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Google広告P-MAXのクリック急増|原因は集計の変更

6月からGoogle広告のP-MAXで表示回数とクリックが増えたのに、注文も売上も変わらない。原因は需要でも入札でもありません。2026年6月に、商品レポートが数える対象の範囲が広がりました。Googleは、この変更でP-MAXキャンペーンのみ表示回数やクリック数が一時的に増える可能性があると明記しています。表示回数は商品単位で数えるため量の指標だけが膨らみ、商品レポートとキャンペーンレポートの合計が合わないことも想定される動作です。6月をまたぐ前後比較を、意味の変わらない数字だけで取り直す方法を解説します。

Google広告P-MAXのクリック急増|原因は集計の変更

6月に入ってから、P-MAXの表示回数とクリックが増えている。それなのに注文数も売上も先月と変わらない。この段差の原因は、需要でも入札でもありません。2026年6月に、商品レポートが集計する対象の範囲が広がったからです。増えたのは需要ではなく、集計の広さです。

この記事のまとめ#

  • 2026年6月から、Google広告の商品レポートが対象とする範囲が広がった[1]
  • Googleは、この変更でP-MAXキャンペーンのみ指標が一時的に増える可能性があると明記している[1]
  • 新しく計上されたのは、P-MAXの検索以外のネットワークと、動画・アプリ・デマンドジェネレーションのデータ[1]
  • 表示回数は商品単位で数えるので、1回の配信でも載っている商品の数だけ積み上がる[1]
  • 商品レポートの合計がキャンペーンレポートと合わないのは、Googleが想定される動作として説明している状態[1]

1. 増えたのは「商品レポート」が集計する範囲#

2026年6月、Google広告の商品レポートが対象とする範囲が広がりました[1]。

それまで商品の指標を見られたのは、検索ネットワークと通常のショッピングキャンペーンで配信されたP-MAX広告の商品だけでした[1]。6月からは、P-MAXのすべてのネットワークに加えて、動画・アプリ・デマンドジェネレーションのデータも同じレポートに入ります[1]。P-MAXだけが跳ねるのは、このためです。P-MAXは1つのキャンペーンで検索以外の面にも配信されるので、新しく計上される範囲がいちばん広くなります。

Googleのヘルプには、この変更の影響がそのまま書かれています。「これにより、P-MAXキャンペーンのみで、表示回数やクリック数などの指標が一時的に増加する可能性があります」[1]。増える対象としてP-MAXが名指しされているので、P-MAXの画面だけが跳ねて見えるのは、この文の通りの現象です。

2026年6月の前と後で、商品レポートとキャンペーンレポートがそれぞれ数えた表示回数の水準。6月より前はほぼ同じ高さだが、6月以降は商品レポート側だけが跳ね上がる。説明用のイメージ

配信の設定は何も変えていません。入札も予算も商品フィードも、6月の前と同じままです。変わったのはレポートが集めてくる範囲のほうで、広告の出方ではありません。だから表示回数とクリックだけが増え、注文と売上は同じ高さに留まります。表示回数という指標が何を1回と数えているかは、表示回数とはで扱っています。

商品レポートの合計値がキャンペーンレポートと一致しないことがある。これもGoogleが想定される動作として書いています[1]。いま画面に出ている段差は、故障ではなく仕様の側です。直すものが無いと分かったら、次に決めるのは判断の軸のほうになります。増えた表示回数とクリックを、これから何の材料として扱うか。

2. 商品単位で数えると、量の指標は膨らむ#

表示回数は、広告1回の配信ではなく、そこに載った商品の数だけ数えられます[1]。

1つの広告に5つの商品が載っていれば、1回の配信で商品の表示回数は5になります[1]。同じ見え方の広告でも、載る商品が2つの日と5つの日では、レポートに残るデータが2倍以上異なります。表示回数はもともと、広告が表示された回数を集計する指標です[2]。それが商品レポートでは商品の数でカウントされるので、配信の量が変わっていなくても数だけが膨らみます。

1回の広告配信が商品レポートでどう数えられるかの流れ。1つの広告に商品が5つ載ると商品表示回数は5、広告見出しへの1クリックは商品以外のクリック数として5商品すべてに記録される。説明用のイメージ

クリックの列も2つに分かれています。「商品のクリック数」は、広告の中の特定の商品を直接クリックした回数です[1]。「商品以外のクリック数」は、広告見出しやショップ名などがクリックされた回数で、こちらはその広告に含まれるすべての商品に記録されます[1]。1回のクリックが、載っていた商品の数だけ行に残るということです。

分母が膨らめば、比率も動きます。CTRはクリック数を表示回数で割った値なので[3]、表示回数の側だけが増えた期間は下がって見えます。クリエイティブが劣化したわけではありません。

実務で効いてくるのが、列名の変更です。「商品のクリック数」の列は、以前は「クリック数」という名前でした[1]。去年のスクリーンショットと今の画面を並べても、同じ位置の似た名前の列が、同じものを数えているとは限りません。過去の資料と突き合わせるときは、列名の一致を根拠にしないほうが安全です。

配信の単位そのものが変わる変更は、これとは別に発生しています。ショッピングの配信面が広がったときの確かめ方は、AI Max経由のショッピング流入をUTMで確かめるで扱いました。今回はその逆で、配信は何も変わっていないのにレポートの数だけが増える型です。

3. 変化した数字と、変化していない数字を仕分ける#

6月に動いたのは商品レポートの量の指標だけで、注文数・売上・広告費は変動していません。

新しく計上されたのは、それまで商品レポートの外にあったP-MAXの検索以外のネットワークと、動画・アプリ・デマンドジェネレーションのデータです[1]。配信を増やしたわけでも、入札を上げたわけでもありません。だから広告費は変わらず、注文も変わりません。増えたのは、集計する対象の広さです。

仕分けはここで済みます。6月を境に集計方法が変わったのは、商品レポートに並ぶ商品単位の指標です。変わっていないのは、口座から出ていった広告費と、自分のサイトが受け取った注文数と売上です。前者は6月に段差を持ち、後者は持ちません。

だから見る順番は、増えた側からではなく、変化していない側から入ります。注文数・売上・広告費が本当に横ばいかを先に確かめて、そのうえで増えた量の指標を確認する。1クリックあたりいくらの売上になっているかを軸に置く見方は、クリックの安さに引っ張られないための指標で扱っています。

4. 6月をまたぐ比較を、どう取り直すか#

6月をまたぐ比較で使えるのは、数え方が変わっていない数字だけです。

数え方が変わったのは商品レポートの量の指標で、変わっていないのは注文数・売上・広告費です。この2つを同じグラフに載せると、片方だけが6月で折れ上がります。折れた線に合わせて入札や予算を変えると、増えていない需要のほうに投資することになります。

確かめる方向は決まっています。商品レポートの合計と、キャンペーンレポートの合計を突き合わせることです。この2つは一致しない場合があり、それは想定される動作だとGoogleが説明しています[1]。差の開き方が6月を境に変わっていれば、増えた分は集計の側から来たと読めます。

ただし、この突き合わせで分かるのは差の由来までです。数字が合わない場面で無理に合わせにいかない作法は、広告とGA4のコンバージョン数が合わないときで扱っています。

広告の管理画面にも、コンバージョン数もコンバージョン値も表示します。ただし媒体が数えた成果は媒体ごとの画面に分かれて置かれるので、自分のサイトが受け取った注文と売上と同じ行にはなりません。配信の中身が見えないP-MAXを出口の売上で判断するという恒常的な考え方は、P-MAXの中身は解剖せず売上で判断するにまとめました。この記事が扱うのは、6月という1点で定義が切り替わったことへの対処のほうです。

ここで問いが入れ替わります。「クリックはなぜ増えたのか」ではなく、「6月の前と後で、意味を変えずに比べられる数字はどれか」。後者に答えるには、媒体が数えた量の指標ではなく、自分のサイトが受け取った注文と売上をキャンペーンごとに集計したデータが要ります。必要になるデータの種類が、問いと一緒に変わります。

RevenueScopeの解決策

6月の前と後で意味が変わっていない数字は、注文と売上です。これをキャンペーンごとに集計するのがRevenueScopeです。

流入チャネルの行には、セッション・売上・RPS(訪問1回あたりの売上)・訪問者数・平均滞在・直帰率・bot除外数が並びます。広告費を接続した期間は、同じ行に広告費とROASも出ます。ここでのROASは、RSが自前で集計した売上を広告費で割った値です。媒体が申告した数値は使いません。チャネルの行を開くと、キャンペーンごとのセッション・売上・RPS・AOV(1注文あたりの売上)・CVR(購入に至ったセッションの割合)が出ます。

架空店舗Dのひと月を例にすると、キャンペーンの比較はこうなります。

キャンペーンセッション売上RPSCVR
夏の新作P-MAX1,2000円0円0.0%
定番リピートP-MAX40060万円1,500円3.0%
ブランド名検索20030万円1,500円2.5%

※ デモ画面に並ぶのは見本ECのサンプルデータ(日々更新)です。上の架空店舗Dは説明用のイメージとして丸めた作例なので、キャンペーンの顔ぶれも金額も表とは一致しません。

セッションで首位の「夏の新作P-MAX」だけ、売上が0円です。1,200回の訪問が、ひと月かけて1件も注文になっていません。量では3行のうち最上位で、質はゼロ。一方、セッションが3分の1の「定番リピートP-MAX」は60万円を稼ぎ、RPSはブランド名検索と同じ1,500円です。訪問の数と、その訪問が置いていく売上は、別の順番で並びます。

次に手を入れるのは、増えたクリックの中身ではありません。「夏の新作P-MAX」の受け皿のほうです。着地する商品ページか、そもそも配信に載せている商品の選び方かを見直して、そこへ寄せている予算を「定番リピートP-MAX」へ移す。この判断は、6月の集計変更に影響されない数字だけでできます。

FAQ#

よくある質問#

Q. 6月より前の期間と比べたいときは、どうすればいいですか?

A. 注文数・売上・広告費は数え方が変わっていないので、そのまま前後で比べられます。商品レポートの表示回数とクリックは、6月をまたぐと定義の違う数字を比べることになります。前後をつなげて1本のグラフにするより、6月を境に線を切ったほうが読み違えません。

Q. 増えたクリックには、本当に価値がないのですか?

A. 価値がないとは言えません。新しく計上されたのは、それまで商品レポートの外にあったP-MAXの検索以外のネットワークと、動画・アプリ・デマンドジェネレーションのデータです[1]。配信そのものが増えたわけではないので、増えた分を新しく獲得した需要として扱うと、実態より多く見積もることになります。

Q. 商品レポートの合計がキャンペーンレポートと合いません。設定ミスですか?

A. いいえ。Googleは、商品レポートの合計値がキャンペーンレポートと一致しない場合があり、これは想定される動作だと説明しています[1]。合わせにいく作業に時間を使うより、どちらのレポートを何の判断に使うかを先に決めるほうが早く進みます。

まとめ#

6月からP-MAXの表示回数とクリックが増えたのに売上が動かないのは、商品レポートが数える範囲が広がったからです[1]。増えたのは需要ではなく、集計の対象です。表示回数は商品単位で数えるため、載っている商品の数だけ量の指標が積み上がります[1]。

判断の基準は1つで足ります。6月の前後で定義が同じ数字だけを、前後の比較に使う。定義が変わった数字は、6月以降の中だけで推移を見る。注文数・売上・広告費は前者、商品レポートの表示回数とクリックは後者です。

この線引きを守るかどうかで、集計の変更に予算を動かされるか、動かされずに済むかが決まります。

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