·更新 2026年7月4日·EC / ネットショップ / チャネル分析 / アトリビューション / 売上分析

ネットショップ4社のチャネル分析|流入は見えても売上は別

BASE・STORES・Shopify・カラーミーショップで「どのチャネルがどれだけ売上を生んだか」が標準でどこまで見えるかを、公式情報をもとに比較します。流入数は見えても売上は別、決済でのDirect化、チャネル別の売上効率まで届くかという観点で、ネットショップごとの差を整理します。

ネットショップ4社のチャネル分析|流入は見えても売上は別

「アクセスはそこそこあるのに、どのチャネルが売上を生んでいるのか分からない」。ネットショップを運営していると、よく聞く悩みです。

訪問者数やPVは管理画面で見えても、その流入が「いくらの売上になったのか」までは見えないことが多い。広告経由のはずなのに、解析では大半が「Direct(サイトに直接来た人として記録される流入)」になっていて、流入元が分からない。ネットショップの現場ではよく起きることです。流入元が消えると、どのチャネルに予算を寄せるべきかの判断を誤ります。

本記事では、国内でよく使われるネットショップ4サービス(BASE・STORES・Shopify・カラーミーショップ)を取り上げます。「売上の流入元がどこまで標準で見えるか」を、各社の公式情報をもとに比較します。

まとめ解説動画

この記事のまとめ#

先に結論をまとめます。

  • 標準機能では「流入数」までは見えても、「チャネル別の売上」までは見えないネットショップが多い
  • 決済が別ドメインに移ると流入元が失われ、解析で「Direct」に化けやすい。これがチャネル判断を狂わせる
  • 同じネットショップでも、チャネル別の売上効率がどこまで見えるかは大きく違う。BASEは流入の割合のみ、Shopify・カラーミーショップ・STORESは流入元別の売上まで見える(STORESはフリープランでも純売上まで届く)
  • 本当に知りたいのは「どのチャネルが1訪問あたりいくら売るか(RPS)」。流入が多いチャネルほど売上効率が高いとは限らない

1.なぜネットショップではチャネル別の売上が見えにくいのか#

結論:多くのサービスは「流入数」と「売上」を別の画面で扱うため、チャネル別の売上がつながりにくいからです。

理由は大きく2つあります。

1つめは、流入の分析と売上の分析が分かれていることです。アクセス解析は「どこから何人来たか」を、売上分析は「何がいくら売れたか」を見ます。この2つが別画面だと、「どのチャネルがいくらの売上を生んだか」が一目では分かりません。

2つめは、決済での流入元の喪失(Direct化)です。買い物カゴから決済に進むとき、別のドメインに移るサービスがあります。すると、もともとの流入元(検索や広告)の情報が引き継がれず、解析上は「Direct」として記録されます。

この2つが重なると、こんなことが起きます。広告経由の売上がDirectに化け、本当は効いているチャネルが「成果ゼロ」に見える。逆に、最後にクリックされただけのチャネルが過大評価される。結果、間違ったチャネルに予算を寄せてしまうわけです。最後の接点だけで判断する危うさは ラストクリックだけで予算を動かすと損する理由 でも整理しています。

広告経由の売上の一部がDirectに計上され、計測に残る売上と本来の貢献にズレが生まれる仕組みの図解

対処の方向性はあります。決済で別ドメインに移っても流入元を引き継ぐ「クロスドメイン計測」や、自社ドメインを流入元から外す「参照元の除外」がその例です。設定すればDirect化はある程度おさえられます。ただ、どちらも初期設定に加えて、ドメインやタグが変わるたびの見直しが要ります。Directが増える原因と対処の順番は GA4「Direct/(none)」が増える5つの原因と対処順 にまとめています。

2.ネットショップ4社のチャネル分析を比較#

結論:3つの観点で見ると、サービスごとの差がはっきりします。

見るべき観点は次の3つです。

  1. 標準で流入チャネルが見えるか(どの粒度まで)
  2. 決済でのDirect化に強いか
  3. チャネル別の売上効率まで見えるか

この観点で4社を見比べると、次のようになります。

サービス流入チャネルの可視化決済でのDirect化耐性チャネル別「売上」まで
BASE検索/直接/SNS の3区分・割合のみ [1]設定しないと割れやすい出ない(販路の区別のみ)[1]
STORES流入元別の分析あり(フリープランでも)[2]設定しないと割れやすい流入元別に純売上まで見られる [2]
Shopify参照元ソース+具体ドメインまで [3]GA4 連携ではDirect化しやすい標準レポートで参照元別の売上まで [4]
カラーミーショップ流入元+検索ワードまで(有料プラン標準)[5]カート内のログまで自前取得で強い [5]流入元別の売上まで [5]

国内ネットショップ4社を「チャネル別の売上がどこまで標準で見えるか」で位置づけた図

どれが良い悪いではなく、見たいものに合うかです。「流入数が分かれば十分」なのか、「チャネル別の売上まで知りたい」のかで、必要なサービスや追加ツールが変わります。ここからは4社それぞれの見え方を、プランの違いも交えて読み解きます。

BASE:流入は3区分の割合まで#

BASEは無料で始められ、有料プランも用意されています。ただ、どのプランでも管理画面の「データ」で見える流入元は「検索エンジン/直接/SNS」の3区分の割合までです。参照元の細かい内訳や、チャネル別の売上は出ません。売上は「Web/PAY IDアプリ」という販路の区別までです [1]。手軽さは大きな魅力ですが、チャネル別に売上を見たいなら別の手段が要ります。BASEで売上をチャネル別に見る具体策は BASEで売上をチャネル別に見る方法 で解説しています。

STORES:流入元別に純売上まで、フリープランでも#

STORESは「データ分析(ネットショップ分析)」で流入元別の訪問や注文を見られます。しかも流入元別に、訪問回数・訪問者数・オーダー数・購入率に加えて純売上まで出ます。この機能はフリープランでもスタンダードプランでも使え、プラン間で機能差はありません [2]。無料のまま始めても、流入元別の売上分析はきちんと画面に出てきます。STORESで「どこから売れたか」を追う際の注意点は STORESのアクセス解析で売上の流入元を見る にまとめています。

Shopify:標準レポートで参照元別の売上まで#

Shopifyの強みは標準レポートです。「参照元別のセッション」だけでなく、「参照元別の売上(Sales by referrer)」まで標準で出ます。参照元はDirect/Search/Email/Socialなどに分かれ、具体的なドメインまで分かります [3][4]。一方で注意点があります。公式も「集客レポートは売上や注文数を出さない=訪問者のみ」と明記しており [3]、レポートを取り違えると流入数を売上と勘違いします。さらに、GA4を併用すると決済が別ドメイン経由になり、購入がDirectに化けやすい。多くの運用者がつまずく点です。「自社の管理画面では見える」と「GA4では消える」が両立するので、分けて考える必要があります。参照元が(なし)だらけになる問題の直し方は Shopifyの参照元が(なし)だらけになる原因と直し方 で扱っています。

カラーミーショップ:カート内まで追えてDirect化に強い#

カラーミーショップは、独自ツール「アクセスプラス」(有料プランの標準機能)が強みです。流入元(リンク元サイト)別の売上やカート遷移率まで見られます。他社では取りにくい、カート内(SSLページ)のアクセスログまで自前で取得するため、決済でのDirect化の影響を受けにくいのが特徴です [5]。

整理すると、標準で流入元別の売上まで届くのはShopify・カラーミーショップ・STORESです。BASEは流入の割合まで、という違いになります。GA4連携時にDirect化しやすいかどうかも合わせて見ておくと、あとで「広告が効いていないように見える」事故を避けやすくなります。

3.チャネル別の売上効率を1枚で見る#

結論:本当に知りたいのは「どのチャネルが、1訪問あたりいくらの売上を生むか」です。

チャネルを比べるとき、売上の総額だけ見ると、アクセスの多いチャネルが有利に見えます。そこで役立つのが RPS(1セッションあたり売上)です。

RPS = 売上 ÷ セッション数

RPSは、客単価と購入率の両方をまとめて1つにした指標です。客単価が高くても購入率が低ければRPSは下がり、客単価が中くらいでも購入率が高ければRPSは上がります。だから「アクセスが多い=優秀なチャネル」とは限りません。RPSの基礎は RPSとは|広告チャネル比較の指標・計算式・GA4での出し方 で解説しています。

サンプルデータのフィクションサイトのチャネル別RPS。流入が多いMetaはRPS81円で最下位、流入がわずかなGeminiやClaudeはRPS900円超と、流入数だけでは売上効率の差が見えないことを示した図

上の図は、あるサンプルデータのフィクションサイトで、チャネルごとのRPSを見比べたものです。流入が多いチャネルほど売上効率が高いとは限らないことが、1枚で見て取れます。標準機能だけでこれをチャネル横断で、しかも同じ基準で見るのは手間がかかります。だからこそ「チャネル別の売上効率を1枚で」見られるかが、判断のスピードを分けます。

RevenueScopeの解決策

サービスごとに見え方が違い、決済で流入元が消えることもある。「どのチャネルが売上を生むか」をすぐ知りたい人には、遠回りになりがちです。逆に、きちんと整理すれば「本当に効いていたチャネル」が分かり、予算配分を大きく見直せます。

RevenueScope は、GA4にタグを1つ足すだけで使える、売上特化の軽量ダッシュボードです。ネットショップの種類を問わず、チャネル別に、セッション・売上・RPS(1セッションあたり売上)を同じ基準で1画面にまとめます。さらに、Direct化で歪みやすい売上の帰属を、アトリビューションモデル(どの接点の成果として数えるか)で切り替えて見比べられます。ラストクリック・ファーストクリック・線形・時間減衰の4つをワンクリックで比較できます。どのチャネルにも紐づかない売上は「Unattributed(未帰属)」の行として隠さず示します。

「うちの売上、どのチャネルが効いてる?」と聞くと、RevenueScopeはこう返します(数値はサンプルデータのフィクションサイト)。

チャネルセッション売上(円)RPS(円)
Direct230137,253596
Google検索381128,459337
Gemini3533,188948
Google Ads16727,839166
Meta19115,63381
Claude1012,0881,208

この表を見ると、Metaは流入が191で上位なのに、RPSは81円で最下位です(売上は15,633円)。一方GeminiやClaudeは、流入がわずか35や10でも、RPSは948円・1,208円と高い。流入数だけを見ていたら「Metaは効いている」と勘違いします。専門知識がなくても、「Metaに寄せていた予算を、売上効率の高いチャネルへ見直す」と判断できます。

広告費を連携したチャネル(Google Ads/Meta)については、実測のROAS(広告費に対する売上の比率)や飽和度も同じ画面に出ます。このサンプルではMetaは広告費が大きくROAS1.88・飽和度73%で、売上効率の低さが広告面にも表れていました。ROASは広告費を連携したチャネル(Path B)でのみ算出します。

RevenueScopeが受け持つのは、日々のチャネル別売上判断です。細かいユーザー行動の分析はGA4、チャネル別の売上判断はRevenueScope、と役割を分けて補い合う使い方が向いています。

よくある質問#

Q. ネットショップの標準のアクセス解析だけではダメですか。

流入数の把握なら十分なことも多いです。ただ「チャネル別の売上」まで知りたいなら、サービスによっては別の手段が要ります。

Q. なぜ広告経由の売上が「Direct」になってしまうのですか。

決済が別ドメインに移るときに、もとの流入元の情報が引き継がれないためです。クロスドメイン計測や参照元の除外で改善できますが、設定とその後の見直しに手間がかかります。

Q. これからネットショップを選ぶなら、どれが良いですか。

「チャネル別の売上まで自分で見たい」なら、標準で流入元別の売上まで届くShopify・カラーミーショップ・STORESです(STORESはフリープランでも見られます)。「流入の割合がつかめれば十分、まず手軽に」ならBASE、と目的で分かれます。最終的には、足りない部分を別ツールで補う前提で選ぶのが現実的です。ツール選びの観点は ECアクセス解析ツールの選び方 も参考にしてください。

まとめ#

ネットショップのチャネル分析は、見出しだけ見ると「どれもアクセス解析あり」ですが、中身は大きく違います。「流入数」は見えても「チャネル別の売上」まで同じ基準で1枚で見られるかが、予算判断のスピードを分けます。標準機能で足りるのか、別ツールで補うのか。「自分は何を知りたいのか」に立ち返って選ぶのが近道です。

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