージ

減少の幅はサイトごとに違います。ChatGPT経由が育っていたサイトほど、減り方は急に見えます。チャネルの定義そのものは、GA4のデフォルトチャネルグループの読み方に書きました。

2. 前月比が合わないのは、比べている定義が違うから#

4月分は30日すべてが以前の分類、5月分は前半12日が以前の分類で後半19日が新しい分類、6月分は30日すべてが新しい分類です。

mediumは、そのセッションを計測した時点で付きます。後から付け直される仕組みではないので、5月13日より前に記録されたセッションは、リファラルなど従来の分類のまま残ります。

公式に「遡及しない」と書かれた一文があるわけではありません。ただ、同じリリースノートの中にヒントがあります。2026年6月11日に追加されたSource Groupの項目です。こちらには、過去のデータにも反映される(populated retroactively)と明記されています[1]。5月13日のAI Assistantの項目に、同じ記述はありません。6月11日の変更のほうはGA4のSource Groupとキャンペーン別売上で扱っています。

だから、5月をまたいだリファラルの前月比は、定義の違う2つの値の引き算になります。4月のリファラルにはAI経由が含まれ、6月のリファラルには含まれていません。前年比はもっと極端で、比較対象の12か月前は全期間が以前の分類です。

月次レポートに「前月比マイナス30%」とだけ書けば、読む側は流入対策の話として受け取ります。対策すべき対象が存在しないまま、議論だけが空回りします。

自分で最初に打てる手当ては、期間を5月13日の前後で切って見ることです。前半と後半を別々に集計すれば、落ち込みが仕様の切り替わりと重なっているかは分かります。ただし、ここで分かるのは症状の切り分けまでです。移った先の訪問を以前と同じ基準で1本の線に並べ直し、アシスタントごとに効きを比べるところまでは届きません。

3. 減った分はどこへ行ったのか#

自社サイトのデータで確かめたところ、AIアシスタント経由のセッションはサイト全体の約4%でした。直近90日、2026年4月30日から7月29日までの実測です。

内訳はかなり偏っています。AI経由のうち約7割がChatGPTで、以下はGemini、Claude、Copilotと続きます。Perplexityはこの90日でAI流入の1%台にとどまりました。名前をよく聞く順番と、実際に人が来る順番は一致しません。

AIアシスタント経由の内訳シェア。ChatGPTが約7割を占め、Gemini・Claude・Copilotが続き、Perplexityは1%台。自社サイトの直近90日の実測

比べる対象を変えると、見え方が変わります。ここでの集計は参照元ベースの自前分類で、GA4のチャネルの切り方とは一致しません。その前提で、他サイトのページから来た訪問(動画とSNSは別に数えます)を足し合わせた数と、AIアシスタント経由の合計を並べてみます。同じ90日で、AI経由のほうが約1.6倍多いという結果でした。もしAI経由が以前と同じく他サイト経由の枠に入っていたなら、その行はいまの2倍を超える水準になっていた計算です。これが「Referralが減った」の原因になります。

他サイトのページから来た訪問(動画・SNSを除く)の合計と、AI経由を同じ行に戻した場合の対比。サイト全体に占める割合で見ると、戻した場合は2倍を超える水準になる。自社サイトの直近90日の比率から作図した説明用のイメージ

サイト全体の約4%という比率だけを見ると、小さく感じます。ところがReferralという1つの行の中では、その4%が主役でした。全体に対して小さいことと、特定の行の増減を説明できることは別です。

なお、参照元を渡さないAIからの訪問はこの行にも入らず、Directに混ざります(目印の付かないAI流入はどこへ行くのか)。逆に自動アクセスが混じってこの行が膨らむこともあるため、読むときの注意点はGA4のAIアシスタント流入の注意点にまとめました。

4. この1行に、AI経由が全部入るわけではない#

では、この行さえ見ていればAI経由の流入はすべて把握できるのでしょうか?

できません。デフォルトチャネルグループのヘルプは、GoogleのAI OverviewsとAIモードをこのチャネルの対象外だと明記しています[2]。この2つからの訪問は、検索の枠に残ります。この仕組みはAIモードからの流入はGA4のどこに入るかに書きました。

もう1つ、断定できない範囲があります。判定に使われる参照元の一覧そのものは、公開されていません。ヘルプとリリースノートに名前が出ているのは、ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok、Claudeまでです[1][2]。ここに載っていないサービスについては、「公式の例示には含まれていない」としか言えません。含まれると決めつけるのも、含まれないと決めつけるのも早い、ということです。

この2つを踏まえると、「AI Assistantの行=AI経由の全量」という読み方は成り立ちません。この行が伸びていないからAI経由も増えていない、と結論づければ、Googleの側の変化を丸ごと見落とします。逆にこの行の伸びをAI全体の伸びとして報告すれば、今度は過大に見積もります。取り違えは両方向に起きます。

5月13日以降のAI Assistantの行も、それ以前のReferralの行も、どちらもGA4の中に残っています。無いのはデータではなく、この2つを同じ基準で1本の線として読む並べ方のほうです。

RevenueScopeの解決策

行が入れ替わっても比較を続けられるかどうかは、分類をどこで管理しているかで決まります。計測ツール側の定義が変われば、過去のデータはその日を境に別の意味を持ちます。

ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity・Copilotからの訪問は、Referral・Google検索・Directと同じ一覧に、最初から1行ずつ分かれて表示します。判定は参照元をもとにRevenueScope自身が持っているので、計測ツール側の定義が動いても行は動きません。行にはセッション・売上・1セッションあたりの売上(RPS)が並び、訪問者数・平均滞在・直帰率、それに除外した自動アクセスの件数も同じ表に載ります。

架空店舗Eの4月と7月を、流入元ごとに書き出した一例(イメージ)です。

流入元4月の売上4月のRPS7月の売上7月のRPS
ChatGPT15万円400円60万円500円
Referral50万円500円20万円400円
Google検索45万円300円48万円300円
Direct30万円250円30万円250円

※ 上の表は仕組みを説明するために作った作例です。ボタンの先にある画面は見本ECのサンプルデータ(日々更新)で動いているので、値が違うだけでなく、開いた日によって首位に立つ行そのものが入れ替わります。

4月の売上首位はReferral、7月はChatGPTです。合計の伸びは1割強なのに、先頭の行が入れ替わりました。RPSを見ると、ChatGPT経由は4月の時点で既にDirectを上回っています。量が小さいうちから効率のほうは出ていた、ということです。

期間を分けると首位が入れ替わるため、1か月分の表だけで配分を固定すると、この入れ替わりを毎回取り違えることになります。次の一手は、5月13日をまたぐ期間を同じ分類で引き直し、AI経由の行が本当に伸びているのか、Referralから移ってきただけなのかを分けることです。

FAQ#

よくある質問#

Q. 5月13日より前のデータも、新しいチャネルに振り分け直されますか?

A. 公式に遡及の記載はありません。mediumは計測した時点で付く仕組みなので、5月13日より前に記録されたセッションは従来の分類のまま残ります。同じリリースノートの6月11日の項目には、過去のデータにも反映されると書かれています[1]。AI Assistantの項目に、その記述はありません。

Q. Perplexityからの訪問は、このチャネルに入りますか?

A. 公式の例示には含まれていません。ヘルプが挙げているのはChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok[2]、リリースノートにはClaudeが出てきます[1]。判定に使われる参照元の一覧そのものは公開されていないため、入る・入らないのどちらも断定できません。

Q. AI OverviewsやAIモードからの訪問は、どこに入りますか?

A. このチャネルには入りません。ヘルプはGoogleのAI OverviewsとAIモードを対象外だと明記しています[2]。これらからの訪問は、検索の枠に残ります。

Q. 何か設定しないと計測されませんか?

A. 設定は不要です。判別とmediumの付与はGA4側で自動的に行われると、リリースノートに書かれています[1]。裏を返すと、mediumの自動付与を止める方法は案内されていません。

まとめ#

リファラルの落ち込みが5月から始まっているなら、最初に疑うのは自社の施策ではなく分類の変更です。2026年5月13日にAI Assistantチャネルが追加され、ChatGPTなどからの訪問にはmediumが自動で付きます[1]。mediumは計測した時点で付くので、それより前のセッションは以前の分類のまま残ります。5月をまたぐ前月比は、定義の違う2つの値の引き算です。

一方で、この行がAI経由の全量でもありません。GoogleのAI OverviewsとAIモードは対象外で、検索の枠に残ります[2]。公式の例示に名前のないサービスについては、含まれるとも含まれないとも言えないままです。

次にやることは、月次レポートの前月比を直すことではありません。5月13日をまたぐ期間を同じ分類で引き直し、AI経由の行が伸びているのか、Referralから移っただけなのかを分けること。そのうえで、移った先の訪問が売上まで届いているかを確かめる。順番はここで決まります。

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参考文献#

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