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どの広告も効かない気がする時に|切る前に見る最低限の数字

成果が出ない広告に毎月お金を払うのが嫌になって、もう全部止めたくなる。けれど止める前に確かめてほしい数字があります。「どの広告も効かない」と感じる一番の理由は、商品を知ってもらう入口のチャネルを、買う直前の数字(ラストクリック)だけで採点しているからです。本記事では、広告を切る前に見る最低限の3つ——チャネル別のRPS、アトリビューションモデルの切り替え、どのチャネルにも紐づかない未帰属の売上——をやさしく整理し、うまくいっている集客ごと止めてしまう失敗の避け方を解説します。

どの広告も効かない気がする時に|切る前に見る最低限の数字

成果が出ない広告に毎月お金を払い続けるのが嫌になって、もう全部止めてしまいたくなる。ECを運営していると、どの広告も効いていない気がして、こんな気持ちに飲み込まれる時があります。けれど、止める前にひとつだけ確かめてほしいことがあります。「どの広告も効かない」と感じる一番の理由は、商品を知ってもらう入口のチャネルを、買う直前の数字だけで採点しているからです。切る前に見る最低限の数字は3つ——チャネル別のRPS、アトリビューションモデルの切り替え、そしてどのチャネルにも紐づかない未帰属の売上です。この3つを確かめてから判断すれば、うまくいっている集客ごと止めてしまう失敗を避けられます。

まとめ解説動画

この記事のまとめ#

  • 「どの広告も効かない」と感じて全部止めたくなる一番の理由は、商品を知ってもらう入口のチャネルを、買う直前の数字(ラストクリック)だけで採点しているからです。入口の仕事は、出口の数字には表れません。
  • 切る前に見る最低限の数字は3つです。チャネル別のRPS(1回の訪問あたりの売上)、アトリビューションモデルの切り替え、そしてどのチャネルにも紐づかない未帰属の売上。この3つで、見え方と本当の貢献のズレが見えてきます。
  • 切ってよいのは「見え方も貢献も両方低い」チャネルだけです。ラストクリックでは弱いのに貢献は大きいチャネルを止めると、うまくいっている集客ごと失います。

1. 「どの広告も効かない」と感じる時に起きていること#

「どの広告も効かない」と感じる時、たいてい起きているのは、商品を知ってもらう入口のチャネルを、買う直前の数字だけで採点していることです。

多くの分析ツールは、初期設定で「最後にクリックされた広告」だけに売上を結びつけます。これをラストクリックと呼びます。どの流入が売上を作ったかを割り当てる考え方をアトリビューションといい[1]、その中でもラストクリックは、購入直前のひと押しに売上をぜんぶのせる方式です。

この方式だと、商品をはじめて知らせたディスプレイ広告やSNSのように、買う数日前に効いていたチャネルの数字は、ほとんどゼロに見えます。購入の手前まで顧客を運んだのに、最後のクリックがメールや指名検索だったというだけで、貢献が記録されないからです。数字を上から見ていくと、入口のチャネルだけが軒並み「効いていない」ように映り、全部止めてしまいたくなります。

もうひとつ、別の早合点も重なります。チャネルをクリック数や注文件数の多さで評価してしまうことです。件数が少ないチャネルは、それだけで「小さい」と見なされて切られがちです。けれど、訪問の数が少なくても、1回の訪問が大きく稼ぐチャネルがあります。これを見分けるのが、RPS(Revenue Per Session・1回の訪問あたりの売上)です。

チャネル別の1訪問あたり売上(RPS)を比べた棒グラフのイメージ。SNS広告・ディスプレイ広告・検索広告・比較レビュー経由の4チャネルが並び、比較レビュー経由は訪問数こそ少ないが1訪問あたりの売上がいちばん高いことを示す。件数の多さだけでチャネルを切ると、いちばん稼ぐ訪問を手放すことを表す

上の図はチャネル別のRPSのイメージです。比較・レビュー経由は訪問の数こそ少ないものの、1回の訪問あたりの売上はいちばん高い。件数の多さだけで切っていたら、いちばん稼ぐ訪問を手放していたことになります。

ただし、このRPSも最後のクリックを基準にした売上で計算しています。だから入口のチャネルは、RPSで見てもまだ低く出ます。本当の貢献を見るには、もう一歩、採点のしかたそのものを疑う必要があります。

2. last-clickを疑いモデルを切り替えて未帰属売上まで確かめる#

切る前に見る2つ目の数字は、採点のしかたを変えたときの売上です。ラストクリック以外のモデルに切り替えると、入口のチャネルの貢献がはじめて姿を現します。

アトリビューションには、ラストクリックのほかにもいくつかのモデルがあります[2]。最初のクリックに売上をのせるファーストクリック、すべての接点に均等に配る線形、購入に近い接点ほど厚く配る減衰など、配り方が違うだけで、同じ売上でも見え方が変わります。

あるディスプレイ広告の帰属売上を、4つのアトリビューションモデル別に比べた棒グラフのイメージ。ラストクリック・減衰・線形・ファーストクリックの順に貢献が大きく見え、ラストクリックだけが極端に低い。ひとつのモデルだけで採点すると、上流チャネルの貢献が消えて見えることを示す

上の図は、あるディスプレイ広告の帰属売上を、4つのモデルで見比べたイメージです。ラストクリックだけが極端に低く、ファーストクリックや線形にすると、同じチャネルがしっかり貢献していたと分かります。どれが正解という話ではありません。1つのモデルだけを信じると、入口の仕事が見えなくなる——それを避けるために、何通りかで見比べます。

そして3つ目が、どのチャネルにも結びつかなかった売上です。これを未帰属(Unattributed)と呼びます。全部の購入売上から、各チャネルに割り当てられた売上を引いた残りで、計測の網から漏れた売上のことです。多くのツールでは、この行き場のない売上がDirectや(none)というあいまいなまとまりに溶け込み[3]、気づかないうちに無視されます。未帰属がどれくらいあるかを確かめないまま広告を切ると、本当はその広告が運んでいた売上まで一緒に消してしまいます。ラストクリックの偏りについてはラストクリックだけで予算を動かすと損する、未帰属の売上の正体についてはどこから来たか分からない売上の正体で、それぞれ詳しく整理しています。

入口のチャネルがやっかいなのは、効果が時間差で出るからです。はじめて商品を知らせる広告は、その場ですぐ買われることは少なく、単価も低く見えます。けれど、そこで知った人が後日に戻ってきて買えば、その売上は最後に触れた別のチャネルの成果として計上されます。だから入口の広告は、即時の数字だけでは正しく評価できません。

3. 切るか残すかは売上貢献で並べ替えて決める#

切るか残すかは、ラストクリックでの見え方ではなく、チャネル全体の売上への貢献で順番を付け替えてから決めます。

見るべきは2つの軸の掛け合わせです。横に「ラストクリックでの見え方」、縦に「売上への本当の貢献」をとって、4つのマスに分けて考えます。貢献には、RPSだけでなく、モデルを切り替えて見えた間接的な後押しや、未帰属から拾い直した分も含めます。

チャネルを2軸4象限に分けた図のイメージ。横軸がラストクリックでの見え方、縦軸が売上への貢献。左上の「見え方は弱いが貢献は大きい」象限が切ってはいけないチャネル、左下の「見え方も貢献も小さい」象限が切る候補であることを示す

切ってよいのは、左下のマスだけです。ラストクリックでも弱く、モデルを変えても未帰属を足しても貢献が小さい——見え方も中身も両方低いチャネルです。逆に左上、つまりラストクリックでは弱いのに貢献は大きいチャネルを止めると、うまくいっている集客の土台ごと崩れます。新規の訪問を運んでいたチャネルを切った結果、数週間後に下流の売上まで細る、という事故が起きます。

全部止めたくなった時に見る最低限は、この3つだけです。チャネル別のRPS、モデルの切り替え、そして未帰属の売上。この3つで順番を付け替えてから、左下のチャネルだけを落とす。これが、稼いでいる集客を巻き添えにしない切り方です。

なお、本記事が扱うのは「切る前にどの数字を見るか」までです。広告以外のチャネル(メールや自然検索)を同じ条件で見比べたい時は広告以外のチャネル効率の測り方が、安いクリックに惑わされない見方は安いクリックの罠が入り口になります。どの広告が売上につながったかを最初から整理したいなら広告効果測定とはから読むとつながります。

考え方そのものは、むずかしくありません。むずかしいのは、これを毎回続けることです。チャネル別のRPSを出し、モデルを4通りに切り替えて見比べ、未帰属をDirectの中から拾い直す。1回ならできても、広告を見直すたびに分析ツールと広告管理画面を行き来して、この手作業を最初から繰り返すのは重い仕事です[4]。

RevenueScopeの解決策

広告を切るかどうかで迷うたび、ぶつかるのは同じ壁です。チャネル別のRPS、モデルの切り替え、未帰属の売上——見るべき3つは分かっていても、GA4ではそれぞれ別の画面にあり、毎回手で集計し直さないと1枚に揃いません。

RevenueScope は、この3つを最初から1画面にまとめて持っています。チャネル別の売上・セッション・RPSを計算済みで出し、アトリビューションモデルをラストクリック・ファーストクリック・線形・減衰の4通りにワンクリックで切り替えて、貢献の変化を見比べられます。さらに、どのチャネルにも紐づかない売上は隠さず「Unattributed」の行として表示します。問いかけると、こう返ってきます(表示はデモデータ)。

チャネルRPS帰属売上(ラストクリック)帰属売上(線形)
検索広告¥360¥450,000¥300,000
ディスプレイ広告¥150¥90,000¥330,000
SNS広告¥90¥120,000¥130,000
比較・レビュー経由¥520¥330,000¥230,000
Unattributed¥210,000¥210,000

この表でいちばん見てほしいのは、ディスプレイ広告の2つの数字の差です。ラストクリックでは9万円ぶんしか貢献していないように見えますが、モデルを線形に切り替えると33万円——つまり、購入の手前で何度も後押ししていたチャネルだと分かります。ラストクリックの見え方だけで切っていたら、この33万円を運んでいた集客ごと止めていたわけです。そのうえ、どこにも紐づかない21万円ぶんの売上(Unattributed)が別にあることも、隠れずに見えています。

ここから次の一手が見えます。SNS広告はRPSも貢献も低く、未帰属を足しても伸びない——だから減らす候補。ディスプレイ広告は見え方こそ弱いが貢献は大きい——だから残す。AIアシスタント(ChatGPTやClaude)に RevenueScope をつないで「いまの構成で切ってよい広告はどれ?」と聞けば、この4通りのモデルと未帰属まで踏まえた答えが、手で集計しなくても返ります。

ひとつ、はっきりさせておきます。RevenueScope が出すのは、チャネル別の売上・RPS・転換率(CVR)と、アトリビューションモデルを切り替えた帰属売上、そして未帰属の内訳までです。原価を引いた利益や、お客さん1人の生涯にわたる価値(LTV)は出しません。広告費を連携した場合に限ってROASも出せますが、それも含めて、どこに貢献があるかの材料をそろえるところまでで、最後にどの広告を切るかの判断は、あなたが下します。

FAQ#

よくある質問#

Q. 成果が出ないので、いっそ全部の広告を止めようと思います。だめですか?

A. すぐに全部は止めないでください。入口のチャネルは効果が時間差で出るため、ラストクリックの数字だけでは弱く見えます。新規の訪問を運んでいたチャネルを切ると、数週間後に下流の売上まで細ります。まずはチャネル別のRPS、モデルの切り替え、未帰属の売上の3つを確かめ、見え方も貢献も両方低いチャネルだけを落としてください。

Q. アトリビューションモデルは、どれを正解として選べばいいですか?

A. どれか1つを正解と決めない方が安全です。ラストクリックは購入直前の評価には強いのですが、入口のチャネルを過小に見せます。ファーストクリックや線形と何通りかで見比べて、モデルによって貢献が大きく動くチャネルに注目してください。動きが大きいチャネルほど、ラストクリックだけでは判断を誤りやすい場所です。

Q. RPSが低い広告は、止めてしまっていいですか?

A. RPSだけで決めないでください。RPSはラストクリックの売上で計算するので、入口のチャネルは低く出ます。モデルを切り替えた貢献と未帰属の売上を確かめ、それでも貢献が小さいと分かったチャネルに限って、止めるかどうかを検討します。

まとめ#

「どの広告も効かない」と感じて全部止めたくなるのは、商品を知ってもらう入口のチャネルを、買う直前の数字だけで採点しているからです。入口の仕事は、出口の数字には表れません。新規の訪問を運んでいたチャネルを切ると、数週間後に下流の売上まで細ります。

切る前に見る最低限は3つだけです。チャネル別のRPS、アトリビューションモデルの切り替え、そしてどのチャネルにも紐づかない未帰属の売上。この3つで順番を付け替えてから、見え方も貢献も両方低いチャネルだけを落とす。まずは止める前に、チャネル別のRPSを出して、モデルを1度切り替えてみてください。それだけで、見え方と本当の貢献のズレが、はっきり姿を現します。

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