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GoogleのAI Maxがショッピングへ|検証の軸はUTM

GoogleのAI Maxを、標準のショッピングキャンペーンでも見かけたという報告が増えています。検索キーワードの拾い方も広告文も着地先のURLもGoogle側が決めるようになると、何が売れたかを分ける単位そのものが変わります。有効化の前と後で比べられる軸をどこに置くか、公式ヘルプで確認できる範囲に絞って整理します。

GoogleのAI Maxがショッピングへ|検証の軸はUTM

ショッピングキャンペーンの設定画面に「AI Max」の項目が出てきた。オンにすれば成果が上がると書いてあるが、後から効果をどう確かめればいいのかが分からない。ここでつまずくのは、機能の中身よりも成果の算出方法です。検索キーワードの拾い方も広告文も着地先のURLもGoogle側が決めるようになると、成果を分けて算出するための単位のほうが先に失われるからです。

この記事のまとめ#

  • AI Max for Shopping はベータ版で、設定は「テキストのカスタマイズ」と「最終URL拡張」の2つです。最終URL拡張はキャンペーン単位でオフにでき、着地させたくないURLの除外もできます
  • Googleの発表は2026年4月30日です。7月に入って標準のショッピングキャンペーンでも設定項目を見かけたという報告が広がった、という段階です
  • 有効にすると、検索キーワードの拾い方・広告文・着地先のURL・広告フォーマットの4つがGoogle側で変更します。同じキャンペーンの中で組み合わせが入れ替わるので、成果を分ける単位が消えます
  • 有効化の前後で変わらないのは、自分でリンクにつけたUTMだけです。同じ目印に着地したセッションの売上とRPSを、前と後で比べます

1. GoogleのAI Maxで、ショッピングの何が自動化されたのか#

AI Max for Shopping はまだベータ版で、有効にするかどうかは広告主が選ぶ設定です[1]。

公式ヘルプによると、この機能は2つの設定でできています。1つは「テキストのカスタマイズ」で、商品フィードやランディングページの情報から広告文を自動で作ります。もう1つが「最終URL拡張」です。自社サイトをクロールし、登録した商品URL以外にも購入につながりそうなページを着地先の候補に加えます[1]。カテゴリページ、新着ページ、編集して作ったページなどが対象です。この2つは対等ではなく、最終URL拡張はテキストのカスタマイズがオンになっていないと使えません[1]。さらに、商品フィードの情報をもとにしたテキスト広告が配信されることもあり、ショッピング広告とテキスト広告のどちらを出すかもGoogle側の判断で決まります[1]。

発表は4月、7月に広がったのは「見かけるアカウント」#

これは7月に発表された新機能ではありません。Googleが AI Max for Shopping を発表したのは2026年4月30日です[4]。既存のショッピングキャンペーンから1クリックで切り替えられ、商品ターゲティングと入札の設定はそのまま残ると案内されています[4]。7月下旬になって、標準のショッピングキャンペーンでも設定項目を見かけたという報告が広がった段階です[5][6]。Search Engine Land は、Googleが正式に告知するまでは早期の目撃情報として受け取るべきだと書いています[6]。

つまり今は「使えるようになったから急いで入れる」タイミングではなく、「入れる前に何を確かめておくか」を決めるタイミングです。Merchant Center 側でも、同じようにGoogleの判断に寄せる機能が増えています。この流れ自体はMerchant Centerの提案を売上で確かめるでも扱っています。

オフにできるし、URLも除外できる#

制御できなくなるわけではありません。最終URL拡張はキャンペーン単位のオプトイン設定で、必要なければオフにできます[2]。着地させたくないURLを指定して、拡張の対象から外すこともできます[2]。在庫が薄いカテゴリページや、古い特集ページに広告費を流したくないなら、ここで先に除外しておけます。

選べるのは「全部Googleに任せる」と「一切使わない」の間です。テキストのカスタマイズだけを選ぶ、最終URL拡張は入れるが一部URLは外す、といった中間の設定が最初から用意されています。

従来の標準ショッピングキャンペーンとAI Maxを有効にした場合で、検索キーワードの拾い方・広告文・着地URL・広告フォーマットをそれぞれ誰が決めるのかを整理した比較表

2. 着地も広告文も変わると、何が売れたかを分ける単位が消える#

では、この設定を入れたあとに「何が売れたのか」はどうやって数えればいいのでしょうか? 難しくなるのは成果の良し悪しではなく、成果を分ける単位のほうです。

これまでの標準のショッピングキャンペーンは、キーワードと広告文と着地先の組み合わせがある程度固定されていました。だから成果が落ちたときに、キーワードを絞る、広告文を差し替える、商品ページを直す、と手を入れる箇所を選べました。AI Maxを有効にすると、この組み合わせが4か所同時に変更されます。会話調やロングテールの検索キーワードにもGoogleが広告を当てにいきます[6]。広告文はフィードの属性から自動で作られ[1]、着地先は商品ページとは限らなくなります[1]。ショッピング広告とテキスト広告のどちらを出すかも自動で切り替わります[4]。

同じキャンペーン名の下で4つが変更されると、成果が変わったときに何が効いたのかを後から切り分けられません。売上が伸びた理由は、会話調の検索キーワードを拾えたからかもしれないし、カテゴリページに着地したからかもしれません。管理画面のコンバージョン数は、その内訳を持っていません。GoogleのP-MAXで先に起きたのと同じ構図で、中身が見えない自動化を出口の売上で判断する型はP-MAXの中身は見えなくても売上で判断するで整理しています。

「数え方のズレ」とは別の問題#

これは媒体と自社の数え方の違いとは別の問題です。数え方のズレはMetaのAdvantage+と自社計測のズレで扱っている論点で、こちらは数え方以前に「何と何を比べるのか」という単位のほうが崩れる問題です。

だから打ち手も変わります。定義をすり合わせて数を合わせにいくのではなく、動かない軸を1本決めて、その軸の上で前と後を比べます。

最終URL拡張を有効にする前と後で、広告クリックが着地したページの種類がどう変わるかを示した構成比の一例。有効化の前は商品ページのみ、有効化の後はカテゴリページや新着ページにも分かれる。説明用のイメージ

3. 変わらないのは自分でつけた目印だけ#

4つが変更されるなかで、広告主の側が最初から最後まで固定できるものが1つだけあります。リンクに自分でつけたUTM(Urchin Tracking Module=リンクの末尾につけて流入元を見分ける目印)です。着地先が商品ページからカテゴリページに変わっても、広告文が差し替わっても、utm_campaign の値は広告主が決めた文字列のまま変わりません。だから前後比較の軸をここに置きます。

やることは単純です。AI Maxを入れる予定のキャンペーンに、専用の utm_campaign の値を先に振っておく。そのうえで、有効化の前4週と後4週で、同じ値に着地したセッションの売上・RPS(1セッションあたりの売上)・AOV(客単価)・CVR(購入率)を見比べます。管理画面のコンバージョン数ではなく、自社サイトで実際に発生した売上を軸にするのが要点です。

平均+5%は、自店の見込み値ではない#

公式ヘルプには、Google社内のデータにもとづく数値が載っています。この機能を有効にすると、平均でコンバージョン数とコンバージョン価値が5%増え、CPAとROASは同水準に保たれた、という内容です[1]。判断材料として役に立つ値ですが、扱いには注意が必要になります。これは多くの広告主をまとめた全体の平均であって、自店の見込み値ではありません。

平均は大きく伸びた一部に引っ張られます。だから自店で確かめるときは、前後8週の週次の値を並べて、真ん中の値(中央値)と、上位25%にあたる週の水準がそれぞれどう動いたかまで見ます。平均だけを見ていると、良かった週が1つあるだけで「上がった」と読んでしまいます。

拡張後の着地に目印が残っているかは、実際のクリックで確かめる#

ここで1つ、公式ヘルプでは裏が取れなかった点があります。最終URL拡張でGoogleが選んだURLに着地したとき、自分がつけた計測用のパラメータがどう扱われるのかです。確認した公式ページには、その明記がありませんでした[3]。仕様として断定できない以上、実際の挙動で確かめるほうが確実です。

具体的には、有効化する前に少額で配信して自分でクリックし、着地したURLに utm_campaign の値が残っているかを見ます。残っていなければ、前後比較の軸そのものが成立しないので、有効化の判断はそこで止めます。Google側が着地先を広げるほど、1つの utm_campaign に紐づくページは増えていきます。GA4のトラフィック獲得レポートでも、キャンペーン別の売上は組み立てられます。ただし増えたページと期間を選び直しながら、売上と注文数を突き合わせる作業がそのたびに発生します。UTMの設計そのものはUTMキャンペーン別に売上効率を見るで扱っています。まとめた1行のRPSが平均になってしまう理由はGA4の参照元グループとキャンペーン別売上で整理しました。

同じutm_campaignに着地したセッションの週次RPS推移の一例。有効化の前4週と後4週を示し、サイト全体のRPSを比較用に重ねている。説明用のイメージ

RevenueScopeの解決策

RevenueScopeは、この前後比較に必要なデータを提供します。チャネル行を開くと、そのチャネルの中の utm_campaign 別に、売上・RPS・AOV・CVRを表示します。売上は媒体が申告したコンバージョン価値ではなく、自社サイトで実際に発生した金額です。表示できるのは直近の期間なので、有効化の前にこの画面の値を控えておき、4週間後の値と並べて前後を比べます。

広告費をAPI連携またはデータアップロードで接続した期間は、チャネル別の実測ROAS(RevenueScopeが計測した売上 ÷ 広告費)も同じ画面に表示します。どこにも紐づかない売上は Unattributed として表示するので、キャンペーン別の合計と全体の売上の差も確認できます。

RSにMCP経由でAIアシスタントに聞くとこう返る#

有効化の前に一度、4週間後にもう一度尋ねて、2回の回答を並べるとこう比べられます。

キャンペーン期間セッション売上RPSAOVCVR
shopping_aimax有効化前1,24050.8万円410円8,200円5.0%
shopping_aimax有効化後1,69061.5万円364円7,400円4.9%
shopping_std有効化前98039.2万円400円8,000円5.0%
shopping_std有効化後1,01040.8万円404円8,100円5.0%

※ 一例(イメージ)。2時点の回答を並べたもので、サンプルデータのフィクションサイトです。

この事例の特徴は、売上が増えているのに1セッションあたりの売上は下がっている点です。shopping_aimax はセッションが1,240から1,690へ増え、売上も50.8万円から61.5万円へ伸びています。ここだけを見れば成功です。しかしRPSは410円から364円へ、AOVは8,200円から7,400円へ下がっています。着地先が広がって単価の低い商品にも流入した、と読める形です。比較用の shopping_std はどちらもほぼ同じ水準なので、季節要因ではなく設定の違いによる変化だと切り分けられます。

ここまで確認できると、次の判断が具体的になります。売上の増分が広告費の増分に見合うなら続ける。RPSの低下が続くなら、着地させたくないカテゴリページをURL除外に追加して、もう一度同じ軸で測り直す。

FAQ#

よくある質問#

Q. AI Maxは、入れたら元に戻せませんか?

A. 最終URL拡張はキャンペーン単位のオプトイン設定なので、オフにできます[2]。着地させたくないURLを指定して拡張の対象から外すこともできます[2]。テキストのカスタマイズだけを選び、最終URL拡張は使わないという設定も可能です[1]。

Q. UTMは、最終URL拡張のあとも引き継がれますか?

A. 確認した公式ヘルプには明記がありませんでした[3]。仕様として断定できないので、有効化の前に少額で配信して自分でクリックし、着地したURLに utm_campaign の値が残っているかを実際に見てください。残っていなければ、前後比較の軸が成立しません。

Q. 平均で5%増えるなら、入れたほうが得ではありませんか?

A. その5%はGoogle社内のデータにもとづく全体の平均で、CPAとROASは同水準だったという記述と組みになっています[1]。商材も在庫の厚みも違う自店では、別の結果になりえます。判断は、自店の配信で前後の売上とRPSがどう動いたかで決めてください。

Q. P-MAXに移行しないと使えませんか?

A. Googleの公式ブログは、既存のショッピングキャンペーンから1クリックで切り替えられ、商品ターゲティングと入札の設定はそのまま残ると案内しています[4]。ただし今回の標準ショッピングキャンペーンでの表示については、Googleの正式な告知が出るまでは早期の目撃情報として扱うのが安全です[6]。

まとめ#

GoogleのAI Maxをショッピングキャンペーンで有効にすると、検索キーワードの拾い方・広告文・着地先のURL・広告フォーマットの4つが同時に動きます。組み合わせが動く分、管理画面のコンバージョン数では何が効いたのかを切り分けられません。広告主の側で固定できるのは、自分でリンクにつけた utm_campaign だけです。まずは来週の配信で、AI Maxを入れる予定のキャンペーンに専用の utm_campaign の値を振ってください。次に少額のクリックを自分で発生させ、着地URLに目印が残るかを確認します。有効化はそれからで、前4週と後4週の売上とRPSを同じ軸で比べます。

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