2026年9月から、GoogleのAI Max(管理画面の日本語表記はAI最大化設定)への自動アップグレードが始まります。ただし対象は動的検索広告ではありません。動的検索広告の移行は2027年2月へ延期され、9月に切り替わるのは別の2つです。何が対象で、切り替わったあと売上をどう追うのかを整理します。
目次
この記事のまとめ#
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9月に自動で切り替わるのは、動的検索広告ではない
動的検索広告の自動アップグレードは2027年2月開始へ延期されました
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9月の対象は2つ
テキストのカスタマイズ(旧・自動作成アセット)を使っているキャンペーンと、キャンペーン単位の部分一致設定を使っているキャンペーンです
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有効になる機能は、対象ごとに異なる
誘導先を広げる最終ページURLの拡張は、9月の自動アップグレードでは既定で有効になりません
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媒体側の評価単位が変わっても、自社の売上とセッションは同じ物差しで測れる
ただしチャネル別に分類するにはutmが必要です
1.9月に自動で切り替わるのは、動的検索広告ではない#
9月に自動で切り替わる対象から、動的検索広告は外れています。
Googleが最初にこの告知を出したのは2026年4月15日で、そこには動的検索広告も9月に自動アップグレードされると書かれていました[1]。この記事はその後、6月11日に更新されています。更新の内容は、移行を終えるにはもっと時間が必要だという声を受けて、動的検索広告の終了と自動アップグレードの開始を2027年2月へ延ばす、というものです[1]。
日本語のヘルプにも同じ日付が入っています。「2027年2月より、動的検索広告(DSA)を使用しているキャンペーンは、AI最大化設定に自動的にアップグレードされます」[2]。4月の告知だけを読んで、9月に間に合わせようと移行を急いでいるなら、その前提は今は変わっています。
では9月に自動で切り替わるのは何かというと、公式ブログの更新部分に2つ挙がっています。自動作成アセットを使っているキャンペーンと、キャンペーン単位の部分一致設定を使っているキャンペーンです。この2つは予定どおり2026年9月から自動アップグレードが続く、と書かれています[1]。ヘルプ側にも同じ記載があり、テキストのカスタマイズ(旧称は自動作成アセット)を使っているキャンペーンは2026年9月からAI Maxへ自動的にアップグレードされる、とあります[3]。

設定は[アセットの最適化]パネルにある#
テキストのカスタマイズは、AI最大化設定の[アセットの最適化]パネルにあります。[キャンペーン]から[設定]タブを開き、対象のキャンペーンを選んで[AI最大化設定]へ進むと、このパネルが表示されます[4]。
ヘルプには以前の自動作成アセット向けの手順も別の節として残っていて、[設定]タブでキャンペーンを選び[編集]から[自動作成アセットの設定を変更]を開く形が載っています[4]。ただしヘルプは、テキストのカスタマイズを有効にするにはAI最大化設定の機能を使う必要があると書いていて、以前の自動作成アセット機能はいったん無効にすると再度有効にできない、ともしています[4]。
名称が変わっている点も見落としやすいところです。自動作成アセットは2025年5月27日以降、テキストのカスタマイズへ名称が変更されています[4]。以前の名前のまま記憶していると、設定画面で探す語そのものが合いません。
2.対象だった場合、広告文がGoogleの側で作られる#
自動アップグレードで有効になる機能は、対象ごとに異なります。
自動作成アセットを使っていたキャンペーンでは、検索語句とのマッチングとテキストのカスタマイズが既定で有効になります。キャンペーン単位の部分一致設定を使っていたキャンペーンで有効になるのは、検索語句とのマッチングだけです[1]。
ここで区切っておきたいのは、誘導先を広げる機能は9月には入らないという点です。9月に自動アップグレードされる2つの対象について、公式ブログが既定で有効になると挙げているのは検索語句とのマッチングとテキストのカスタマイズまでで、最終ページURLの拡張は入っていません[1]。9月に起きるのは広告文の自動生成と検索語句の広がりまでで、クリックした人の着地先がGoogleの判断で置き換わるわけではありません。
ただし自分でAI最大化設定をオンにした場合は範囲が異なります。ヘルプには、AI最大化設定を有効にするとテキストのカスタマイズと最終ページURLの拡張が有効になり、これらはキャンペーン設定で個別に無効にできる、とあります[5]。自動で入る範囲と、自分でオンにしたときに入る範囲は別のものとして読む必要があります。
2つの機能が、それぞれ何を変えるのか#
検索語句とのマッチングは、登録したキーワードだけでなく、広告文やランディングページの内容から関連する検索語句を見つけて広告を配信する機能です[5]。テキストのカスタマイズは、既存の広告・ランディングページ・アセットのテキストをもとに、検索語句に合わせた広告見出しや説明文を生成します[5]。
この2つが入ると、広告の成果を分けて数えるときの前提が変わります。広告文が自動で作られるようになると、どの見出しが効いたのかを自分が入稿した広告文の単位では追いきれません。検索語句が広がると、登録キーワード単位の集計も前後で同じ条件になりません。レポート側には新しい内訳が足されていて、検索語句レポートには一致の由来を示す[ソース]列が、キーワードレポートには「AI最大化設定」の概要行が、ランディングページレポートには[選択方法]列が追加されます[5]。増えるのは内訳であって、売上そのものが増えるわけではありません。この構図は、中身が見えない自動化を出口の売上で判断する話としてP-MAXの中身は見えなくても売上で判断するでも扱いました。
外すこともできるが、連動する設定がある#
テキストのカスタマイズは[アセットの最適化]パネルでチェックを外せます[4]。生成された広告見出しや説明文を、[広告]から個別に削除することもできます[4]。
連動に1つ注意点があります。最終ページURLの拡張が有効になっているキャンペーンでテキストのカスタマイズを外すと、最終ページURLの拡張も一緒に無効になります[4]。片方だけを止めたつもりで、着地先の挙動まで変わることがあります。
3.媒体側の見え方が変わっても、自社の売上は同じ物差しで測れる#
広告文の作り手が変わっても、1セッションあたりの売上の計算式は変わりません。
RPS(1セッションあたりの売上)は、自社サイトで実際に発生した売上を、自社サイトのセッション数で割った値です。分子も分母も自社サイト側にあるので、Googleが広告文をどう生成しようと、検索語句をどこまで広げようと、計算の材料そのものは影響を受けません。8月の水準と10月の水準を、同じ定義のまま並べられます。
ここには境界があります。サイト全体のRPSは媒体の仕様と無関係に出せますが、チャネル別やキャンペーン別に分類するときは、流入したリンクにutm(流入元を見分けるためにリンクの末尾へ付ける目印)が付いている必要があります。付けていなければ、そもそもチャネル別には分類できません。この前提は同じAI Maxを扱ったGoogleのAI Maxがショッピングへで整理したとおりで、あちらは自分でオンにするかを選べるショッピング側の設定なので、有効化の前後を自分で区切れる点が今回とは異なります。utmの設計そのものはUTMキャンペーン別に売上効率を見るで扱っています。
切り替わる日を自分で選べないので、先に控えておく#
自分でオンにする設定なら、有効化の前後で期間を区切れます。今回は自動アップグレードなので、切り替わる時期を自分では決められません。事前に通知が届くとは書かれています[1]が、9月のいつ切り替わるかは公式にも「9月末までに完了する見込み」までしか示されていません[1]。日付まで公表される変更もあり、8月17日の目標CPA入札の仕様変更はその形でしたが、今回は月までです。
現実的なのは、8月のうちに今の水準を控えておくことです。対象のキャンペーンについて、売上・RPS・AOV(客単価)・CVR(購入率)の4つを記録しておけば、切り替わりを挟んで同じ4つを並べられます。切り替わった時期そのものも、後から推移をたどれば範囲を絞れます。

RevenueScopeの解決策
RevenueScopeは、切り替わりを挟んだ前後を同じ物差しで比較するためのデータを保持しています。サイト全体の売上とセッションは日次の推移で表示するので、水準が変わった時期を日単位でたどれます。キャンペーン別は、チャネル行を開くとutm_campaign別の売上・RPS・AOV・CVRを直近の期間について表示します。ここでいう売上は、広告の管理画面に載るコンバージョン価値ではなく、自社サイトで購入が成立した金額です。広告費を入力またはデータのアップロードで取り込んだ期間は、チャネル別の実測ROAS(RevenueScopeが計測した売上÷広告費)も同じ画面に表示します。
媒体の管理画面に新しい内訳が増えても、ここで割っているのは自社サイトで購入が成立した売上のほうです。広告文が誰の手で作られていても、キャンペーン別に分類したこの4つは同じ定義のまま並びます。
RSにMCP経由でAIアシスタントに聞くとこう返る#
直近30日をキャンペーン別に尋ねると、こう返ってきます。
| utm_campaign | セッション | 売上 | RPS | AOV | CVR |
|---|---|---|---|---|---|
| 9月に対象だったキャンペーン | 1,520 | 54.7万円 | 360円 | 7,300円 | 4.9% |
| 対象外のキャンペーン | 980 | 38.8万円 | 396円 | 8,200円 | 4.8% |
※ 一例(イメージ)。直近30日のスナップショットで、サンプルデータのフィクションサイトです。
8月のうちに控えておいた対象キャンペーンの水準は、RPS 397円・AOV 8,200円・CVR 4.8%でした。直近30日はRPSが360円まで下がっていますが、CVRは4.9%でほとんど変わっていません。減ったのは購入率ではなく、1件あたりの金額のほうです。対象外のキャンペーンは同じ30日でRPS 396円・AOV 8,200円なので、サイト全体の相場が変わったわけではありません。
ここまで絞れると、次にやることが決まります。サイト全体の日次の推移で水準が変わった時期を絞り、その前後のGoogle広告側の変更履歴と検索語句レポートを照合すれば、自動アップグレードが入った時期かどうかを確かめられます。そのうえで、広告費の増分に売上の増分が見合っているなら続ける。見合っていないなら、テキストのカスタマイズを外して同じ4つの指標で測り直します。媒体が申告するクリック数と自社の計測がずれる理由はGoogle広告のクリック数とGA4のセッション数で整理しました。
FAQ#
よくある質問#
Q. 動的検索広告を使っています。9月までに移行しなければいけませんか?
A. 9月の自動アップグレードの対象からは外れています。動的検索広告を使っているキャンペーンの自動アップグレードは2027年2月開始です[1][2]。Googleは早めの移行を推奨していますが[1]、9月という期限で急ぐ理由はなくなりました。
Q. 自分のキャンペーンが9月の対象かどうかは、どこで分かりますか?
A. [キャンペーン]の[設定]タブからキャンペーンを選び、[AI最大化設定]の[アセットの最適化]パネルで[テキストのカスタマイズ]にチェックが入っているかを確認します[4]。ヘルプには以前の自動作成アセット向けの手順も残っていて、[設定]タブで[編集]から[自動作成アセットの設定を変更]を開く形が載っています[4]。キャンペーン単位の部分一致設定を使っている場合も対象です[1]。
Q. 9月以降、広告のリンク先がGoogleの判断で変わることはありますか?
A. 誘導先を広げる最終ページURLの拡張は、9月の自動アップグレードでは既定で有効になりません[1]。自分でAI最大化設定をオンにした場合は、テキストのカスタマイズと一緒に有効になりますが、キャンペーン設定で個別に無効にできます[5]。
まとめ#
9月に自動で切り替わるのは、テキストのカスタマイズ(旧・自動作成アセット)とキャンペーン単位の部分一致設定を使っているキャンペーンです。動的検索広告は2027年2月へ延期されました。対象だった場合に既定で有効になるのは、検索語句とのマッチングと広告文の自動生成までで、着地先を広げる設定は含まれません。
切り替わる時期を自分では選べないので、比べる材料は先に用意しておくのが現実的です。売上・RPS・AOV・CVRの4つを8月のうちに控えておけば、媒体側のレポートに新しい内訳が増えても、同じ定義のまま前と後を並べられます。
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