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LINE公式アカウントの売上効果|管理画面はクリックまで

LINE公式アカウントの管理画面で分かるのは、配信数・開封数・クリック数まで。売上はそこにありません。ではサイト側で見えるかというと、GA4にはLINEを個別に判別するチャネル定義がなく、UTMが付いていなければトークからの遷移はDirectに分類されます。結果として「LINE経由の売上」がどこにも集計されない。この記事では、そうなる仕組みをGA4側の分類ルールから確定させ、UTMで名乗らせる考え方、そしてメルマガと同じRPSで比べて初めて配信投資の優先度が出るところまでを整理します。

LINE公式アカウントの売上効果|管理画面はクリックまで

LINE公式アカウントの管理画面で分かるのは、配信数・開封数・クリック数までです。売上はそこにありません。GA4を開いてもLINEを個別に判別するチャネルはなく、UTMが付いていなければトークからの遷移はDirectに分類されます。日本のECで主力のCRMチャネルなのに、LINE経由の売上が1行も立たない。その直し方を整理します。

この記事のまとめ#

  • LINE公式アカウントの管理画面が示す効果測定の範囲は、配信数・開封数・クリック数ほか。売上はそこにありません
  • GA4にLINE専用のチャネル定義はありません。UTMを付けていなければ、トークからの遷移はDirectかReferralに分類され、LINE経由の売上として集計されません
  • 対処の出発点はUTMです。utm_mediumを1つの文字列に固定し、配信ごとに変えるのはcampaignだけにする
  • 考え方は簡単で、重いのは反復のほうです。全配信URLへの貼り分け、表記ゆれの名寄せ、botの除外、メルマガと同じルールでの集計が毎月ついて回ります
  • 友だち数とブロック率だけでは配信投資の優先度は決まりません。メルマガと同じRPSで比べて初めて、次の予算をどちらへ寄せるかが出ます

1. LINEの売上がGA4で見えない仕組み#

LINE経由の売上がどこにも出てこないのは、設定を間違えたからではありません。LINE側の画面とGA4側の分類ルール、その両方に理由があります。

LINEヤフー for Businessのサービスページは、LINE公式アカウントで効果測定できる範囲を配信数・開封数・クリック数ほかと記載しています[2]。LINE側で分かるのは、何人がメッセージを開いて、何人がリンクを押したかまで。押した人がいくら買ったかは、サイト側にしか記録が残りません。

サイト側のGA4にも、もう1つの壁があります。GA4はデフォルトチャネルグループという分類を持っていて、参照元とメディアの組み合わせからチャネルを決めます[3]。Emailにはutm_medium=emailという定義がありますが、LINEを個別に判別する定義はありません。LINEからの訪問だけを1行にまとめる仕組みが、最初から用意されていないのです。

参照元の情報もUTMパラメータも無い訪問は、GA4ではDirectに分類されます[3]。トークに貼ったURLにUTMが付いていなければ、そのセッションはDirectに入るか、参照元だけが渡ってReferralに分類されるかのどちらかです。どちらの場合も、LINEという1行にはなりません。Directが膨らむ原因の全体像はGA4のDirect / (none)が増える原因にまとめました。どの流入がどのチャネルへ入るかの読み方はGA4デフォルトチャネルグループの読み解きを参照してください。

タップ後の行き先はUTMの有無で決まる。UTMが付いていればその指定どおりのチャネルに分類され、付いていなければ参照元の有無に応じてReferralかDirectに分類される。説明用のイメージ

もう1点、経路そのものについて。LINE Developersのドキュメントには、URLにopenExternalBrowser=1を付けると対象のURLを外部ブラウザで開く、と記載されています[1]。着地するブラウザが指定ひとつで変わるということなので、計測の話をするときは前提として押さえてください。

こうしてできあがるのが、LINEの管理画面にはクリックまで、GA4にはDirectとして残り、売上だけがどこにも集計されない状態です。友だち数もブロック率も毎日見えるのに、その配信がいくら稼いだかは分かりません。ここが出発点です。

2. UTMで「LINE経由」と名乗らせる#

GA4が自動でLINEを判別しない以上、こちらから名乗らせるしかありません。それを担うのがUTMです。

UTMは、URLの末尾に付けて流入元をGA4へ伝えるタグです。utm_sourceで媒体名、utm_mediumで流入の種類、utm_campaignで個別の施策名を渡します。例えば、?utm_source=line&utm_medium=line_official&utm_campaign=0724sale のような形になります。sourceとmediumは固定し、配信ごとに変えるのはcampaignだけにする、というのが基本の考え方です。

重要なのはmediumを1つの文字列に決めて守ることです。ある配信ではline、別の配信ではLINE、また別の担当者はsns。この程度の違いでも、GA4の画面では別々の行に分かれます。分かれた行は合計されないので、「LINE全体でいくら」という数字がいつまでも出てきません。UTMそのものの付け方はUTMパラメータの正しい使い方で扱っています。

設定そのものは一度で終わります。効いてくるのは、そのあと毎月続く4つの作業のほうです。配信するすべてのURLへの貼り分け。1通の中に複数のリンクがあれば、そのすべてです。表記ゆれの名寄せは、担当者が増えるほど発生します。botの除外も要ります。そして、メルマガなど他のチャネルと同じルールで集計し直すこと。ここを揃えないと、次の章の比較そのものが成り立ちません。

同じ売上でも、UTMの前後で立つ行が変わる。UTM整備前はLINE経由の売上比率が0でDirectが29.1%だったが、整備後はLINEの行に19.6%が立ちDirectは9.5%まで下がる。説明用のイメージ

UTMを使わない道もありますが、どちらも補助にとどまります。LINEの管理画面のクリック数は、押した人数までしか分かりません。クリックと売上は結びつかないので、売上までは分かりません。クーポンコードとの突合は金額まで見えるものの、クーポンを配った配信にしか使えず、通常配信の売上は相変わらず見えないままです。

3. メルマガと同じ基準で比べて初めて分かること#

チャネルどうしの比較は、サイト側で同じルールで数えた数字だけで成り立ちます。LINEの管理画面が出すクリック数は、数えているものが違うため、この比較には使えません。

同じCRMでも、メルマガとは問題の質が違います。メール配信ツールは「経由売上」という金額を出すので、ツールとカートとGA4で3つの数字が食い違い、どれを信じるかで迷います。その食い違いの理由はメルマガの売上効果測定で詳しく扱いました。LINEの管理画面は、売上の数字を1つも出しません。信じる数字を選ぶ以前に、照合する相手が存在しないということです。

だからLINEでは、どこで何を数えるかの分担を先に決めます。施策どうしの比較は配信側の画面で、チャネルどうしの比較はサイト側の数字で。計測ツールを追加しても、媒体の画面とカートとGA4の数字が一致することはありません。それぞれが違うやり方で数えているからです。一致させようとせず、どの質問にどの数字を使うかを決めておく。これが計測の現実的な方針です。

チャネルどうしを比べるときの共通の基準になるのがRPSです。RPS(Revenue Per Session)は1回の訪問あたりいくら売れたかを表す指標で、流入の大小に左右されずにチャネルの効率を比べられます。定義と使い方はRPS(セッションあたり売上)とはにまとめています。

友だち数とブロック率は、LINE側の画面で見る数字です。リストの状態を管理するには要りますが、次の予算をどこへ寄せるかまでは決められません。RPSで比べると、決められる問いに変わります。LINEとメルマガのどちらが1回の訪問あたり売れているか。次の1万円を友だち獲得とメルマガのリスト獲得のどちらに入れるべきか。判断の材料が、配信の手応えでなく売上の側から出てきます。

流入規模とRPS指数で見た各チャネルの位置。LINEはセッションの8.4%にとどまるが売上では19.6%を占め、RPS指数は全チャネル平均を1.0としたとき2.3で最も高い。説明用のイメージ

ただし、そこへ届くにはGA4の標準レポートの外に出る必要があります。UTMの表記ゆれを名寄せし、botを除いたうえで、チャネル別の1セッションあたり売上を1画面で見比べる。この状態は、探索レポートを毎月手で組むか、別の場所に用意するかのどちらかです。

RevenueScopeの解決策

RevenueScopeは、utm_sourceの表記ゆれを吸収してbot流入を除いたあとの、チャネル別のセッション・売上・RPSを1画面で表示します。LINEもメルマガも検索も広告も、同じルールで集計した実売上ベースの数字です。

チャネル別に出すと、次のような形になります。

チャネルセッション比率売上比率RPS指数
LINE8.4%19.6%2.3
Email11.2%15.8%1.4
Google検索46.5%38.4%0.8
Google Ads18.3%16.7%0.9
Direct15.6%9.5%0.6

※ 一事例(イメージ)。RPS指数は全チャネル平均を1.0とした相対値

この事例のLINEは、セッションの8.4%を占めるだけなのに売上の19.6%を生んでいます。RPS指数2.3は、1回の訪問が平均の2倍以上売れているという意味です。同じCRMチャネルのメールが1.4なので、リスト獲得の予算をどちらに厚くするかは、この2行を見比べれば決まります。Directが0.6にとどまっていることも、UTMを付ける前と後では読み方が変わってきます。

LINEの管理画面が出すクリック数と、この画面のセッション数を見比べれば、押したあとに離脱しているのか、そもそも押されていないのかを切り分けられます。

FAQ#

よくある質問#

Q. UTMを付けると、LINEはGA4のどのチャネルに入りますか?

A. utm_mediumに何を入れたかで決まります。GA4のデフォルトチャネルグループは参照元とメディアの組み合わせで分類するため[3]、定義に一致しない文字列を入れた場合は未分類の扱いになります。どの流入がどこへ入るかの対応関係はGA4デフォルトチャネルグループの読み解きを参照してください。

Q. すでに配信した分を、さかのぼって計測できますか?

A. できません。UTMはリンクが押された瞬間に記録されるので、付けていなかった期間の訪問を後から分類し直すことはできません。今日以降の配信から付け始めて、比較できる期間を作るところが出発点です。

Q. 友だち数とブロック率は見なくていいのですか?

A. 見てください。役割が違うだけです。友だち数はリストの大きさを、ブロック率は配信の受け止められ方を表します。どちらもLINE側の画面で確認する数字で、配信の頻度や内容を調整する材料になります。予算配分の判断には、そこへチャネル別の売上効率が加わるという関係です。

Q. openExternalBrowser=1 は付けたほうがいいですか?

A. LINE Developersのドキュメントには、この指定で対象のURLを外部ブラウザで開くと記載されています[1]。付けるかどうかは、購入までの体験をどちらのブラウザで完結させたいかで決まります。計測への影響は環境によって変わるので、自社の配信で実際に試し、GA4にどう記録されるかを確かめてから決めてください。

まとめ#

LINE経由の売上が見えないのは、2つの要因が重なった結果です。LINEの管理画面はクリックまでしか数えず、GA4にはLINEを個別に判別するチャネル定義がない。UTMが付いていなければ、その訪問はDirectかReferralに分類されます。設定を間違えたわけではないので、管理画面を探し直しても出てきません。

対処の出発点はUTMです。utm_mediumを1つの文字列に固定し、配信ごとに変えるのはcampaignだけにする。設定はここで終わりで、実際に重いのは全配信URLへの貼り分けと、表記ゆれの名寄せ、botの除外、他チャネルと同じルールでの集計を毎月続けるほうです。

そして数え方をそろえた先で、メルマガと同じRPSで比べて初めて、友だち獲得と配信頻度のどちらに投資するかが決まります。友だち数とブロック率だけを見ている限り、この判断は出てきません。

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