·アフィリエイト / ASP / 成果計測 / アトリビューション / EC

アフィリエイト成果が合わない|ASPと自社は算出方法が異なる

ASPの管理画面に出ている成果件数と、自社の売上データで数えたアフィリエイト経由の注文は一致しません。設定ミスではなく、数えている対象そのものが違うからです。ASPの成果は広告主が人の目で確定させるまで報酬にならず、さかのぼって成果と認める条件はバリューコマース60日、楽天アフィリエイト24時間+89日、Amazonアソシエイト同一セッション中とバラバラ。自社側の見え方がリンクの形式で変わる構造まで、公式の公表条件をもとに整理します。

アフィリエイト成果が合わない|ASPと自社は算出方法が異なる

ASPの管理画面に出ている成果件数と、自社の売上データで算出したアフィリエイト経由の注文が合わない。設定のどこかが間違っているのだろうと突き合わせを続けても、この2つは一致しません。どちらも正しく、算出している対象そのものが異なるからです。

この記事のまとめ#

  • ASPの管理画面に表示される成果は、発生した時点ではまだ未確定。広告主が成果条件と否認条件を確認して確定させるまで報酬になりません
  • 成果として認める条件は各社で違います。バリューコマースはクリックから60日、楽天アフィリエイトは24時間以内のカゴ入れと89日以内の購入完了、Amazonアソシエイトは同一セッション中です
  • 自社側の見え方はリンクの形式で変わります。utm_medium=affiliateを付けられる案件ならGA4にもRevenueScopeにもアフィリエイトのチャネルが表示され、付けられない案件はReferralかDirectに混在します
  • どちらが正しいかは決着しません。自社のlast-touchで数えた実売上を固定点に決めると、ASPの数値は否認前の見込みとして読み替えられます

1. ASPの「成果」は、広告主が確定するまで売上ではない#

ASPの管理画面に出ている成果件数は、確定前の見込みを含んだ数値です。成果条件を満たした瞬間に報酬が決まるのではなく、広告主が中身を確認して確定させるまで、それは費用にも売上にもなりません。

算出方法の違いで件数が合わないこと自体は、アフィリエイトに限らず広告全般で発生します。その一般的な仕組みは広告とGA4のCV数が合わない|合わせず実売上で見るで整理しました。ここではアフィリエイトだけに起きる3点に絞ります。人の判断が挟まる確定の工程、ASPごとにバラバラな対象期間、そして案件によって自社側の見え方が変わる構造です。

発生した成果は、まだ確定していない#

A8.netのヘルプには、成果条件を満たしたら自動的に確定となるわけではない、と明記されています[1]。広告をクリックした訪問者が申込を終えた直後の状態は「未確定成果」で、そこから広告主が申込内容を1件ずつ確認します。成果条件を満たしているか、否認条件に該当しないか。この確認を経て確定と判断されたものだけが報酬になり、キャンセルと判断されたものは消えます。

否認されるのは、注文としては成立している分#

確定の作業は、注文が本物かどうかを疑う作業ではありません。返品、キャンセル、同一人物からの重複注文、入力情報の不備。注文としては成立していても成果としては認めない条件が、案件ごとに決められています。A8.netの広告主向け管理画面でも、確定は注文単位で行う作りになっています[2]。

ここが広告の計測と決定的に違う点です。広告のCVは条件を満たせば機械的に計上されます。アフィリエイトの成果は、そのあとに人が見て落とす工程を通ります。機械的な算出方法の違いではなく、人の可否判断が挟まるという違いです。同じヘルプは、この確定処理を1日1回など定期的に行うよう勧めています[2]。処理が回るまでのあいだ、件数は未確定のまま管理画面に積み上がります。

だから管理画面の件数は締め日の後に動く#

確定と否認は、成果が発生した月のうちに終わるとは限りません。返品を受け付ける期間が明けてから否認が決まることもあります。先月分として見ていた件数が、今月になって減る。自社の売上データは注文が確定した時点で動かないので、同じ月を後から見比べるたびに差の大きさが変わります。片方だけが後から動くデータを、動かないデータに合わせにいっている状態です。

クリックから始まった成果が、未確定成果として計上され、広告主が成果条件と否認条件を確認して確定またはキャンセルに分かれるまでの流れ。ASP各社の公表フローに基づく

2. さかのぼる日数は、ASPごとにも案件ごとにも異なる#

クリックから60日間。24時間以内のカゴ入れと89日以内の購入完了。特別リンクのクリックで始まる同一セッション中。これはバリューコマース、楽天アフィリエイト、Amazonアソシエイトがそれぞれ公表している、成果として認める条件です。3社を見比べただけで、起点も期間もそろっていません。

公表されている条件は起点から違う#

バリューコマースは、訪問者の追跡に使うcookieの有効期限を60日間としています。クリックしてから60日の間に発生した注文が注文管理画面に反映される、という書き方です[3]。楽天アフィリエイトは2つの締切を同時に見ます。クリック後24時間以内に商品を買い物かごへ入れ、かつクリック後89日以内に購入や申込を完了した場合が対象で、一部のサービスは有効期限が30日です[4]。Amazonアソシエイトは日数ではなくセッションで区切ります。特別リンクのクリックスルーでセッションが始まり、クリックから24時間が経った時点、商品を注文した時点、別の特別リンク経由でサイトを訪れた時点のいずれか早いところで終わります[5]。

日数の長短だけでなく、いつを起点に数えるかが3社で異なります。片方はクリックの時刻だけを見て、片方はカゴ入れと購入完了の2つを見て、片方は訪問の切れ目を見ています。

「cookieは30日」という共通ルールはない#

アフィリエイトの解説でよく見かける30日という数値は、業界の一般則ではありません。実際に公表されているのは上の3種類で、30日は楽天アフィリエイトの一部サービスに出てくる例外的な値です。30日を既定だと考えて自社の集計期間を30日に決めても、60日で成果が計上されるASPの数値とは合いません。さかのぼる日数が変わると同じ購入でもどの接点の成果になるかが変わる仕組みは、ルックバック期間とは|さかのぼる日数で広告評価が変わるで整理しています。

案件ごとにも条件が設定される#

条件は、同じASPの中でも広告主ごとに設定されます。だから「このASPは何日」と1つ決めて自社データと突き合わせる作業そのものが成り立ちません。提携している案件が10本あれば、10通りの対象期間で数えられたデータが1つの管理画面に混ざっています。自社の分析ツール側は期間を1つしか選べないので、どこに合わせても残りの案件とはズレます。

バリューコマース、楽天アフィリエイト、Amazonアソシエイトが公表している成果の起点と対象期間の比較表。各社公表条件・2026年7月時点

3. 同じ1件が二重に計上され、自社側では分散する#

A8.netの広告主向け管理画面には、成果を確定する画面に注文番号の重複をチェックする機能が用意されています[2]。同じ注文が2件の成果として計上されうることが、機能として想定されているということです。

ASP側では、同じ注文が2件に増える#

比較サイトを見て、レビューブログを読んで、最後にポイントサイトを経由して購入する。この動き方は珍しくありません。経由したメディアがそれぞれ別のASPに登録されていれば、同じ1件の注文が複数のASPで成果として計上されます。ASPをまたいだ重複は、どのASPも把握できません。広告主が確定の段階で気づいて落とすしかない作りになっているのは、そのためです。1件の注文に対して、成果としては2件分の数値が管理画面に表示されます。

自社側の見え方は、案件のリンク形式で変わる#

一方、自社の売上データ側は、案件によって見え方が変わります。リンクにutm_medium=affiliateという目印を付けられる案件なら、GA4にもRevenueScopeにもアフィリエイトのチャネルが表示されます。GA4のデフォルトチャネルグループでも、アフィリエイトの判定条件はメディアがaffiliateであることです[6]。目印を付けられない案件は、リンク元ドメインのReferralに入るか、ASPのリダイレクトを何度か経由する間に参照元の情報が落ちてDirectに混入します。同じ1件が、ASPの管理画面では1行、自社側ではメディアごとにばらばらの場所へ振り分けられます。

ズレる向きも逆です。ASP側では1件の注文が2行に増え、自社側では同じ1件がlast-touchで1つの接点にだけ帰属します。多く出る側と少なく出る側が同時に起きるので、差の原因を1つに絞れません。

参照元経由の流入をセッション数ではなく売上効率で見る考え方はリファラル流入とは|他サイト経由の売上を数える、どこにも紐づかない売上が構造的に残る理由はどこから来たか分からない売上の正体にまとめています。

突合は、月を跨ぐたびにやり直しになる#

確定と否認は月を跨いで発生します。先月分として突き合わせた表は、今月の否認処理でまた変わる。だから突合は1回で終わらず、同じ月を何度も数え直す作業になります。案件ごとに対象期間が違うので、自社側の期間をどこに決めても残りの案件とはズレたままです。掲載メディアが増えたり止まったりするたびに、切り口も作り直すことになります。

申告された数値を自社のデータで答え合わせするという考え方は広告代理店の月次報告|自社データで答え合わせと同じです。自社側に固定点を1つ置けば、ASPの数値は否認前の見込みとして読めるようになります。

発生した成果の件数が、確定処理、否認、自社側でのメディア判別と進むごとに段階的に減っていく様子を示した棒グラフ。説明のための一例

RevenueScopeの解決策

RevenueScopeは、これを解決します。確定と否認が月を跨いで変化するのはASP側の事情なので、自社側には月を跨いでも変化しない数値を置きます。リンクにutm_medium=affiliateという目印を付けられる案件は、Affiliateチャネルとして計上されます。そのチャネルの中は、utm_campaign別にセッション・売上・RPS(1回の訪問あたりの売上)・AOV・CVRで開けます。案件やメディアごとにキャンペーン名を振っておけば、どのメディアがいくら稼いだかを自社側の実測値で追えます。

目印を付けられない案件は参照元がReferralかDirectに入りますが、そこも含めた全チャネルの売上を、アトリビューションモデル(last_touch / first_touch / linear / time_decay)を切り替えて比較できます。どの接点にも紐づかない売上はUnattributedとして表示します。

RSにMCP経由でAIアシスタントに聞くとこう返る#

「Affiliateチャネルの中を、キャンペーン別にセッションと売上とRPSで出して」と尋ねると、次のような形で返ってきます。

キャンペーンセッション売上RPS
point-media_26072,48062,000円25円
coupon-media_26071,26041,000円33円
comparison-site_26073,120218,000円70円
review-blog_2607540149,000円276円

※ 一事例(イメージ)。説明のためのフィクションです。

この事例の特徴は、セッション数の多い順とRPSの高い順が逆になっている点です。ポイントサイト型とクーポン型は送客数が多いのにRPSが低く、レビュー型は送客数が少ないのにRPSが最も高くなっています。ASPの成果件数だけを見ていると、この差は出てきません。特別単価をどのメディアに出すか、商品素材をどこへ寄せるかは、件数ではなくこの効率で決まります。

FAQ#

よくある質問#

Q. ASPの管理画面と自社の売上データ、どちらが正しいのですか?

A. どちらも正しく、算出している対象が異なります。ASPは成果条件を満たした申込を、自社は注文が確定した売上を算出しています。片方を直してもう片方に合わせる作業ではなく、どちらを判断の固定点にするかを決める作業です。

Q. RevenueScopeを入れると、ASPの成果件数と一致しますか?

A. RevenueScopeはASPと連携しないため、確定や否認の判定は扱いません。提供するのは自社サイト側で実測した、キャンペーン別の売上とRPSです。この値を固定点に置くと、ASPの数値は否認前の見込みとして読み替えられます。

Q. ASPの数値と自社の数値は、どこまで近づければよいのでしょうか?

A. 一致は目標にしません。案件ごとにさかのぼる条件が違う上に、確定と否認は後から変わるので、近づけようとするほど毎月の作業だけが増えます。決めるのは、どちらの数値を判断の基準に置くかです。

Q. cookieの有効期限は30日ではないのですか?

A. 30日はよく見かける数値ですが、共通の既定値ではありません。バリューコマースは60日、楽天アフィリエイトは24時間以内のカゴ入れと89日以内の購入完了、Amazonアソシエイトは同一セッション中です。提携しているASPの公式ヘルプで確認してください。

まとめ#

ASPの管理画面と自社の売上データは、設定を直しても一致しません。ASPは未確定を含む成果を数え、確定させるのは人の判断で、さかのぼって認める条件は案件ごとに違い、自社側の見え方はリンクの形式で変わるからです。一致させる作業をやめて、自社のlast-touchで数えた実売上を固定点に決めれば、ASPの数値は否認前の見込みとして読めるようになります。ASPの管理画面と自社の売上、どちらを直せば合うのかではなく、どちらを固定点にして毎月見比べるかを、皆さんのECサイトではもう決めていますか?

どの広告が売上を生んでいるか、一目でわかる

月5,000セッションまで、AIアナリストもずっと無料。クレジットカード不要。最短5分で導入。

あなたのサイト(例: yourshop.com) を分析する準備ができました

クレジットカード不要·最短5分で計測開始

参考文献#

関連記事