SEOに力を入れた、広告を出した、SNSを頑張った——その甲斐あって、アクセスはたしかに増えた。なのに、売上はほとんど変わらない。「集客は増えているのに、売上につながらない」。ネットショップを運営していると、よくぶつかる状況です。
原因の多くは、増えたアクセスの「質」にあります。アクセスが増えても、その訪問が買ってくれなければ、売上は増えません。これを見抜く数字が、訪問あたりの売上(RPS)です。RPSとは、Revenue Per Sessionの略で、売上を訪問回数(セッション数)で割った数字のこと。アクセスの数が2倍になっても、増えた分のRPSが薄ければ、売上は伸びません。本記事では、なぜアクセス増が売上に直結しないのか、どこで薄まったかをどう切り分けるのか、そしてその切り分けを毎月そろえて続けるのがなぜ重いのかを、順番に整理します。
まとめ解説動画
この記事のまとめ#
- アクセスが増えても、売上が増えるとは限りません。増えた訪問が買ってくれなければ、売上は変わらないからです
- 見るべきは、訪問あたりの売上(RPS)。アクセスの数が増えてもRPSが下がっていれば、増えた分は売上を生んでいないというサインです
- どこで薄まったかは、チャネル別のRPSで切り分けられます。多くの場合、新しく増やした流入(広告やSNS)のRPSが低く、全体を薄めています
1. アクセスが増えても、売上が増えるとは限らない#
結論から言うと、アクセスが増えたのに売上が伸びないのは、増えた訪問が「買ってくれない訪問」だからです。
売上は、ざっくり「訪問の数 × 訪問あたりの売上(RPS)」で決まります。だから、アクセス(訪問の数)が増えれば売上も増えるはず——と思いたくなります。ですが、増えた訪問のRPSが低ければ、かけ算の答えはたいして増えません。たとえば、それまで4,000訪問でRPSが140円だったお店が、広告で5,000訪問を足して合計9,000訪問になったとします。アクセスは2倍以上。ところが、足した5,000訪問のRPSが30円だったら、増えた売上は15万円分だけ。全体のRPS(平均)は140円から79円へと、むしろ下がります。
ここで大事なのは、全体のRPSが下がっているという事実です。アクセスの数だけ見ていると「集客は伸びた」と満足してしまいますが、RPSが下がっていれば、それは「売上を生まない訪問」を増やしただけ、というサインです。だから、アクセスが増えたのに売上が伸びないときは、まず全体のRPSが下がっていないかを確かめるのが出発点になります。

2. どこで薄まったかは、チャネル別のRPSで分かる#
結論から言うと、全体のRPSが下がった原因は、チャネル(流入の入り口)ごとにRPSを分けて見ると突き止められます。
全体の平均RPSは、いろいろな入り口から来た訪問が混ざった数字です。自然検索から来た訪問、メールから来た訪問、広告から来た訪問——それぞれRPSは大きく違います。混ざったままの平均だけ見ていると、「全体が下がった」ことは分かっても、「どの入り口が下げているのか」が分かりません。そこで、チャネル別にRPSを並べて比べます。
たとえば、自然検索のRPSが120円、既存顧客向けメールが200円、新しく増やしたSNS広告が30円だったとします。すると一目で、SNS広告の訪問が全体を薄めていると分かります。SNS広告は数こそ稼いでいますが、買う気が固まる前の「とりあえず見ただけ」の訪問が多く、RPSが低く出やすい。これは「SNS広告をやめろ」という話ではありません。母数が大きいぶん、その低いRPSを少し上げられれば売上インパクトは大きい。逆に、チャネル別に分けずアクセスの合計だけ見ていると、どこで薄まったのかという肝心のサインを見逃してしまうのです。

3. 同じ条件でそろえて毎月見るのが、手作業だと重い#
結論から言うと、チャネル別にRPSを見比べる考え方は簡単です。重いのは、その見比べを正しい条件にそろえて、毎月くり返すことです。
まず、数字をきれいにする手間があります。自動プログラム(bot)のアクセスが混じると、訪問数だけがふくらみ、RPSが実際より低く見えます。アクセスが急に増えたときほど、その増分にbotが混じっていないかを疑う必要があります。次に、新規とリピーターを分ける手間。広告で増えるのはたいてい新規で、新規はリピーターよりRPSが低めに出ます。分けずに見ると、チャネルの差なのか客層の差なのかが混ざってしまいます。さらに、指標をそろえる手間もあります。チャネル別に「セッション・売上・RPS」をひとそろいにした表は、標準のレポートには用意されていません。だから、自分で数字を組み合わせて整える必要があります。
一度だけならできます。でも、施策を打つたびに、毎月この前処理(bot除外・新規リピート分け・チャネル別にRPSをそろえる)をやり直して見比べ続けるのは、地味に重い。考え方はシンプルでも、続けるのが大変——ここが、アクセス増の正体を見失いやすい理由です。

RevenueScopeの解決策
アクセスが増えたのに売上が伸びない原因を突き止めようとすると、結局ぶつかるのは同じ壁です。自動プログラム(bot)を除き、新規とリピーターを分ける。そのうえで、チャネルごとの訪問あたりの売上(RPS)を、毎月くり返し1画面で見比べられるか。ここが壁になります。
RevenueScope は、この見比べを肩代わりします。チャネル(自然検索・広告・メールなど)ごとのセッション・売上・購入率(CVR)・訪問あたりの売上(RPS)を、1画面にまとめて表示します。自動プログラム(bot)のアクセスは除いたうえでの数字です(表示はデモデータ)。
| チャネル | セッション | 売上 | 購入率(CVR) | 訪問あたり売上(RPS) |
|---|---|---|---|---|
| 既存顧客メール | 1,000 | ¥200,000 | 3.0% | ¥200 |
| 自然検索 | 3,000 | ¥360,000 | 1.5% | ¥120 |
| 新規SNS広告 | 5,000 | ¥150,000 | 0.4% | ¥30 |
この表の読みどころは、増えた流入の正体です。新規SNS広告はセッション(5,000)こそいちばん多いのに、RPSは30円と桁違いに低い。先月までの平均RPS(140円)を、この低RPSの流入が一気に薄めた、というのが「アクセスは増えたのに売上が伸びない」の正体です。チャネル別にRPSをそろえると、どこが薄めたのかが数字で見えます。そのうえで打てる手は2つ。母数の大きいSNS広告のRPSを上げにいくか(入り口のずれを直す)、RPSの高いメールや自然検索にもっと投資するか。アクセスの合計だけ見ていたら、この判断材料は手に入りません。
ひとつ、はっきりさせておきます。RevenueScope が示すのは売上ベースの効率で、広告の費用対効果(ROAS)は、チャネル別の広告費を連携した場合に算出します。また、粗利(原価を引いたあとの利益)や在庫までは計算しません。RevenueScope が肩代わりするのは、bot を除き新規とリピーターを分けたうえで、チャネルごとのRPSを同じ条件でそろえ、どこで薄まったかを見分ける材料を整えるところ。どこから手をつけるかは、あなたが決めます。
FAQ#
よくある質問#
Q. アクセスが増えたのに売上が変わらないのは、いつか追いついて伸びますか?
A. 増えた訪問の質しだいです。増えたのが「買う気のある訪問」なら、回遊や再訪を経て後から売上につながることもあります。ですが、RPSの低い流入(とりあえず見ただけのSNS流入など)が増えただけなら、待っても自然には伸びにくいです。だからこそ、まず全体のRPSが下がっていないか、どのチャネルで薄まったかを確かめて、入り口のずれを直すほうが近道になります。
Q. RPSと購入率(CVR)は、どちらを見ればいいですか?
A. 両方が役に立ちますが、売上に直結するのはRPSです。購入率は「買った人の割合」だけを見る数字で、いくら買ったか(客単価)は含みません。RPSは購入率と客単価の両方を反映した、訪問1回あたりの売上です。アクセスが増えても売上が伸びないときは、まずRPSの変化を見て、その内訳(購入率が落ちたのか、客単価が落ちたのか)を後から切り分けるのが分かりやすい順序です。
Q. botのアクセスは、そんなに混じるものですか?
A. サイトや時期によりますが、無視できない割合で混じることがあります。とくに広告を出した直後や、急にアクセスが増えたときは、その増分にbotや無効なクリックが含まれていないかを疑う価値があります。bot を除く前の数字でRPSを計算すると、訪問数だけふくらんでRPSが実際より低く見え、「流入の質が悪い」と誤って判断してしまうことがあるためです。
まとめ#
アクセスが増えたのに売上が伸びないのは、増えた訪問が「買ってくれない訪問」だからです。売上は「訪問の数 × 訪問あたりの売上(RPS)」で決まるので、数が増えてもRPSが薄ければ、売上はたいして増えません。
だから、まず確かめるのは全体のRPS。アクセスの数が増えてもRPSが下がっていれば、それは売上を生まない訪問を増やしたサインです。次に、チャネル別にRPSを分けて、どの入り口が全体を薄めたのかを突き止めます。多くの場合、新しく足した広告やSNSの流入のRPSが低く出ています。
bot を除き、新規とリピーターを分けて、チャネル別にRPSを同じ条件でそろえる。それを毎月くり返すのは手作業だと重いぶん、ここを肩代わりできれば、増えたアクセスが本当に売上を生んでいるかを、勘でなく数字で見極められます。
