·更新 2026年6月26日·RFM分析 / 顧客分析 / EC指標 / リピート率 / 売上分析

RFM分析とは|高く買った人より、また買う人

RFM分析は顧客を「最近買ったか・頻度・金額」の3指標でランク分けし、誰に何をするかを決める手法。3指標の見方、スコア化と4ステップ、優良顧客と離脱予備軍への打ち手、コホート分析との違いを整理。そのうえで、優良客を増やす投資先=チャネル別の新規/リピートの売上効率の見方までつなげます。

RFM分析とは|高く買った人より、また買う人

「半年前に1回だけ高く買ってくれた人」と「毎月こつこつ買ってくれる人」。どちらが大事なお客さんでしょうか。購入金額だけを見ると、前者を優良客と勘違いします。 顧客を大事な順に見分けるための定番が RFM分析 です。最近買ったか・どのくらいの頻度で買うか・いくら使ったか、の3つでお客さんをランク分けします。

この記事では、3指標の見方、スコア化と4ステップ、優良顧客と離脱予備軍への打ち手、よく一緒に語られるコホート分析との違いまでを、図と例で整理します。 そのうえで、「では優良客=また買ってくれる人を、どのチャネルから多く連れてこられているか」を売上効率で見分ける視点までつなげます。

まとめ解説動画

この記事のまとめ#

  1. RFM分析 = 顧客を「最近・頻度・金額」の3指標でランク分けする手法

    Recency(最終購入日)、Frequency(購入回数)、Monetary(購入金額)の頭文字です

  2. 金額(M)だけで見ると、優良客を見誤る

    高く買った人より「また買う人」が大事。最近買ったか(R)と頻度(F)を足して本当の優良客が見える

  3. 狙いは「誰に・どんな施策を打つか」を決めること

    優良顧客は維持、離脱しそうな顧客は復帰、新規は育成、と打ち手を分けられます

  4. RFMは顧客一人ひとりの分析=会計・CRMの領域

    考え方は簡単ですが、毎月そろえ直すのが重い。RFM自体は注文データを顧客単位でつなぐ前提です

  5. 「優良客を増やす投資先」は別の見方で掴める

    どのチャネルが「また買う人」を効率よく連れてくるかは、チャネル別の新規/リピートの売上効率で見分けます

1.RFM分析とは:3つの指標で顧客を分ける#

結論: RFM分析は「最近・頻度・金額」の3つの数字で顧客をランク分けする手法です。

RFM分析は、顧客を3つの指標で評価して、グループに分ける方法です。 名前は3つの英単語の頭文字から来ています。

  • R(Recency/最終購入日):最後に買ってから、どのくらい経ったか
  • F(Frequency/購入頻度):これまでに何回買ったか
  • M(Monetary/購入金額):これまでにいくら使ったか

この3つを組み合わせると、「最近・たくさん・高く買っている人」ほど大事な顧客だと判断できます。 逆に「以前はよく買っていたのに、最近は来ていない人」も浮かび上がります。

RFM分析の3指標:最近・頻度・金額で顧客を評価する

なぜ3つも使うのか。1つの指標だけでは見間違えるからです。 たとえば「購入金額が大きい人」だけを大事にすると、半年前に1回だけ高額購入して、もう来ていない人を優良客と勘違いします。 そこに「最近買ったか(R)」と「何回買ったか(F)」を足すと、本当に今も活発な顧客が見分けられます。タイトルの「高く買った人より、また買う人」とは、このことです。 新規顧客を増やすコストは、既存顧客を維持するコストより高くつくと言われており[1]、誰を引き止めるかの判断は売上に直結します。

2.RFMのスコア化と4ステップ#

結論: 各指標を5段階などの点数にして組み合わせ、「集める→点数化→分ける→打ち手」の4ステップで進めます。

RFM分析では、3つの指標をそれぞれ点数(スコア)にします。 よく使われるのは1〜5の5段階です。点数の付け方の例を挙げます。

  • R(最近買ったか):直近30日以内なら5点、半年以上前なら1点
  • F(何回買ったか):10回以上なら5点、1回だけなら1点
  • M(いくら使ったか):累計10万円以上なら5点、5千円未満なら1点

点数の区切りは、自社の顧客データを見て決めます。 たとえば購入回数は、自社の顧客を回数順に見て、上位20%を5点、次の20%を4点、と分ける方法が分かりやすいです。

3つの点数が出たら、組み合わせて顧客のタイプを判断します。

RFMスコアの例顧客の状態見立て
R5・F5・M5最近・高頻度・高額最優良顧客(VIP)
R5・F2・M2最近買い始めた新規・育成候補
R1・F5・M5以前は優良・最近来ない離脱予備軍(要復帰)
R1・F1・M1長く購入なし休眠顧客

顧客一人ひとりの購入金額の平均をならして見るARPU(一人あたり売上)と違い、RFMは顧客を「塊」ではなく「状態別のグループ」で捉えます。

進め方は4ステップです。

  1. 集める — 顧客ごとに「最終購入日・購入回数・累計金額」をそろえる(カートシステムの注文履歴から取り出す)
  2. 点数化する — R・F・Mをそれぞれ点数にする。最初は3段階(高・中・低)から始めても十分
  3. 分ける — 点数の組み合わせでグループに分ける。最初は「優良・安定・新規・離脱予備軍・休眠」の5グループ程度で十分
  4. 打ち手を決める — グループごとに施策を決める。分けて終わりではなく、ここまで決めて初めて売上が動く

考え方そのものは難しくありません。点数をふって、グループに分けるだけです。 重くなるのは、これを毎月そろえ直すことです。顧客が増え、購入が積み重なるたびに、最終購入日も回数も金額も変わるので、その都度すべての顧客を集計し直して点数をふり直す必要があります。

3.セグメント別の打ち手:優良顧客と離脱予備軍#

結論: グループごとに打ち手を変える。全員に同じメールを送るより、効く相手に集中させます。

RFM分析の本当の価値は、グループごとに打ち手を変えられることです。 代表的なグループと、向いている施策を挙げます。

  • 最優良顧客(R高・F高・M高):維持が最優先。限定先行販売やお礼の特典で「大事にされている」と感じてもらう
  • 離脱予備軍(R低・F高・M高):以前は優良だった人。復帰を促すクーポンや「お久しぶりです」の案内が効く
  • 新規・育成候補(R高・F低):2回目の購入につなげる。初回購入後のフォローメールやおすすめ商品の提案
  • 休眠顧客(R低・F低・M低):掘り起こし。ただし反応が薄い層なので、予算は控えめに

全員に同じ内容のメールを送ると、優良顧客には物足りず、休眠顧客には響かない、という中途半端な結果になりがちです。 限られた予算と手間を、効く相手に集中させるのがRFM分析の狙いです。 特に離脱予備軍への復帰施策は費用対効果が高いとされます。既存顧客の維持は新規獲得より割安で、売上への貢献も大きいためです[2]。

打ち手の効果を測るときは、施策を打ったグループの売上がその後どう変わったかを追います。 この「打ち手と売上のつながり」を見るには、チャネルや施策ごとの売上を一覧で見比べられる状態にしておくと判断が早くなります。 売上を起点にした分析の考え方は売上ダッシュボードの設計で整理しています。

4.RFM分析とコホート分析の違い#

結論: RFMは「今の顧客の状態」、コホート分析は「獲得時期ごとの推移」を見る。見る角度が違います。

RFM分析とよく一緒に語られるのがコホート分析です。 どちらも顧客を分けて見る手法ですが、見る角度が違います。

  • RFM分析:今この瞬間の顧客を「最近・頻度・金額」で分類する。「誰に何をするか」 を決めるための手法
  • コホート分析:顧客を「いつ獲得したか(例:1月に来た客・2月に来た客)」でグループに分け、その後のリピート率の推移を時系列で追う。「いつ離れやすいか」 の傾向を見るための手法

RFM分析とコホート分析の違い:今の状態のスナップショットと時系列の推移

たとえば「2回目の購入が起きやすいのは初回から何日目か」を知りたいならコホート分析、「今いる顧客の中で誰を優先するか」を決めたいならRFM分析です。 2つは対立するものではなく、組み合わせて使えます。 コホート分析で「初回から60日で離れやすい」と分かれば、RFM分析で「Rが落ち始めた顧客」を抜き出して、60日が来る前に手を打つ、という流れです。

RevenueScopeの解決策

結論: RFMは「誰が優良客か」を見分ける手法。その優良客を多く連れてくるチャネルはどこか、をRevenueScopeが売上効率で示します。

RFM分析は「誰が優良客か」を見分ける手法です。でも、その優良客=また買ってくれる人を、どのチャネルから多く連れてこられているか、までは教えてくれません。

RFMの3指標は、顧客一人ひとりの購入履歴を会計ソフトやCRM・カートの注文データから組み立てて初めて出せます。前の章で見たとおり、考え方は簡単でも、毎月そろえ直すのが重い作業です。

一方で「優良客を増やす投資先はどこか」は、顧客単位のRFMとは別の見方で掴めます。それが、チャネルごとの新規とリピーターの売上効率です。GA4は流入のチャネルや新規/リピートを出しますが、チャネル別に「新規とリピーターそれぞれの訪問1回あたり売上(RPS)」を1画面にまとめるところまでは、標準では出てきません。

RevenueScope は、サイトの売上データから、チャネル別に新規とリピーター(別の日に再訪した人)それぞれの売上効率を1画面にまとめます。bot(自動アクセス)を除いた、実際の訪問だけで集計します。

チャネル別・新規とリピーターの訪問あたり売上。メルマガとリターゲティング広告はリピーターの売上効率が新規の3倍前後、SNS広告は新規のほうが高い

チャネル新規のRPSリピーターのRPS購入率(CVR)
メルマガ1103607.8%
自然検索1702505.4%
リターゲティング広告952906.1%
SNS広告(新規開拓)1651202.2%

(数字は円/セッションのデモデータ。RevenueScope でチャネル別に見たときのイメージ。)

この一覧を読むと、メルマガとリターゲティング広告は、リピーターの訪問1回あたり売上が新規の3倍前後と高いことが分かります。逆にSNS広告は新規のほうが高く、また買う人にはつながりにくいチャネルです。「また買う人」を多く連れてくるチャネルにこそ、優良客を増やす投資が効きます。次にどのチャネルへ手をかけるかが、この一覧から見えてきます。新規とリピートでチャネルの効率がどう逆転するかはROASが良いチャネルほど危ない(新規/既存の見分け方)で、訪問あたり売上そのものの出し方はRPSの計算式と出し方で詳しく整理しています。

RevenueScope は、チャネル別の新規とリピーターの売上効率に特化しています。顧客一人ひとりの生涯価値(LTV)や解約率は、注文データを顧客単位でつなぐ会計ソフトやCRM・カートが受け持つ領域です(LTVの考え方は顧客生涯価値(LTV)の計算で整理しています)。RevenueScope がいう「新規/リピーター」は別の日に再訪したかどうかというセッションの属性で、RFMの「購入回数(F)」とは切り口が違います。だからこそ、RFMで「誰が優良客か」をCRM側で見分け、RevenueScope で「優良客を多く連れてくるチャネルはどこか」を売上効率から見分ける——役割の違う2つを組み合わせれば、優良客を増やす投資先まで見通せます。

FAQ#

Q. RFM分析は何人くらいの顧客数から意味がありますか。

数百人規模からでも始められます。 顧客数が少ないうちは5段階の点数化にこだわらず、「優良・普通・離脱予備軍」の3グループから始めると運用しやすいです。 顧客が増えてきたら、段階を細かくしていきます。

Q. R・F・Mのどれを重視すべきですか。

多くのEC事業では R(最終購入日)が重視されます。 最後に買ってからの時間は、離脱の兆候が最も早く表れる指標だからです。 ただし高額商材で購入頻度がもともと低い業種では、M(金額)の比重を上げるなど、業種に合わせた調整が必要です。

Q. RevenueScopeでRFM分析(顧客のランク分け)はできますか。

RevenueScopeが出すのは、チャネル別の新規/リピーター(別の日に再訪した人)の売上効率(RPS・客単価・購入率)です。顧客一人ひとりのRFMスコアや生涯価値(LTV)は、注文データを顧客単位でつなぐ会計ソフトやCRMが扱います。RFMで「誰が優良客か」を見分けたうえで、RevenueScopeで「その優良客を多く連れてくるチャネルはどこか」を売上効率から判断する——この使い分けが効きます。

まとめ#

RFM分析は、顧客を「最近・頻度・金額」の3つの数字でランク分けする手法です。 金額(M)だけで見ると、高く買った人を優良客と勘違いします。最近買ったか(R)と頻度(F)を足して、本当に大事な「また買う人」が見分けられます。 狙いは分類ではなく、「誰に・どんな施策を打つか」を決めること。優良顧客は維持、離脱予備軍は復帰、新規は育成、と打ち手を分けられます。 ただしRFMは顧客一人ひとりを扱う会計・CRMの領域で、考え方は簡単でも毎月そろえ直すのが重い作業です。 そのうえで「優良客を増やす投資先はどこか」は、チャネル別の新規/リピートの売上効率で見分けられます。どのチャネルが「また買う人」を効率よく連れてくるか。それを見比べられる状態を一度つくっておくと、次の一手を決めやすくなります。

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