Shopifyがストアフロントのscript tagを廃止します。2026年10月1日と2027年3月1日では、止まる対象が違います。置き換えが済むまでの間は、旧タグと置き換え先(app embed blockとweb pixel)が同時に読み込まれる期間があります。増減するのは注文ではなく計測の数値です。
この記事のまとめ#
- Shopifyは2026年8月24日、ストアフロントのscript tagの廃止を告知した
- 2026年10月1日に止まるのは作成と更新で、既存のタグは2027年3月1日まで読み込まれ続ける
- 移行の期間は旧タグと置き換え先が同時に読み込まれ、Shopifyの解説ページはイベントが二重に計上されうると書いている
- 置き換え先は店舗が有効にするまで無効で、読み込まれなくなっても画面にエラーは出ない
- 合図は、移行の前後でチャネル別のセッションと受注管理画面の注文件数がどう変わったかだけ
1. 10月に止まるのは作成と更新だけ#
2026年10月1日に、いま入っている計測タグが読み込まれなくなるわけではありません。この日に止まるのは、アプリがscript tagを作ることと更新することの2つです[1]。既存のタグは2027年3月1日まで読み込まれ続けます[1]。一覧の読み取りと削除は3月1日まで使えます。残ったscript tagは効かないので削除は要りません[2]。
紛らわしいのが注文状況ページ(購入のあとに出るページ)側との切り分けです。Shopifyの解説ページは、ストアフロントがscript tagの残った最後の場所だと書いています[2]。
Storefronts are the last place script tags still run. They already stopped working on the Order status page.
注文状況ページのscript tagは別の先行スケジュールです。Plusストアは2025年8月28日、それ以外は2026年8月26日に読み込まれなくなっています[3]。日本語の解説の多くはこちらを指しています。

置き換え先は用途で分かれ、JavaScriptの読み込みはapp embed block、計測やコンバージョンはweb pixelです[1]。web pixelはサンドボックスで実行され、DOMの読み書きに依存する機能は使えません[4]。
「読み込まれなくなるタグを探す」から入りたくなりますが、探す対象は日付で変わります。最初の1手は、3つの日付を分けることです。計測の設定そのものはGA4eコマース設定のチェックリストにあります。
2. 旧タグと置き換え先が同時に読み込まれる期間#
置き換えが済むまでの間は、旧script tagと置き換え先の両方が同じページに読み込まれることがあります。スクリプトが2回読み込まれ、イベントが2回計上されます[2]。
Until then, a script tag and its replacement running at the same time will load your script twice, which can double-count analytics events or render your app's UI twice.
対象は購入のイベントではありません。注文状況ページのタグはすでに読み込まれていないので[3]、増減するのは商品ページやカートで発生するセッション、ページ閲覧、カート追加です。
この記事では、Shopifyアプリ経由で読み込まれる計測タグ(広告のピクセル、ヒートマップ、アクセス解析など)の数値を「アプリ側計測」と呼びます。テーマやGTM経由で設置したタグの数値は「サイト側計測」です。

3週目と4週目は、アプリ側計測のセッションが指数162と158で、移行前の2週間の平均の1.6倍前後です。5週目と6週目は81と79で0.8倍前後まで下がります。同じ期間の受注管理画面の注文件数とサイト側計測のセッションは98から103の範囲です。
実際に売れた数は変わっていません。二重計上はセッションを膨らませ、CVR(訪問のうち購入に至った割合)とRPS(セッションあたり売上)を見かけのうえで下げます。欠測は分母が減るぶん、見かけのうえで上げます。アプリ側計測だけで広告費の配分を決めると、伸ばす先を取り違えます。
transaction_idで何が起きるかはGTMで購入が二重に計上されるにあります。計測側と受注管理画面の食い違いはGA4の売上がShopifyと合わない理由です。
3. 欠測は合図がないまま始まる#
置き換え先のapp embed blockは、店舗がテーマエディタで有効にするまで無効のままです[2]。
App embed blocks are inactive until an app user turns them on, so don't delete a script tag until you've confirmed that its replacement is running.
既存の店舗の分をアプリ側からまとめて有効にする方法は、公式フォーラムでShopifyの社員が「無い」と回答しています[5]。移行の最後の1手は店舗の手作業に残ります。
there's no programmatic way to enable them for existing users
テーマを切り替えたときの有効化#
app embed blockはテーマ単位で有効になり、別のテーマを公開するとそのテーマでは無効です[2]。季節ごとにテーマを差し替える店舗では、そのたびに有効化の確認が戻ってきます。
新しく入れるアプリに出る警告#
2026年10月1日以降、script tagを使うアプリを新しく入れたときに、閉じられる警告バナーが表示されます[2]。出ると書かれているのは置き換え先のないアプリを入れたときで、すでに入っているアプリに出るとは書かれていません。
店舗側で確認できることは限られています。告知が名指しするのはdisplay_scopeがonline_storeのscript tagを作るアプリだけです[1]。display_scopeがallのscript tagも、ストアフロントでは2027年3月1日まで読み込まれるので同じ扱いです[3]。どれが当てはまるかは公式資料から判定できません。確認の実体は、アプリを1つずつ提供元へ問い合わせることです。考え方は簡単ですが、アプリの数だけ反復します。

注文状況ページのscript tagは先行スケジュールで停止済みで、今回の廃止の対象ではありません[3]。アプリ側で購入の記録が別の経路に残っている場合、欠けるのは分母のセッションだけになります。架空店舗ナギサでは、アプリ側計測のCVRが2.73%から3.44%へ上がり、受注管理画面の注文件数÷サイト側セッションは2.73%と2.75%です。前後を同じ条件で見比べる考え方はカート移行で計測を引き継ぐにあります。
読み込まれなくなったscript tagは、店舗の管理画面のどこにも表示されません。アプリはインストール済みのまま一覧に残ります。気づける場所は、移行の前後のチャネル別のセッションと受注管理画面の注文件数です。
RevenueScopeの解決策
RevenueScopeは、移行の前後を同じ条件で取り出せます。計測タグはテーマのtheme.liquidかGTM経由で設置し、Shopifyアプリのscript tagは使いません。テーマ側に設置したタグはアプリのscript tagとは別の経路なので、移行の前後を同じ条件で見比べる基準系列に置けます。
期間を指定すると、チャネル別のセッション(botを除いた人間の訪問)を表示します。移行前と移行後を指定すれば、同じ基準の結果を2つ取り出せます。チャネル内訳は指定した期間のスナップショットで、前期比が付くのはサイト全体のKPIです。
購入件数と売上は、購入イベントが同じページのdataLayerに流れる構成の店舗では同じ表に出ますが、Shopifyの注文状況ページでその構成が成立するとは、現時点では言えません。
MCP経由でAIアシスタントに尋ねると、チャネル別にこの内容で戻ります。架空店舗ナギサの例です。
移行前の2週間
| チャネル | セッション |
|---|---|
| Google検索 | 4,000 |
| Direct | 2,000 |
| 1,000 | |
| Referral | 1,000 |
| 合計 | 8,000 |
移行後の2週間
| チャネル | セッション |
|---|---|
| Google検索 | 4,000 |
| Direct | 1,900 |
| 1,050 | |
| Referral | 1,050 |
| 合計 | 8,000 |
受注管理画面の注文件数は、同じ2週間で218件と220件です。これはRevenueScopeが出す数字ではなく、店舗の管理画面に出ている数字です。
※ 数値は説明のために置いた架空店舗ナギサのもので、丸めた値です。デモ画面の値は見本ECのサンプルデータから毎日作り直されるため、この表のチャネルの順とは一致しません。
セッションは8,000件と8,000件、受注管理画面の注文件数は218件と220件で、差は1%前後です。同じ6週間のうち、アプリ側計測だけが1.6倍と0.8倍に振れています。差が小さいほうを基準に置くと、振れているのは集客ではなく計測の側だと絞り込めます。
次の一手は、その期間に増減していたアプリ側の計測タグを提供元へ確認することです。RevenueScopeはどのチャネルでいつ差が開いたかを表示し、問い合わせる対象を1つに絞り込む材料になります。参照元の側で何が起きているかはShopifyの参照元が(none)だらけで扱っています。
FAQ#
よくある質問#
Q. 2026年10月1日を過ぎると、いま入っている計測タグはすぐに読み込まれなくなりますか?
A. なりません。10月1日に止まるのは作成と更新の2つです[1]。既存のscript tagは2027年3月1日まで読み込まれ続けます[2]。
Q. どのアプリが対象になるかを、店舗側で調べられますか?
A. 告知が名指しするのはdisplay_scopeがonline_storeのscript tagを作るアプリだけです[1]。display_scopeがallのscript tagも、ストアフロントでは2027年3月1日まで読み込まれるので同じ扱いです[3]。どれが当てはまるかは公式資料から判定できないので、アプリごとに提供元へ問い合わせることになります。
Q. 移行の期間に記録した数値は、あとから正せますか?
A. 二重に計上された期間の値を、後から正しい値へ戻す手段は用意されていません。できるのは、その期間を判断から外し、前と後を同じ条件で見比べることです。広告費の配分は、差が小さい系列を基準に決めます。
まとめ#
2026年10月1日に止まるのは作成と更新で、既存のscript tagは2027年3月1日まで読み込まれ続けます[1]。注文状況ページ側は別の先行スケジュールなので、日本語の解説を読むときは対象を先に分けてください[3]。
移行の期間は旧タグと置き換え先が同時に読み込まれ、イベントが二重に計上されます[2]。置き換えが間に合わなければ逆に欠測し、どちらも実際の注文は変わらず管理画面にエラーも出ません。合図になるのは、チャネル別のセッションと受注管理画面の注文件数の前後の変化です。
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参考文献#
- [1] Shopify 「Script tags are deprecated and will stop running on March 1, 2027」 2026
- [2] Shopify 「Storefront script tags」 2026
- [3] Shopify 「Order status script tags」 2026
- [4] Shopify 「About web pixels」 2026
- [5] Shopify Developer Community 「Deprecation: Script tags will stop running on March 1, 2027」 2026





