メルマガや SMS、Web プッシュ通知の経由クリックは、GA4(Google Analytics 4)で どのチャネルに分類されているか を即答できる運用者は少数です。「たぶん Referral か (other) では」 という当て推量も多く見かけます。
結論:正解は GA4 公式の「デフォルトチャネルグループ」 定義[1]に明記されています。流入 1 件ごとに utm_source と utm_medium の値を見て、全 23 チャネル[1]のどれかに自動で振り分けるロジックが Google 側で固定されており、運用者が触れる余地はありません。そして、正しく分類できても GA4 だけでは「どのチャネルが稼いだか」 は出ません。
本記事は、Email・SMS・Mobile Push を中心に公式の分類条件を読み解き、最後に「正しく分類した後、売上をどう見るか」 までつなぎます。同シリーズの Meta広告の utm_source 編・utm_medium 編と合わせれば、Default Channel Group の全像が掴めます。
目次
この記事のまとめ#
- Email チャネルの正解 :
utm_medium=email。utm_source側でも判定されるが、utm_medium=emailが業界横断で最短形 - SMS チャネルの正解 :
utm_medium=sms完全一致。LINE や WhatsApp は SMS 扱いではなく Referral 落ち - 正しく分類できても、GA4 だけではチャネル別の売上は出ない。分類はあくまで入口で、どのチャネルが稼いだかは別の見方が要る
1.DefaultChannelGroupとは何で、誰が決めているか#
結論:デフォルトチャネルグループは Google が固定したルールで、運用者は編集できません。
GA4 のデフォルトチャネルグループは、流入 1 件ごとに utm_source と utm_medium の組み合わせを公式ルールに照らして自動分類する仕組み です[1]。運用者がレポート画面でチャネル名を編集することはできません。カスタムチャネルグループを別に作ることは可能ですが、デフォルト側のルールは Google 側で完全に固定されています[1]。
GA4が裏で参照する公式定義の場所#
判定ロジックは 2 つのファイルに分かれています。
- チャネル定義本体 : Google Analytics ヘルプの「[GA4] デフォルトチャネルグループ」 ページに、23 チャネル分の判定条件が条件式として記載[1]
- ソースカテゴリ表(Source Categories) : Google が
.xlsx形式で配布している 819 行のリスト[3]。utm_source値ごとに「SOCIAL」「SEARCH」「VIDEO」「SHOPPING」 のどのカテゴリかを規定
本記事の主役は前者のチャネル定義です。後者のソースカテゴリ表は、姉妹記事の TikTok・LinkedIn utm_source 編で詳しく扱いました。
GA4公式が定義している23チャネルの全リスト#
23 チャネルの全リストを 1 枚にまとめました。Email・SMS・Mobile Push の 3 つは、運用者が能動的に UTM を設計する場面で頻出するにもかかわらず、誤分類が起きやすいチャネルです。

なぜ「自動分類」で運用者は触れないのか#
GA4 のレポートを横断で比較可能にするため、Google 側がチャネル定義を固定しています[1]。運用者ごとに「これは Email、これは Referral」 と恣意的に変えられると、業界横断のベンチマークや GA4 公式ガイドの読み解きが成立しません。カスタムチャネルグループは別途作れますが、それは「自社専用ビュー」 であり、デフォルトの 23 チャネルに混ぜられないという設計です。
2.Emailチャネルの正解:どのUTMで送るとEmail分類されるか#
結論:utm_source か utm_medium のどちらかが公式 4 表記に一致すれば Email 分類です。
メルマガ配信の URL は、何を入れれば GA4 で Email チャネルに分類されるのでしょうか。公式ドキュメントの条件式は次の通りです[1]。
Email :
Sourceが"email|e-mail|e_mail|e mail"に合う ORMediumが"email|e-mail|e\_mail|e mail"に合う
utm_source と utm_medium の どちらかが該当すれば成立する OR 条件 です。表記は 4 種類(email / e-mail / e_mail / e mail)が許容されており、ハイフン区切り・アンダースコア区切り・スペース区切りも判定 OK です。
「メルマガ送ったのにEmail分類されない」ありがち事故#
実務でよくある事故は次の 3 つです。
utm_medium=newsletterを入れる : 「ニュースレター」 を直訳した命名ですが、公式の 4 表記には含まれません。Paid Other か (other) に落ちますutm_medium=mailを入れる : 「e」 が欠けています。mail単独は 4 表記に一致せず、Email チャネルから消えますutm_source=mailchimpのみ指定でutm_medium空欄 : Source 側に「email」 文字列が含まれないと判定不成立。utm_mediumの指定漏れで Referral 落ちが頻発
utm_source を mailchimp や sendgrid のような配信ツール名で運用したい場合は、utm_medium=email を必ず併記 すれば Medium 側の条件で Email 判定が通ります。
推奨フォーマットと、判定が分かれる具体値の早見表#
メルマガ配信での推奨フォーマットは次の通りです。
utm_source=mailchimp # 配信ツール名・社内で識別したい単位
utm_medium=email # 公式 4 表記のうち最短形
utm_campaign=2026-05-launch
utm_content=cta-button-top
utm_medium に入れる値ごとに、GA4 でどう分類されるかを 1 枚にまとめました。

3.SMSチャネルの正解:LINEやWhatsAppはSMS扱いか#
結論:SMS 判定は sms 完全一致のみで、LINE や WhatsApp は対象外です。
SMS チャネルの公式判定条件はさらにシンプルです[1]。
SMS :
Sourceが"sms"に完全一致 ORMediumが"sms"に完全一致
Email と違い、こちらは 完全一致 です。sms 以外の表記(SMS の大文字混在含む)はすべて SMS 判定から外れます。GA4 は値を大文字小文字を区別して保存するため、utm_source=SMS を入れると一致しません[1]。
LINE/WhatsAppはSMS扱いか:公式は「No」#
「メッセージ系チャネル」 として一括りに扱いたくなりますが、GA4 公式の SMS 定義は sms 文字列のみに反応します。utm_source=line や utm_source=whatsapp を入れても SMS 判定は成立せず、ソースカテゴリ表[3]の登録状況に応じて Referral か Organic Social か (other) のいずれかに分類されます。
「LINE 公式アカウントから配信した URL を SMS と同じくくりで見たい」 という社内要望は、デフォルトチャネルグループでは満たせません。カスタムチャネルグループを別途作るか、SMS チャネルだけは独立で見て、LINE は Referral 内で utm_source=line を別途集計するのが現実解です。
推奨フォーマットと事故パターン早見表#
SMS 配信での推奨フォーマットと、SMS 判定が分かれる値の早見表を 1 枚にまとめました。

4.Display・MobilePush・Affiliatesほか主要チャネルの判定ルール#
結論:主要 4 チャネルも判定式は公式に固定されており、推奨 utm_medium を覚えれば誤分類は防げます。
Email・SMS 以外で、運用者が UTM を能動的に設計する場面が多いのは Display・Mobile Push・Affiliates・Audio の 4 チャネルです。各チャネルの公式判定条件を 1 枚にまとめました[1]。

特に Mobile Push の判定条件は 3 つの OR 条件で構成されており、utm_medium=web-push でも utm_medium=mobile-app でも utm_source=firebase でも、いずれか 1 つを満たせば Mobile Push 分類が成立します[1]。Web プッシュ通知ツールから配信した URL の utm_medium には、これらのどれかを必ず仕込みます。
自社チャネルが誤分類されていないか確認する考え方#
公式定義を把握したうえで、自社 GA4 で実際にどう分類されているかは「集客」 → 「トラフィック獲得」 レポートをデフォルトチャネルグループでブレークダウンし、「Unassigned」 や「(other)」 にセッションが入っていないかで確認できます。考え方そのものは難しくありません。
重いのは、それを毎月そろえ続けることです。配信担当ごとに utm_source / utm_medium の表記ゆれが出るため、落ちている流入を生値まで分解し、命名規約のブレを全チャネル横断で手作業で突き合わせる——この下ごしらえを毎月回すのは続きません。「Unassigned」 や「(other)」 が 5% を超えていれば、配信担当ごとの UTM 命名規約のブレが疑われます。
5.正しく分類した後、本当に見たいのは「売上」#
結論:チャネル分類はあくまで入口で、GA4 だけでは「どのチャネルが稼いだか」 は出ません。
ここまで GA4 デフォルトチャネルグループの公式定義を読み解きましたが、運用者が最終的に知りたいのは「どのチャネルが売上に効いているか」 です。Email チャネルに正しく分類された 1,000 セッションのうち、購入に至ったのが何件で、平均購入単価がいくらだったかを見られて初めて、Email 配信への投資判断ができます。
ところが GA4 はトラフィックの起点(チャネル別セッション数)を計測するツールで、その先の「チャネル別に、セッションあたりいくら売れたか」 をチャネルごとに見比べるビューが標準にはありません。チャネルごとのセッション数までは出ても、utm_source / utm_medium の値を売上に紐づけて RPS(Revenue Per Session : 訪問あたり売上)や AOV(Average Order Value : 平均購入単価)でチャネルを見比べる機能は、構造的に欠けているのです。
「正しく分類して終わり」 ではなく、分類後の売上分析までを一続きで見て初めて、Email・SMS・Mobile Push のどのチャネルに投資すべきかを感覚でなく売上で判断できます。
6.よくある質問#
Q. GA4 のチャネル分類を直せば、売上の判断はできますか?
分類は入口までです。チャネルを正しく分けるのは前提として必要ですが、GA4 の標準レポートには「チャネル別に、セッションあたりいくら売れたか」 をチャネルごとに見比べるビューがありません。分類が正しくても、どのチャネルが稼いだかは別の見方が要ります。
Q. utm_medium=newsletter だと、なぜ Email に入らないのですか?
公式の Email 判定式は email / e-mail / e_mail / e mail の 4 表記に一致するかだけを見るためです。newsletter はこの 4 表記に含まれないので、Paid Other か (other) に落ちます。配信ツール名を utm_source に入れたい場合は utm_medium=email を必ず併記します。
Q. LINE 公式アカウントからの流入は SMS ですか?
いいえ。公式の SMS 判定は sms 完全一致のみで、utm_source=line は SMS 扱いになりません。ソースカテゴリ表の登録に応じて Referral か Organic Social に分類されます。LINE を独立で見たい場合はカスタムチャネルグループを作るのが現実解です。
RevenueScopeの解決策
GA4 はチャネルを正しく分類しても、チャネル別の「セッションあたり売上(RPS)」 や「平均購入単価(AOV)」 をチャネル別に見比べるビューが標準にありません。分類は正しいのに、どのチャネルが稼いだかは別途集計しないと見えない——ここが構造的な欠落です。
RevenueScope は、GA4 で正しく分類された utm_source / utm_medium の値をそのまま売上に紐づけ、チャネルごとのセッション・購入率・RPS・AOV を 1 画面で見比べられるようにします。bot の流入を除外し、Direct に紛れた流入を本来のチャネルへ振り戻したうえで、表記ゆれ(email と e-mail 等)も同じチャネルにまとめます。
| チャネル | セッション | 購入率 | RPS(訪問あたり売上) | AOV(平均購入単価) |
|---|---|---|---|---|
| 1,200 | 3.1% | ¥182 | ¥5,900 | |
| SMS | 600 | 2.4% | ¥119 | ¥4,950 |
| Mobile Push | 1,800 | 0.9% | ¥41 | ¥4,600 |
RevenueScope のチャネル別ビュー(表示はデモデータ)。セッションがいちばん多い Mobile Push が、訪問あたり売上では最下位になる——この逆転は、セッション数だけを見ていると気づけません。

こう見比べて初めて、「Email 配信を増やすべきか」「Mobile Push はセッションは多いが質を上げるべきか」 を、感覚でなく売上で決められます。なお RevenueScope が見るのは Revenue / AOV / RPS / CVR / Sessions の分解までで、LTV や粗利、ROAS、在庫、CRM の数値は対象外です。UTM の付け方は UTMパラメータの正しい使い方、訪問あたり売上の考え方は RPS(訪問あたり売上)の基本、チャネル別の売上効率の見方は EC集客の主要チャネル比較 で整理しています。
まとめ#
GA4 のデフォルトチャネルグループは、流入 1 件ごとに utm_source と utm_medium を公式ルールに照らして 23 チャネルへ自動分類する仕組みで、運用者は編集できません。Email は 4 表記いずれかに一致すれば成立、SMS は sms 完全一致のみ、Mobile Push は 3 つの OR 条件のいずれかで成立します。誤分類を防ぐには、推奨 utm_medium を覚えて命名規約をそろえることが要点です。
ただし、正しく分類できても GA4 だけでは「どのチャネルが稼いだか」 は出ません。チャネルを売上に紐づけ、RPS や AOV でチャネルごとに見比べて初めて、どのチャネルに投資すべきかを売上で判断できます。分類は入口、売上分析が本丸です。
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