·更新 2026年7月11日·ヒートマップ / ヒートマップツール / Microsoft Clarity / Hotjar / EC

ヒートマップツール比較5社|行動は見え流入元の売上は出ない

Microsoft Clarity・Hotjar・Crazy Egg・Mouseflow・Ptengine の5社を機能・価格・データ保持で比較し、選び方まで整理。5社すべてに共通する「どの流入元がいくら売上を生んだか(チャネル別の売上効率)は出ない」という構造的な限界と、その補い方まで解説します。

ヒートマップツール比較5社|行動は見え流入元の売上は出ない

「ヒートマップを入れたら売上は伸びますか?」EC事業者からよく受ける質問です。結論から言うと、ヒートマップは 「ページのどこで売上を逃しているか」 を見つけるのは得意ですが、「どの流入元から来たお客さんが買ったか」 には答えてくれません。本記事では主要5社(Microsoft Clarity / Hotjar / Crazy Egg / Mouseflow / Ptengine)を機能・価格で見比べ、選び方と、5社すべてに共通する構造的な限界、その補い方まで整理します。

この記事のまとめ#

  1. 無料は2択

    Microsoft Clarity(訪問数・セッション無制限・完全無料)とHotjar Free(月20万訪問まで・データ保持1ヶ月)。 性質が異なるので両方入れる事業者も多い

  2. 有料3社は課題で選ぶ

    Hotjar Pro =ページ要素別の売上分析 / Crazy Egg =A/Bテスト統合 / Mouseflow =フォーム改善。 価格は月$25〜$599の幅

  3. 5社すべてに共通する盲点

    ページ内の動きは見えるが、流入元(チャネル)別の売上効率(RPS・AOV・ROAS)は出ない。 予算配分の判断には別系統の分析ツールが必要

1.ヒートマップで「見える」もの/「見えない」もの#

ヒートマップが見せるのは「ページ内の行動」。「どの流入元から来た人が買ったか」は、別の軸の情報です。

ヒートマップが可視化するのは、ページ内の行動です。クリックの集中、スクロールの深さ、マウスの動き、フォーム入力の途中離脱など。「ページのどこで詰まっているか」を、要素の単位で見せてくれます。

一方、ECの投資判断、つまり広告費をどの流入元に配分するかを決めるときに必要なのは、「どこから来た訪問者が、いくら買ったか」という別軸の情報です。

ヒートマップが答える「WHERE」と、答えない「WHICH」

Web解析の情報は、大きく3つの軸に分かれます。1つ目は空間軸(ページのどこで動いたか)、2つ目は時間軸(どの順番で動いたか)、3つ目は流入軸(どの流入元から来たか)です。ヒートマップが得意なのは最初の2つの空間軸と時間軸です。3つ目の流入軸、しかも「流入元ごとの売上」となると、ヒートマップの設計の外側にあります。

この「ページ内のWHERE」と「流入元のWHICH」の違いを先に押さえておくと、このあとの5社比較が一気に読みやすくなります。訪問あたりの売上(RPS=Revenue Per Session)のように、流入元ごとに分けて初めて意味を持つ数字は、ヒートマップからは取り出せません。RPSの基本は RPS(セッションあたり売上)の基本 で整理しています。

2.主要5社の比較と選び方#

無料はMicrosoft ClarityとHotjar Freeの2択。有料3社は「解きたい課題」で選びます。価格は月$25〜$599の幅です。

主要5社の機能・価格・データ保持をまとめると次の通りです。

ヒートマップツール5社のスペック比較

各社の主な用途は次の通りです(Hotjarは2026年にContentsquareグループへ統合されました[2])。

  • Microsoft Clarity — まず入れて損のない無料の標準ツール。訪問数の上限がなく、月20万訪問を超えても料金は発生しません[1]
  • Hotjar Free — アンケート機能やLLM連携を無料で使いたい中小サイト向け[3]
  • Hotjar有料 — Proプランの「Zone-based Heatmaps:Revenue metrics」で、ページ要素ごとの売上寄与を測れます[3]
  • Crazy Egg — Plusプラン($99)からA/Bテストが使え、LPのCTA改善とヒートマップを1本で完結[4]
  • Mouseflow — Essential($25)からFriction InsightsとForm Analyticsが使え、購入フォームの離脱箇所を項目ごとに特定[5]
  • Ptengine — 完全な日本語UIと国内サポート、分析(Insight)と改善(A/Bテスト・パーソナライゼーション)が同じ画面[6]

PV課金のPtengineだけは、1訪問あたりのPV数で実質コストが変わります(5PV/訪問なら10万訪問で50万PV =上位プラン領域)[6][7]。

どれを選ぶかは「何を解決したいか」で決まります。価格と訪問規模の関係を一覧にして見比べると、自社に合う1社が絞れます。

価格 × 訪問規模 ― バブルサイズ=データ保持月数

あなたの状況選ぶべきツール
予算ゼロ・訪問数 20 万超Microsoft Clarity(無料・無制限)
予算ゼロ・アンケートも使いたいHotjar Free + Microsoft Clarity 併用
月 $30 以下で購入フォーム改善Mouseflow Essential($25)
月 $100 以内で A/B テスト統合Crazy Egg Plus($99)
ページ要素ごとの売上を見たいHotjar Pro(要問い合わせ)
国産・日本語 UI 必須Ptengine Growth(4,980 円〜)

無料のMicrosoft ClarityやHotjar Freeでも、ページ内での動きは十分に見えます。ただし、そこで見えるのはあくまで「ページ内の行動」まで。どの流入元がいくら売上を生んだかは、無料・有料を問わず、ヒートマップの外の話です。

3.5社共通の限界—流入元別の売上は出ない#

5社すべてに共通する盲点は、「流入元(チャネル)別の売上効率が出ない」こと。予算配分の判断は、ここだけは別のツールに頼ります。

ここまで5社を見比べてきましたが、全社に共通する構造的な限界が1つあります。それは、ヒートマップは流入元(チャネル)別の売上効率を出さない、ということです。

ヒートマップが答える答えない
空間軸(ページ内)LP のどこで離脱したか
時間軸(行動順序)訪問者がどう動いたか
流入軸(どこから来たか)どの広告経由の訪問者が買ったか

注意したいのは、業界で最新のHotjar Pro「Zone-based Heatmaps:Revenue metrics」も例外ではない点です。これはページ内のどのゾーンが売上に寄与したかを測るもので、「Google広告経由の訪問者のRPS」や「Meta広告のROAS」とは別の問いに答えています[3]。同じ「Revenue」という言葉でも、見ている軸が違います。

ECの広告投資判断に必要な3つの指標は、ヒートマップとは別系統で取得します。

  • AOV(Average Order Value:客単価) =売上 ÷ 注文件数
  • RPS(Revenue Per Session:訪問あたり売上) =売上 ÷ 訪問数
  • ROAS(Return On Ad Spend:広告費用対効果) =売上 ÷ 広告費

これらは、チャネル別・UTM別・LP別に分けて初めて意味を持ちます。「Meta広告経由のRPSは150円、Google検索広告は450円」という比較が出て、ようやく予算配分の判断ができます。チャネル別の売上効率の見方は チャネル別の売上効率の見方、ROASの基本は ROAS完全ガイド で詳しく整理しています。

ヒートマップとチャネル分析の補完関係

「LPのCTA位置を変えて離脱が30%減った」はヒートマップの仕事。「Meta広告を止めてGoogle広告に予算を寄せたら、全体のROASが180% → 240%に改善した」はチャネル分析の仕事です。そして、どの広告が最後のひと押しになって売上を作ったのかは、ラストクリックの落とし穴 で触れているように、見方を1つ決めないと数字が変わります。両方の軸を見て初めて、ECサイトの改善サイクルが回ります。

RevenueScopeの解決策

RevenueScope は、ヒートマップが見せる「ページ内の動き」に対して、「どの流入元がいくら売上を生んでいるか」を見る道具です。予算配分の次の一手は、ここで初めて決められます。

ヒートマップで5社を選び切っても、最後に必ず同じ壁にぶつかります。ページ内の改善点は見えるのに、「どの流入元を残して、どこを切るか」という予算配分の判断材料が、手元にそろわないのです。チャネル別のRPS・AOV・ROASを出すには、UTMを名寄せし、自動プログラム(bot)を除き、全チャネルを同じ条件でそろえて突き合わせる——この前処理を毎週くり返す必要があります。考え方は簡単ですが、手作業で維持し続けるのは重い作業で、GA4の標準レポートにも構造的に用意されていません。

RevenueScope は、この毎週の前処理を引き受ける道具です。チャネル別の売上・訪問あたりの売上(RPS)・セッション数を1画面にまとめ、サイト全体の客単価(AOV)や購入率(CVR)と合わせて、ヒートマップが見せる「ページ内」と、売上分析が見せる「流入元」を表示します。広告費を取り込んだ流入元では、実測の ROAS や予算配分の案まで出せます(表示はデモデータ)。

よくある質問#

Q. 無料のMicrosoft ClarityとHotjar Free、どちらを先に入れるべき?

A. Microsoft Clarityを先に入れて、アンケート機能が必要になった段階でHotjar Freeを足す流れが現実的です。Clarityは訪問数の制限がないため、サイト規模に関わらず損になりにくい選択肢です[1]。

Q. Hotjar Proの「Zone-based Revenue」があればRevenueScopeは不要?

A. 別の軸の指標です。Zone-based Revenueはページ内のどの要素が売上に寄与したかを測るもので、どの広告チャネルから来た訪問者が買ったかは測れません[3]。両方を併用するのが理想です。

Q. Ptengineは国産ということ以外に何が違う?

A. 分析(Insight)と改善(Experience:A/Bテスト・パーソナライゼーション)が同じプラットフォームで提供される点が独自です[6]。海外ツールでは別々に分かれている領域を1本で完結できます。一方、PV課金モデルのため、1訪問あたりのPV数で実質コストが変わります。

Q. 5社すべて入れたら最強?

A. データの重複と運用の負荷で、かえって回らなくなります。Microsoft Clarity(無料・常設)+目的別に1社(有料or国産)+チャネル分析ツール1本、この3点セットがEC事業者の現実解です。

まとめ#

  • 無料2社は棲み分けが成立 — Microsoft Clarity(無制限・長期保持)とHotjar Free(20万・アンケート付き)
  • 有料3社は課題で選ぶ — 要素別売上=Hotjar Pro、A/Bテスト=Crazy Egg、フォーム改善=Mouseflow
  • Ptengineは日本語UI +分析と改善の統合プラットフォーム
  • 5社共通の限界 — 流入元別の売上効率は別ツールが必要。ヒートマップとチャネル分析は補完の関係

ヒートマップで「どこで」を、チャネル分析で「どこから」を。両方の軸がそろって初めて、ECサイトの売上は再現性を持って改善できます。

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