キーワードプランナーで「検索ボリューム0」と出たキーワードを、価値がないと決めて外していないでしょうか?ですが検索の数が小さすぎて計測されないキーワードほど種類が多く、集めると実際のクリックの約半分を占めます。この記事では、検索ボリューム0のロングテールがどれだけクリックと売上を生むのかを、当サイトの90日実測データをもとに、専門用語を避けて整理します。
目次
この記事のまとめ#
- キーワードプランナーで検索ボリューム0と出た語も、価値が0とは限りません。検索数が小さすぎて計測されないだけで、実際にはクリックが生まれています
- 検索数の小さい語(ロングテール)は種類が多く、合計すると大きくなります。自社サイトの90日実測でも、クリックが発生した語の79%がロングテールで、総クリックの52%を占めていました
- 検索ボリュームを測るツールの多くは、計測できる上位の語しか見ていません。ボリューム0は価値が0でなく、測り方の対象外という意味です
- どのロングテールに手を入れるかは、クリックの多さでなく推定売上と前期比で選びます。売上を運んでいて落ち始めた語は、直す前に守る対象です
1. 検索ボリューム0は、本当に無価値なのか#
検索ボリューム0と出た語も、実際にはクリックを生んでいます。キーワードプランナーは月間の検索数の目安を示しますが、検索が少ない語は計測されず、0やごく小さい帯に丸められます[2]。この0は「誰も検索していない」ではなく、「検索数を安定して測れるほど多くない」という意味です。
先に、この記事での言葉の使い方を決めておきます。検索語を検索数の多い順に並べると、上位に少数のよく検索される語(ヘッド)、その後ろに無数の小さな語(ロングテール)が続きます。この記事では、90日間でクリックが2回以下だった検索語をロングテール、3回以上をヘッドと呼びます。線引きの基準を先に決めておくと、割合の話がぶれません。
自社サイト(revenuescope.jp)の直近90日の検索実績を見ると、クリックが発生した検索キーワード(n=38)のうち79%がロングテールでした。数のうえでは大半がロングテールです。さらに、その79%のロングテールが、90日間の総クリックの約半分(52%)を運んでいました。1語ずつは小さくても、合計すると検索クリックの半分がロングテールから来ている計算です。
この割合は自社サイトの実測で、当社は商品を販売していないためECの売上ではありません。ですがロングテールがクリックの多くを占める形は、検索の仕組みから生まれるもので、業種を問わず起こります。
なお、この記事は検索ボリュームに出てこない語の実勢価値を扱います。順位があと一歩の語をどれから押すかは売上で選ぶ、あと一歩のキーワード、順位は取れているのにクリックが増えない語は順位が上がってもクリックされない理由、クリック0でもAIに引用されている記事は0クリックでもAIが選ぶ記事で扱っていて、それぞれ軸が違います。

2. なぜ検索数の小さい語がクリックの半分を占めるのか#
1つの語のクリックは小さくても、そういう語が非常に多いので、合計すると大きくなるからです。ヘッドの語は数えるほどしかありませんが、ロングテールは無数にあります。だから足し合わせると、小さな語の集まりがヘッドに並ぶか、それを上回ります。
理由の1つは、ロングテールは言葉が具体的なことです。「化粧水」より「敏感肌 化粧水 かゆくなる」のほうが、探しているものがはっきりしています。読者の目的に近い記事があれば、具体的な語ほどクリックされやすく、読んだあとの行動にもつながりやすいです。
もう1つ、見落としやすい点があります。検索ボリュームを測るツールの多くは、こうした小さな語を最初から見ていません。外部の検索順位データは、検索数を計測できる語の上位100位前後だけを対象にすることが多く、検索数が0に丸められるロングテールは、そもそも一覧に入らないのです。
つまり、ツールで「ボリューム0」なのは、価値が0だからではなく、測り方の対象外だからです。件数が足りない語は、測れないから見えないだけで、実際の検索とクリックは起きています。

3. どのロングテールが売上を生んでいるかで選ぶ#
手を入れるロングテールは、クリック数の多さでなく、売上を生んでいるかで選びます。ロングテールは種類が多いので、すべてを追うわけにはいきません。限られた工数を、売上を稼いでいるキーワードに向けます。
検索キーワードごとのクリックや表示回数は、Google Search Console(GSC、検索での見え方を無料で確認できるツール)で見られます[1]。ですがGSCの画面では、そのキーワードが売上にいくら結びついたかまでは分かりません。クリックの多いキーワードと、少なくても買われているキーワードの区別が、クリックの列を見ているだけではつかないのです。
そこで、検索から来た訪問者1人あたりの平均売上(RPS)にクリック数をかけると、そのキーワードの推定売上の概算が出せます。クリックが1〜2回でも、購入につながっているキーワードは推定売上が立ちます。逆に、クリックは多いのに目的が広いキーワードは、推定売上が伸びないこともあります。
さらに前の期間と比べると、伸びているロングテールと、落ちているロングテールが分かれます。売上を運んでいて落ち始めたキーワードは、記事を直す前に守る対象です。「GSCで自分でクエリを眺めればいい」で終わらないのは、GSCの生の画面ではクエリと売上がつながらず、守るべきキーワードを売上で選べないからです。

RevenueScopeの解決策
RevenueScopeは、検索キーワードごとのクリックと推定売上を1画面で表示します。推定売上は、検索から来た訪問者1人あたりの平均売上(RPS)に、そのキーワードのクリック数をかけた概算です。前の期間との比較もつくので、売上を運んでいるロングテールが伸びているか落ちているかまで分かります。下の表は、その見え方のイメージです。
| 検索クエリ | クリック | 推定売上 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 敏感肌 化粧水 かゆくなる | 2 | 8,400円 | +18% |
| 40代 くすみ 美容液 口コミ | 1 | 6,200円 | +9% |
| 化粧水 詰め替え コスパ | 2 | 5,100円 | -12% |
| 化粧水 | 34 | 3,700円 | +2% |
※ 一事例(イメージ)。サンプルデータのフィクションサイトを用いた表示例です。推定売上は保守的な概算(過小寄り)で、確定した売上ではありません。GSCはGoogle検索のみが対象で、集計に2〜3日の遅れがあります。
この例では、検索数の大きい語(化粧水)はクリックこそ多いものの、目的が広く、推定売上は大きくありません。一方、クリックが1〜2回のロングテールでも、目的がはっきりした語は推定売上が立ち、前期比で伸びと落ちが分かれます。GSCの画面だけでは、この推定売上と前期比の列が出ないため、どのロングテールを守るべきかを売上で選べません。RevenueScopeは、検索キーワードごとのクリック・推定売上・前期比を1画面で表示し、守るべきロングテールを売上で選ぶ判断材料を提供します。
FAQ#
よくある質問#
Q. 検索ボリュームが0の語は、対策しても意味がないのですか?
A. いいえ。検索数が少なすぎて計測されないだけで、実際にはクリックが生まれています。こうしたキーワードは種類が多いので、集めると検索クリックの半分ほどを占めることもあります。1ワードの検索数の大小でなく、合計でどれだけクリックを生んでいるかで見ます。
Q. ロングテールとヘッドは、どこで線を引けばいいのですか?
A. 厳密な決まりはありません。この記事では90日でクリック2回以下をロングテールとしましたが、サイトの規模に合わせて決めて構いません。大切なのは、線引きの基準を先に決めて、合計のクリックと売上で見ることです。
Q. どのロングテールから手を入れればいいのですか?
A. クリック数の多さではなく、推定売上と前期比で選びます。売上を生んでいて、かつ落ち始めているロングテールは、記事を直す前に守る対象です。まだ売上に結びついていないキーワードは、後回しにできます。
Q. 検索ボリュームを測るツールに出ないキーワードは、どうやって見つけるのですか?
A. 実際に検索から来たクリックの記録から見つけます。Google Search Consoleには、検索数が計測されない語も検索ワードとして記録されます。ボリュームを推定するツールは計測できる上位のキーワードしか見ていないため、この2つは役割が違います。
まとめ#
キーワードプランナーで検索ボリューム0と出たキーワードも、価値が0とは限りません。検索数が小さすぎて計測されないだけで、そういうキーワードは種類が多く、集めると検索クリックの半分ほどを占めます。自社サイトの90日実測でも、クリックが発生したキーワードの79%がロングテールで、総クリックの52%を占めていました。
大切なのは、1ワードの検索数の大小でなく、合計でどれだけクリックと売上を生んでいるかで見ることです。そのうえで、クリック数でなく推定売上と前期比で、手を入れるキーワードと守るキーワードを選びます。まずは検索ボリューム0の語を切り捨てる前に、そのキーワードが実際にクリックと売上を生んでいないかを確かめてみてください。
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