Google Search Consoleの生成AI関連の表示回数と、GA4のAI Assistantチャネルのセッション数。両方を開いて見比べた人は、まず数値の開きに戸惑います。桁が違うことも、片方だけがほぼゼロということもあります。ただ、これは設定を直して合わせるものではありません。
目次
この記事のまとめ#
- Google Search Consoleの生成AIのパフォーマンスレポートは2026年6月3日に公開された[1]。掲載されるのは表示回数で、クリックや掲載順位、検索キーワードの一覧は項目に含まれない[2]
- 対象はGoogle検索内の生成AI機能とDiscoverの生成AI機能[1]。ChatGPTなど他社のAIは対象外
- GA4のAI Assistantチャネルは2026年5月13日に追加された[3]。参照元の媒体(medium)が「ai-assistant」と一致した訪問を集める仕組みで、ChatGPTやGeminiなどが該当する[4]
- 片方はGoogleの画面に出た回数、もう片方は外部のAIから来た訪問。対象が重なっていないため、突き合わせても一致しない
- 2つを足しても、どのAIから来た訪問がいくら売上になったのかまでは分からない
1. 合わないのは不具合ではない#
「AI経由の流入を測ろう」と思って両方の画面を開いた人が最初にぶつかるのが、この食い違いです。片方は数千という表示回数を並べ、もう片方は数十のセッションしか表示しない。同じ「AI」という言葉が付いているので、どちらかが壊れているように見えます。
どちらも壊れていません。2つは測っている対象が交差していないので、一致しないほうが仕様どおりです。順番としては、まずそれぞれが何を数えているのかを押さえてから、どちらをどの判断に使うかを決めることになります。
紛らわしさの一因は、登場した時期が近いことにもあります。GA4への追加が2026年5月13日[3]、Google Search Consoleへの追加が同年6月3日[1]。3週間ほどの間に「AI」を冠したレポートが2つ増えたので、同じものの別表示だと受け取られやすい状況ができました。
2. GSCが集計するのは、Google側の画面に表示された回数#
Google Search Consoleに追加されたのは、生成AIのパフォーマンスレポートです。Google検索セントラルの告知では、対象がGoogle検索内の生成AI機能とDiscoverの生成AI機能だと説明されています[1]。つまり、AI Overviews(AIによる概要)やAIモードの画面に自社のリンクが表示された回数を、通常の検索結果と分けて見られるようにしたものです。
ここで押さえておきたいのが、掲載される項目です。ヘルプに記載されているのは表示回数と、ページ・国・デバイス・日付といった切り口[2]。通常の検索パフォーマンスレポートにあるクリック数、掲載順位、検索キーワードの一覧は、この項目一覧に含まれていません。何回表示されたかは分かっても、そこから何回クリックされたかは同じ画面では追えないということです。
そして表示回数の算出方法そのものにも前提があります。AIの回答に自社の内容が使われても、リンクが画面に表示されなければ表示回数には計上されません。想定より少なく見える理由はここにあります(AIモードの表示回数|なぜ想定より少ないのか)。レポート自体の読み方は別記事で詳しく扱っています(GSCのAI検索レポートの読み方)。
なお、この表示回数は従来の総合パフォーマンスレポートにも合算されたままです[1]。新しく数え始めたのではなく、これまで合算されていた分を切り出して見られるようにした、という位置づけになります。
3. GA4が集計するのは、外部のAIから来た訪問数#
GA4側に追加されたAI Assistantチャネルは、成り立ちがまったく異なります。こちらは参照元の情報をもとに、訪問数を分類する仕組みです。デフォルトチャネルグループの定義では、媒体(medium)が「ai-assistant」と完全に一致する訪問がこのチャネルに入り、認識済みのAIアシスタントから来た場合にGA4が自動でこの値を付けます[4]。ヘルプに挙がっている例はChatGPT、Gemini、Claude、Copilot、Grokなどです[3][4]。
集計しているのは表示回数ではなく、実際にサイトへ到達した訪問数です。ChatGPTの回答に自社が引用されただけでは、GA4には何も現れません。利用者がその引用リンクを押して初めて1セッションが計上されます。
そして重要なのが、ここにGoogleのAIは基本的に入ってこないという点です。GoogleのAIモードから来た訪問は参照元がGoogleのため、自然検索などに混ざります。この機序は別記事で整理しました(AIモードの流入はGA4のどこ?)。GSCが数えているのはまさにそのGoogleのAI画面での表示なので、GSC側で表示回数が伸びても、GA4のAI Assistantチャネルは動きません。
このチャネルには、自動アクセスが混じって数値が膨らむ可能性や、売上が見えにくいという別の注意点もあります(GA4のAIアシスタント流入|botと売上の死角に注意)。
4. 突き合わせをやめて、役割で読み分ける#
ここまでを整理すると、2つのレポートは見ている場所も算出方法も異なります。

場所で見ると、GSCはGoogleの内側、GA4は外側。算出方法で見ると、GSCは表示された回数、GA4は到達した訪問。この2つのどちらでも重なっていないので、片方の増減がもう片方に現れないのは当然ということになります。両者を足して「AI経由の合計」を作ることもできません。単位が異なるものを足すことになるからです。
読み分けの目安はこうなります。Googleの検索画面で自社の内容がどれだけ露出しているかを知りたいならGSC側。ChatGPTなど外部のAIから実際に人が来ているかを知りたいならGA4側。掲載順位は変わっていないのにクリックだけが減っている、という症状の切り分けは、これとはまた別の見方になります(検索順位は同じなのにクリックが減る)。
そして両方を開いてなお残るのが、3つ目の層です。表示はGSCで分かる。訪問はGA4で分かる。ではどのAIから来た訪問がいくら売上になったのかは、どちらの画面でも分かりません。GSC側は仕様として表示回数まで。GA4側はチャネルごとの売上までは出ますが、AIアシスタント別の内訳と並べた形にはなっていないからです。露出が増えたことも、訪問が増えたことも、それ自体では手を打つ理由になりません。
RevenueScopeの解決策
RevenueScopeは、AIアシスタント経由で到達した訪問を、着地したページと売上に結びつけて表示します。ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity・Copilotからのクリックを参照元で判定し、そのページを入口にしたセッションの売上まで表示します。チャネル別の一覧では1訪問あたりの売上(RPS)まで並ぶため、量が小さくても効率が高い流入元を見落とさずに済みます。
参照元を渡さないAIからの訪問数はこの算出方法に含まれないので、AI経由の実数はどのツールでも下限側の値になります。これは判定を鈍らせるものではありません。下限が増えているなら実数も増えていますし、比較する期間の算出方法が同じなら増減の向きは読めます。
量の順番と、効率の順番は一致しない#
架空店舗Bのひと月分を、流入元ごとに書き出してみます。
| 流入元 | セッション | 売上 | RPS |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 400 | 20万円 | 500円 |
| Gemini | 150 | 5万円 | 330円 |
| Perplexity | 80 | 6万円 | 750円 |
| 検索(通常) | 1万 | 300万円 | 300円 |
※ この表は仕組みを説明するために作った架空店舗Bの一例です。デモ画面のほうは見本ECのライブデータで動いているので、開いた瞬間の数値はここと同じにはなりません。
セッション数だけを見ればAI経由は通常の検索の6%ほどで、月次の報告なら誤差として流される規模です。ところがRPSで見ると、Perplexity経由は通常の検索の2倍を超えています。量で切り捨てると、効率の高い入口を切り捨てることになります。次に確かめるのは、その流入元がどのページに着地しているかです。
FAQ#
よくある質問#
Q. 2つのレポートの数値を近づける設定はありますか?
A. ありません。GSCが集計するのはGoogleの画面に自社のリンクが出た回数、GA4が数えるのは外部のAIから実際に来た訪問です。対象が重なっていないので、設定で一致させられる種類の差ではありません。
Q. GSCの表示回数が伸びているのに、GA4のAI Assistantチャネルが動きません。おかしいですか?
A. おかしくありません。GSCが集計しているのはGoogleのAI画面での表示で、そこから来た訪問数はGA4では自然検索などに混ざります。AI Assistantチャネルに入るのはChatGPTなど外部のAIからの訪問です[4]。両者は別の経路なので、片方が伸びてももう片方は動きません。
Q. GSCの生成AIレポートからクリック数は分かりませんか?
A. ヘルプに記載されている項目は表示回数と、ページ・国・デバイス・日付です[2]。クリック数はこの一覧に含まれていません。告知には今後の項目追加を検討するという記述があるので[1]、状況は変わる可能性があります。
Q. 結局、AI経由をどの数値で報告すればいいですか?
A. 露出を報告したいならGSCの表示回数、流入を報告したいならGA4のセッション数です。ただし「投資すべきか」の判断材料にするなら、その訪問がいくら売上になったかまで必要になります。表示回数と訪問数はどちらも途中の指標です。
まとめ#
Google Search Consoleの生成AIのパフォーマンスレポートは2026年6月3日、GA4のAI Assistantチャネルは同年5月13日。3週間ほどの間に登場した2つは、名前が似ているだけで中身が異なります。前者はGoogleの検索画面とDiscoverで自社のリンクが表示された回数を数え、後者はChatGPTなど外部のAIから実際に到達した訪問を数えます。見ている場所も数え方も交差していないので、突き合わせて一致させようとする作業に意味はありません。
そのうえで、両方を開いても答えの出ない問いが残ります。その露出と訪問が、売上になったのかどうかです。GSC側は仕様として表示回数まで、GA4側はAI別の内訳と売上を同じ画面に持っていません。
露出はGSC、訪問はGA4、そして売上は自社の側で結びつける。この3つの役割分担が決まれば、数値が合わないことに時間を使わずに済みます。
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