STORESのアクセス解析では、訪問数や今日の売上、よく見られた商品ページまでは見えます。でも「広告・SNS・検索のどこから来た人が、いちばん売上を生んでいるのか」を知ろうとすると、急に手がかりが薄くなります。訪問の数は見えても、その訪問が売上にどうつながったかは、チャネル別にはっきり出てこないのです。
この記事では、STORESのデータ分析で標準で見える範囲と、GA4(グーグルアナリティクス)のeコマース計測で広がる範囲、それでも残る壁を順に見ます。そのうえで、流入数でなく訪問あたりの売上(RPS=そのチャネルから来た1訪問が平均いくら売り上げたか)でチャネルを見比べる、という出口まで描きます。各サービスの売上分析機能を1画面で見比べたい人はECカートSaaSの売上分析機能の比較も合わせてどうぞ。
目次
この記事のまとめ#
- STORESのアクセス解析で見えるのは、訪問数・PV・ざっくりした流入元まで。どのチャネルが本当に売上を生んだか(チャネル別の売上効率)は、標準では主役になりません
- GA4のeコマース計測を足すと流入元別まで広がりますが、Direct(直接)で出どころが割れ、botで数字も汚れます。流入数は見えても、売上への効き目は見えにくいままです
- 大事なのは流入数でなく、訪問1回あたりの売上(RPS)でチャネルを見比べること。設定はスタートラインで、本当の問いは「次にどのチャネルへ手を動かすか」を売上で決められるかどうかです
1.STORESのアクセス解析で見えること・見えにくいこと#
STORESのアクセス解析で標準で見えるのは訪問数・PV・ざっくりした流入元まで。チャネル別に「どこから来た人がいくら売ったか」という売上効率は、標準では主役になりません。
STORESにもアクセス解析はあります。プランによって幅はありますが、訪問数やページビュー、流入元のざっくりした内訳、購入率は確認できます[1]。上位プランなら売上の集計ももう少し細かく見られます。だから「何も見えない」わけではありません。
STORESのデータ分析で見えやすいのは「数」です。何人来たか、何ページ見られたか、注文がいくつか。見えにくいのは「効率」です。検索とSNSで1訪問あたりどちらが多く売るか、メルマガとまとめサイトでどちらが手間に見合うか。こうしたチャネルごとの売上効率は、標準の画面では前に出てきません。
下の表は、STORESで標準的に見えやすい指標と見えにくい指標を整理したものです。訪問数やPVは見えても、チャネル別の売上効率は見えにくい側にあります。次の打ち手にいちばん効く数字ほど、標準では見つけにくいのです。

どのツールでどこまで見えるかを先に押さえたい人は、ECのアクセス解析ツールの選び方も参考になります。
2.「売上が見えない」と感じる原因—流入数と売上効率は別物#
「売上が見えない」と感じるのは、流入数は見えても、それが売上にどうつながったか(売上効率)が見えないからです。数と効率は、別物です。
「アクセスはあるのに、売上の手応えがない」。この正体は、流入の数と売上効率が混ざっていることです。流入が多いチャネルが、いちばん効率よく売っているとは限りません。たくさん来てもあまり買わないチャネルもあれば、少ししか来ないのによく買うチャネルもあります。
ここで多くの標準解析がとるのが、「最後にクリックされたチャネルにだけ得点を与える」見方です。一見わかりやすいのですが、その手前で需要を作ったチャネルがまるごと無視されます。動画や読み物で知ってもらい、後日あらためて検索で買われたとき、得点は検索だけに入り、最初のきっかけは0点になるのです。この見方のわなは最後のクリックだけで判断する落とし穴で詳しく整理しています。
これは判断を誤らせます。流入数だけを見て「このチャネルは売れていない」と切ると、じつは需要を生んでいたチャネルを止めてしまう。しばらくして別チャネルの売上まで落ちることもあります。流入の数を額面どおり信じると、かえって売上を削るのです。
下の図は、同じくらいの流入数でも、チャネルで訪問あたりの売上(RPS)がまるで違う例です。流入数を表す棒の順番と、売上効率を表す棒の順番が一致していません。

3.GA4のeコマースで広がる範囲と、その先に残る壁#
STORESで物足りなければ、GA4のeコマース計測で流入元別まで広がります。ただ、その先には標準ツールでは越えにくい壁が残ります。
流入の中身が薄いと感じたら、GA4のeコマース計測を足すのが定番です。購入を計測できるよう設定すると、流入元別の内訳やページごとの動き、購入までの流れまで、見える範囲が広がります[2]。流入元をチャネル単位でそろえて見るレポートもあります[3]。考え方は「購入というできごとをGA4に伝える」設定を入れる、というものです。
ただ、設定を入れても解決とはいきません。チャネル別の売上効率を前面に出すこと、そしてこの後に挙げる出どころ割れは、設定を頑張っても残ります。設定はあくまで出発点で、その先に壁が3つあります。
1つ目は、チャネル別の「売上効率」が標準レポートの中心指標にならないこと。流入や売上の合計は見えても、「1訪問あたりいくら売れたか」をチャネルを1画面で見比べる画面は、標準にはありません。
2つ目は、出どころが割れること。決済ページへ別ドメインで移るときなどに来歴が落ち、Direct(直接)や「(なし)」が膨らみます[4]。設定である程度は減らせますが、埋もれた売上は出どころ不明のまま残りがちです。この問題はShopifyの参照元が(なし)だらけでも扱っています。
3つ目は、数字の汚れ。bot(プログラムによる自動アクセス)がページを踏むと訪問が水増しされ、何が本当のお客さんか分かりにくくなります。GA4とカートで売上金額がずれることもあり、どちらの数字を信じればいいか迷う場面も出てきます。

上の表は、STORESの標準・GA4・売上起点の専用ツールが、4つの機能をどこまで持つかを並べたものです。標準は手軽だが売上判断に弱く、GA4は範囲が広いぶん使いこなしが要ります。チャネル別の売上効率をそろえて見続けることは、どのツールも標準機能の外にあります。
数字が散らばって1画面で本当の儲けが見えず、表計算ソフトで自作する人も出てきます。考え方は簡単です。難しいのは、botを除いて、チャネル別に流入数・訪問あたりの売上・売上をそろえて見比べる作業を、毎月続けることです。
RevenueScopeの解決策
STORESやGA4で売上の出どころを追うと、つまずく点が2つ残ります。1つは、設定を頑張っても「チャネル別の売上効率」が標準では前面に出ないこと。もう1つは、botを除いてチャネル別に流入数・売上効率・売上を並べて確認する作業が、毎月の手作業だと重いことです。
RevenueScope は、この見比べを提供します。流入をチャネル別に分け、botを除いたうえで、流入数・訪問あたりの売上(RPS)・売上を1つの画面でそろえて見られるようにします。下は、サンプルデータのフィクションサイトにRevenueScopeを当てたときの、チャネル別の見え方です。
| チャネル | 流入数 | RPS | 売上 |
|---|---|---|---|
| Google検索 | 267 | ¥406 | ¥108,558 |
| Direct(直接) | 162 | ¥552 | ¥89,487 |
| Meta | 143 | ¥109 | ¥15,633 |
| Yahoo!検索 | 27 | ¥455 | ¥12,299 |
| Gemini | 24 | ¥1,382 | ¥33,188 |
RevenueScope の get_breakdown(チャネル別・直近30日)の実出力。表示はサンプルデータの見本ECサイトによるものです。
この表の読みどころは2つです。1つは、流入数がいちばん多いのはGoogle検索なのに、訪問あたりの売上で見るとGeminiが最も効率よく売っていること。流入数が2番目に多いMetaは、1訪問あたりでは最も売れていません。流入の数で順位をつけると、効率のよいチャネルを見落とします。もう1つは、Direct(直接)が売上の2番手を占めること。どこから来たか曖昧な「直接」に売上が溜まる実態を、消さずに1行で見せます。さらに、最後のクリックだけに売上をつける見方から、最初のきっかけや途中の経路にも配分する見方へ切り替えて、同じ売上を別の角度から見比べることもできます。
RevenueScope が引き受けるのは、売上効率で次の一手を選ぶための判断材料づくりです。GA4などの汎用ツール経由でデータを受け取り、チャネル別の流入数・訪問あたりの売上(RPS)・売上を1画面でそろえます。粗利やLTVでなく、売上ベースのRPS・チャネル別の売上効率に特化することで、どのチャネルへ手を動かすかを、勘でなく自社の売上の数字で選べるようにします。
よくある質問#
Q. STORESの標準では、売上の分析はまったくできないのですか?
A. そんなことはありません。プランによりますが、訪問数やPV、流入元のざっくりした内訳、注文や売上の集計は見られます。見えにくいのは「チャネル別の売上効率」、つまりどのチャネルから来た人が1訪問あたりいくら売ったか、です。数は見えても効率は前に出てこない、という差を押さえておくと迷いません。
Q. GA4を入れれば、どのチャネルが売上を生んでいるか分かりますか?
A. 流入元別の流入や売上の合計までは広がります。ただ、チャネル別の「訪問あたりの売上」をそろえて見比べる画面は標準になく、Direct(直接)や(なし)で出どころも割れます。botで数字が汚れることもあります。見える範囲は広がりますが、売上効率で次の一手を決めるには、もうひと工夫が要ります。
Q. 結局、どの数字を見て次のチャネルを決めればいいですか?
A. 流入数だけで決めないことです。流入が多くても、訪問あたりの売上(RPS)が低ければ、手をかけても効率は上がりにくい。チャネル別に、botを除いた流入数・訪問あたりの売上・売上をそろえて見比べ、効率よく売れているチャネルを探します。考え方は簡単ですが、チャネルが増えても毎月続けるのは重い作業です。
まとめ#
STORESの管理画面で見えるのは、訪問数やPV、ざっくりした流入元まで。「どのチャネルが本当に売上を生んだか」というチャネル別の売上効率は、標準では主役になりません。GA4のeコマース計測で流入元別まで広がっても、売上効率は標準では前面に出ず、Direct(直接)や(なし)で出どころが割れ、botでデータも汚れます。設定を頑張るのは大事ですが、それだけでは終わりません。
本当の問いは、流入数でなく訪問あたりの売上(RPS)でチャネルを見比べ、「次にどこへ手を動かすか」を売上で決められるかどうかです。最後のクリックや流入の多さだけで判断すると、需要を作っていたチャネルを止め、かえって売上を削ることがあります。出どころを売上効率でそろえて見られるようにしておけば、次の一手を、勘でなく自社の数字で選べます。
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