SEOに時間をかけて、自然検索(オーガニック検索)からの流入が増えてきた。アクセス解析を開くと、チャネルの中で自然検索のセッション数がいちばん多い。これだけ来ているのだから、SEOは効いている——そう思いたくなります。
ですが、ここで一度立ち止まる価値があります。「自然検索は本当に売上に貢献しているか」という問いです。流入の数が多いことと、その流入が売上を生んでいることは、別の話だからです。たくさん来ていても、見るだけで去っていく人ばかりなら、売上にはなっていません。本記事では、なぜ流入数だけでは貢献が分からないのか、チャネルの価値を「訪問あたりの売上(RPS)」で見るとは何か、そしてその見比べが手作業だと重くなる事情を、順番に整理していきます。
まとめ解説動画
この記事のまとめ#
- 自然検索の流入が多いことと、その流入が売上に貢献していることは、別の話です。たくさん来ていても、見るだけで去る人が多ければ、売上にはなっていません
- チャネルが稼いでいるかは、訪問の数ではなく「訪問あたりの売上(RPS、訪問1回あたり平均いくらの売上か)」で見えてきます。自然検索のRPSを、広告やSNSなど他のチャネルと見比べると、立ち位置が分かります
- ただし、チャネルを横並びでRPSにそろえて比べるのは、手作業だと重い作業です。自動プログラム(bot)の混入や、出どころ不明の売上も、そろえる手間になります
1. 「流入が多い=貢献している」とは限らない#
結論から言うと、自然検索の流入がいちばん多くても、それが売上にいちばん貢献しているとは限りません。
アクセス解析を開くと、チャネルごとのセッション数が並びます。自然検索が上位に来ていると、つい「ここがいちばん効いている」と読みたくなります。でも、セッションの数は「どれだけ来たか」であって、「どれだけ売れたか」ではありません。来た人が、見るだけで去ったのか、それとも買ったのか。そこは、セッション数だけ見ていても分かりません。
実際、流入が落ちても気にしない、という声すらあります。検索のされ方が変わり、調べるだけの人がAIの回答などで満足して来なくなる一方、わざわざサイトまで来る人は、より「買う気のある人」に絞られてきた、という見方です。つまり、流入の数が減っても、来る人の質が上がれば、売上はむしろ保てる。逆に、流入が多くても質が伴わなければ、数ほどには売上に効いていない。だから、自然検索の貢献を測るには、セッションの数から目を上げて、「その流入がいくらの売上を生んでいるか」を見る必要があります。

2. チャネルの価値は「訪問あたりの売上(RPS)」で見える#
結論から言うと、チャネルが稼いでいるかどうかは、訪問あたりの売上(RPS)で見ると、はっきりします。
RPSとは、Revenue Per Sessionの略で、訪問1回あたり平均いくらの売上が立ったか、という指標です。計算はかんたんで、そのチャネルの売上を、そのチャネルのセッション数で割るだけ。これを使うと、チャネルを「数」ではなく「中身」で見比べられます。たとえば、自然検索はセッションが多くてもRPSがふつう、いっぽうメールはセッションは少ないけれどRPSが高い、というように、訪問1回の重みがチャネルごとに見えてきます。
この見方をすると、自然検索の立ち位置がはっきりします。セッションがいちばん多いのに、RPSが他のチャネルより明らかに低ければ、「数は多いが、1回あたりは薄い」流入だと分かる。逆に、RPSも悪くなければ、量と質の両方で効いている、頼れるチャネルだと言えます。大事なのは、自然検索だけを単独で見るのではなく、広告・SNS・メールなど他のチャネルと横並びでRPSを見比べること。並べてはじめて、「この流入は数のわりに稼いでいるのか、いないのか」が判断できます。

3. 横並びで見比べるのが、手作業だと重い#
結論から言うと、チャネルを横並びでRPSにそろえて比べること自体は、手作業だと意外に重い作業になります。
考え方は、むずかしくありません。GA4などのアクセス解析でも、チャネル別のセッションと売上は見られます。それを取り出して、売上をセッションで割れば、RPSは出せます。一度だけなら、表計算ソフトに写してさっと計算できます。問題は、それを毎月、正確にそろえ続けられるか、です。
つまずきどころは、いくつもあります。まず、チャネルの分け方をそろえないと、比較がずれます。次に、自動プログラム(bot)のアクセスが混ざっていると、人が来ていないのにセッションだけ多く見え、RPSが実際より低く出てしまう。さらに、どのチャネル経由か分からない「出どころ不明」の売上があると、チャネル別の売上が実際より小さく見える。これらをそろえてから、ようやく横並びのRPSが意味を持ちます。考え方は簡単でも、毎月この下ごしらえをして、全チャネルをそろえて並べ続けるのは、手作業だと続きにくい。ここが、つまずきどころです。

RevenueScopeの解決策
自然検索が稼げているかを突き止めようとすると、結局ぶつかるのは同じ壁です。チャネルを横並びでRPSにそろえ、botや出どころ不明をならしたうえで、毎月くり返し見比べられるか、という壁です。
RevenueScope は、この見比べを肩代わりします。チャネルごとのセッション・売上・訪問あたりの売上(RPS)を、横並びで見せます。自動プログラム(bot)のアクセスは除いたうえでの数字で、どのチャネルにも紐づかなかった「出どころ不明」の売上も、別の行として切り分けます(表示はデモデータ)。
| チャネル | セッション | 売上 | 訪問あたり売上(RPS) |
|---|---|---|---|
| 自然検索 | 8,000 | ¥640,000 | ¥80 |
| 広告 | 3,000 | ¥360,000 | ¥120 |
| SNS | 5,000 | ¥150,000 | ¥30 |
| メール | 1,200 | ¥240,000 | ¥200 |
| 出どころ不明 | — | ¥120,000 | — |
いちばん下の「出どころ不明」は、どのチャネルにも紐づかなかった売上です。これを別の行に出しておくと、チャネル別の売上が実際より小さく見えるのを防げます(セッションに紐づかないため、訪問あたり売上は出しません)。
この表の読みどころは、自然検索の立ち位置です。セッションは8,000といちばん多く、売上も64万円といちばん大きい。RPSは80円で、広告(120円)やメール(200円)より低いものの、SNS(30円)よりは高い。つまり自然検索は「数も多く、1回あたりも悪くない」、量と質のバランスで効いているチャネルだと読めます。もしRPSがSNS並みに低ければ、「数は多いが薄い」流入で、SEOの中身を見直す合図になります。こうして横並びにすると、自然検索が本当に貢献しているのかが、勘ではなく数字で見えてきます。
ひとつ、はっきりさせておきます。RevenueScope が出すのは、チャネル別の売上とRPSの見比べです。「どのキーワードで来たか」や「順位を上げる方法」までは出しません。それは検索側の別の道具の役割です。RevenueScope が示すのは、自然検索というチャネルが、他とくらべて稼げているかどうか。その判断材料を、botや出どころ不明をならしてそろえます。どう動くかは、あなたが決めます。
FAQ#
よくある質問#
Q. 自然検索の流入が減ったら、SEOは失敗ですか?
A. 必ずしもそうではありません。流入(セッション)の数だけでは、成否は判断できないからです。検索のされ方が変わり、調べるだけの人が減って、買う気のある人だけが残る、ということも起きています。その場合、流入は減っても、訪問あたりの売上(RPS)はむしろ上がっていることがあります。大事なのは、流入数の増減だけで一喜一憂せず、その流入が生んだ売上とRPSで見ること。数が減っても売上が保てていれば、質が上がったと読めます。
Q. RPSは、どう計算すればいいですか?
A. そのチャネルの売上を、そのチャネルのセッション数で割るだけです。たとえば自然検索の売上が64万円、セッションが8,000なら、RPSは80円です。注意点は2つあります。ひとつは、自動プログラム(bot)のアクセスをできるだけ除くこと。人が来ていないのにセッションだけ多いと、RPSが実際より低く出ます。もうひとつは、どこ経由か分からない「出どころ不明」の売上があると、チャネル別の売上が小さく見えること。この2つをならしてから割ると、より実態に近いRPSになります。
Q. 自然検索のRPSが低かったら、どうすればいいですか?
A. まずは、なぜ低いのかを切り分けます。買う気の薄いキーワード(「○○とは」など意味を調べる検索)ばかりで来ているのか、来たあとの受け皿(ページや導線)が弱いのか、で打ち手は変わります。前者なら、買う気の強いキーワードを取りに行く。後者なら、ページの中身や購入までの導線を見直す。RPSの高い・低いは「どこを直すか」の入り口で、それ自体が答えではありません。まずは他チャネルと横並びで、自然検索が数のわりに薄いのかどうかを確かめるところから始めます。
まとめ#
自然検索の流入が多いことは、それ自体は良いことです。ですが、流入の数が多いことと、その流入が売上に貢献していることは、別の話です。たくさん来ていても、見るだけで去る人が多ければ、売上にはなっていません。
チャネルが稼いでいるかは、訪問の数ではなく「訪問あたりの売上(RPS)」で見えてきます。自然検索のRPSを、広告・SNS・メールなど他のチャネルと横並びで見比べれば、数のわりに稼いでいるのか、それとも数だけ多いのかが分かります。
ただし、その見比べを手作業でそろえ続けるのは重い作業です。チャネルの分け方、botの除外、出どころ不明の切り分け——これらをならしてはじめて、横並びのRPSが意味を持ちます。流入数で安心するのをやめて、自然検索が本当に売上に効いているかを、RPSで一度確かめてみてください。SEOの努力が、数ではなく売上で語れるようになります。
