海外で「The Great Blogging Collapse(ブログの大崩壊)」と題した調査報告が話題です。Daniel Stanica氏(Monetize Better)が、2022年から2026年までの4年間、100個のブログの検索流入を追跡しました。結果は中央値で85%減。半分以上のブログが8割超の流入を失い、12個はオーガニック流入がゼロになっていました。
先に結論を言います。この減少は一時的な順位変動ではなく、AI Overviewsと実体験重視のアップデートによる構造変化です。だから「流入量を元に戻す」戦い方は分が悪い。一方で、同じ4年で流入を伸ばしたブログが21個ありました。生き残った側に共通するのは、機械に真似できない一次体験と実在のブランドを持ち、流入を量でなく売上への質で見ていたことです。本記事では、調査の中身と生存の分かれ目、そして追う指標をアクセス数から着地売上へ付け替える考え方を見ていきます。
まとめ解説動画
目次
この記事のまとめ#
-
100ブログの4年追跡で検索流入は中央値85%減
55個が8割超を失い、12個はオーガニックゼロに。一方で21個は成長。Daniel Stanica氏(Monetize Better)によるSemrush推定ベースの調査
-
減少は構造変化であり、元には戻らない
AI Overviewsが検索結果の上で答えを完結させ、実体験重視のアップデートが「AIでも書ける記事」の評価を下げた。どちらも後戻りしない方向
-
生き残りの共通点は4条件のうち3つ以上
機械が作れない一次体験/メール等の自分で持つ読者/名前で検索されるブランド/実在のプロダクト。消えたのは実事業のない記事量産型
-
追うべきはアクセス数でなく着地売上
流入量はもう自分で制御できない数字。来た流入がどの着地でいくら売上になったかを、bot除外後のRPSで見るのが生存側の運営
1.何が起きたか|100ブログを4年追跡した結果#
結論: ブログ100個を4年間追跡した調査で、検索流入は中央値85%減っていました。半分以上が8割超を失い、成長できたのは21個だけです。
調査を行ったのは、ブログ収益化の情報を発信するDaniel Stanica氏(Monetize Better)です[1]。2022年から2026年までの4年間、100個のブログの検索流入をSemrushの推定値で追跡しました。内訳を見ると、100個のうち55個は検索流入が80%超の減少。20個は99%超を失い、12個はオーガニック流入がゼロになりました。100サイト合計の月間流入は1780万visitsから1200万visitsへ。さらに大手レシピ3社を除いた97ブログに絞ると、月間1100万visitsから400万visitsへの63%減です。合計値は一部の大手が支えているだけで、大多数はもっと深く沈んでいます。
注意点も先に書きます。この数値はSemrushの推定ベースであり、各サイトの実測ではありません。それでも、100個という規模で同じ方向を向いた変化は、個別の順位変動では説明できません。実際の現場でも、日次2万visitsあった大手ブログが600まで落ちた例があります。良質な記事を150本そろえ、検索評価も高いのに日次140が15〜30に沈んだ例もあります。記事の質だけでは救われない。これがこの4年で起きたことです。

2.なぜ検索流入は戻らないのか#
結論: 検索流入の減少は一時的な順位変動ではなく、構造変化です。AI Overviewsが検索結果の上で答えを完結させ、実体験重視のアップデートが「AIでも書ける記事」の評価を下げました。どちらも後戻りしない方向の変化です。
AI Overviewsは、検索結果の最上部にAIがまとめた回答を出すしくみです。ユーザーはそこで答えを得て、リンクを押さずに離れます。特に消えやすいのは「〜とは」「〜のやり方」「〜の比較」といった質問型の記事です。AIがその質問に直接答えてしまうので、記事まで来る理由がなくなります。もう1つが、実体験を重視するGoogleの一連のアップデートです[2]。一般論をきれいにまとめただけの記事、つまりAIでも書ける記事の評価が下がりました。言い換えると、Googleは「AIが作れるものは要らない」と判断するようになったのです。
つまりGoogleは、流入を配る場所から、その場で答える回答エンジンへ変わりつつあります。順位を上げる工夫で、この流れ自体は覆せません。一方で、ChatGPTなどAIの回答経由でサイトに来る新しい流入も生まれています(AIエンジン経由の流入と売上の見方)。流入の地図そのものが描き替わっている、と捉えるのが正確です。

3.消えたブログと生き残った21個の分かれ目#
結論: 生き残った21個には共通点がありました。機械が生成も要約もできない一次体験、メールやコミュニティなど自分で持つ読者、名前で検索されるブランド、実在のプロダクト。この4条件のうち3つ以上を満たしていたことです。
逆から見ると、消えたのはブログ単体で運営され、裏に実事業を持たないサイトでした。今回の変動でGoogleが下した判断を一言でいえば「コンテンツファームなら要らない」です。対照的に、製品と同じドメインで運営されるブログは、この4年の変動を通じて安定していました。ブログが製品に見込み客を連れてきて、製品がブログに「実在の事業」という信頼を返す。互いに養い合う関係です。名前で検索されるブランドであることは、AI検索の時代にはさらに効きます。AIの回答に名前ごと引用されるかどうかが、次の入口を左右するからです(AI検索でのブランド可視性)。
ここで1つ、正直に書いておきます。この4条件は「これをやれば流入が戻る」という手順書ではありません。一次体験もブランドも、明日そろえられるものではないからです。この調査が本当に問うているのは、もっと手前のこと。流入量を目標に置いた運営を、このまま続けるのかという問いです。生き残った側は、流入を量で見ていませんでした。
4.追うべきは流入量でなく着地売上#
結論: 検索流入が構造的に減る時代に握るべき数字は、アクセス数ではなく着地売上です。どれだけ来たかではなく、来た流入がどのチャネル・どの着地で、いくら売上につながったか。生き残った側の運営は、この付け替えができています。
流入量は、AI Overviewsのさじ加減ひとつで動く、自分では制御できない数字になりました。一方、来た流入の質、つまり売上への転換は、測れるし改善できます。海外の運営者の間でも、生のトラフィックよりコンバージョンがはるかに重要になった、という認識が広がりました。Googleを唯一の入口にせず、メールなど自分のチャネルを持つ方向へ、舵も切られています。EC事業者にとって、これは指標の付け替えを意味します。見るべきはセッション数の増減ではありません。自然検索がいくら売上を運んでいるか(自然検索の売上貢献の測り方)。そして、どの着地ページが売上を効率よく受け止めているか(着地ページの売上効率)です。
ここで指標を1つ紹介します。RPS(セッション1回あたりの売上)です。流入の質を、チャネルをまたいで1つの数字で見比べられます。ただ、これをGA4で日常的に出すのは重い作業です。チャネル別に売上を割り、bot(自動アクセス)を除き、毎回手作業で計算し直すことになるからです。考え方は簡単でも、毎週・チャネル横断で繰り返すには手が回りません。ここから先が、私たちの出番です。
RevenueScopeの解決策
結論: RevenueScope は、チャネル別の着地売上とRPSを、bot除外後のクリーンな数字で1画面に出します。流入量が減る時代に「どの流入を大事にすべきか」を売上で判断できるようにする測定器です。
実際の見え方をお見せします。サンプルデータのフィクションEC(RevenueScopeデモ)「サンプルEC店舗」の90日間、チャネル別のセッション数とRPSです。
| チャネル | セッション | RPS(円) |
|---|---|---|
| Google検索 | 814 | 304 |
| Direct | 485 | 570 |
| Meta | 419 | 132 |
| ChatGPT | 210 | 622 |
| Gemini | 77 | 431 |
| Claude | 19 | 2,336 |
流入量が最も多いGoogle検索(814セッション)のRPSは304円。対して、わずか19セッションのClaude経由はRPS2,336円です。量と質は別物であることが、この表1つで分かります。流入量だけを見ていたら、Claude経由は誤差として見過ごすでしょう。しかし1訪問の価値はGoogle検索の7倍以上です。検索流入が構造的に減っていく中で運営が握るべきは「どれだけ来たか」ではなく「来た流入がどの着地でいくら売上になったか」。RevenueScope はこれをbot除外後の数字で見せるので、水増しに振り回されずに判断できます。

ここで正直に線を引きます。RevenueScope は流入量を増やすツールではありません。検索順位を上げることも、AIの回答に自社を載せることもできません。また、完全なbot判定は誰にもできず、除外には限界があります。役割は1つだけ。来た流入の質を売上でつなぎ、判断できる状態にすることです。流入が減る時代の測定器であって、流入を戻す魔法ではありません。
5.FAQ#
Q. この調査の「85%減」は、日本のブログにもそのまま当てはまりますか? A. そのままの数値では当てはまりません。調査は英語圏中心で、Semrushの推定値ベースという限界もあります。ただしAI Overviewsも実体験重視の評価も日本の検索結果で進行中で、方向は同じです。自社の数字で確かめるのが確実です。
Q. 生き残った4条件をそろえれば、検索流入は戻りますか? A. 回復を約束する条件ではありません。4条件は「減りにくかった側の共通点」であり、流入を戻す手順書ではないからです。大事なのはむしろ、流入量を目標に置き続けるかの見直しです。着地売上を軸にすると、打ち手の優先順位が変わります。
Q. AI経由の流入は、GA4で見分けられますか? A. 一部は参照元から推測できますが、GA4の標準チャネル分類ではAI流入がまとまって見えず、手作業の整理が要ります(AIモード流入のGA4計測)。AIが参照元を渡さないケースの取りこぼしもあり、完全な計測は誰にもできません。
まとめ#
ブログ100個の4年追跡が示したのは、検索流入の減少が一時的な波ではなく、構造変化だということでした。中央値85%減、ゼロになったサイトが12個。それでも21個は伸びました。分かれ目は、機械に真似できない一次体験と、実在のプロダクトを持つブランドであること。そして流入を量でなく、売上への質で見ていたことです。流入量はもう、自分で制御できる数字ではありません。制御できるのは、来た流入をどの着地で受け、いくら売上につなげるか。追う指標をアクセス数から着地売上へ付け替える。それが、この調査から持ち帰るべき一番の教訓です。
どの広告が売上を生んでいるか、一目でわかる
月5,000セッションまで、AIアナリストもずっと無料。クレジットカード不要。最短5分で導入。



