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ECの計測実態|765件中広告タグ56%、GA4未検出23%

特商法表記の検索上位から抽出したECサイトの正規化ホスト823件を調査。判定可能765件では広告タグ56%、旧UAタグ残置49%、GA4未検出23%でした。分母を分け、自社のチャネル別売上へ判断を戻す方法を解説します。

ECの計測実態|765件中広告タグ56%、GA4未検出23%

ECサイトの計測環境は、公開タグから一定の範囲を把握できます。当社は、検索結果から抽出したECサイトの正規化ホスト823件について、訪問者が取得できる公開HTMLと公開Google Tag Manager(GTM)コンテナを調べました。判定可能な765ホストでは、広告タグが56%、GA4未検出が23%でした。分母を分けて結果を読み、自社の売上判断へつなぐ方法を整理します。

この記事のまとめ#

  • 調査対象823ホストのうち、公開タグを判定できたのは765ホスト
  • 判定可能765ホストでは、広告タグあり56%、旧Universal Analytics(UA)タグ残置49%、GA4未検出23%
  • 広告タグがあった432ホストでは、2媒体以上のタグが67%
  • タグの存在は、現在の広告出稿や計測の成否を示さない
  • 今回のタグ検出率を目標にせず、自社の売上・セッション・RPSをチャネル別に確認して判断する

1.調査対象823ホストを1つの分母で割らない#

823件は調査を試みたECサイトの正規化ホスト数であり、すべての比率に使う分母ではありません。

当社は、「特定商取引法に基づく表記」で検索上位に出たECサイトを対象にしました。モールだけで販売する事業者や、検索で上位に出ない事業者は含みません。2026年8月15日から23日に観測した非無作為のサイト群であり、結果は日本のEC全体を代表しません。

本稿の1件は、検索結果URLのホスト名を小文字化し、先頭のwww.を除いて重複排除した単位です。会社数でもregistrable domain数でもなく、サブドメインが異なる場合は別件です。

調査は、訪問者全員へ返されるHTMLと公開GTMコンテナだけを使いました。対象823ホストのうち、HTTP 200で本文を取得できたのは773ホストです。その中で、タグが見える作りだった765ホストを「判定可能」としました。取得できなかった対象には、サイト側の不備とは限らないスキャナー側のSSL接続失敗15ホストも含むため、判定対象から外しています。

正規化ホスト823から取得成功773ホスト、判定可能765ホストへ進み、そこから別分母のGTM設定部414ホストと広告タグあり432ホストへ分かれる調査フロー。GTM設定部と広告タグありは重なり得るため合計しない

判定可能765ホストの先には、用途の異なる2つの分母があります。GTM設定部まで取得できた414ホストは購入イベント、広告タグが見つかった432ホストは媒体の併用数を調べる分母です。両者は重なり得るため、足して765ホストにはなりません。

GTMコンテナIDが見えても、中身を取得できなかった25ホストは、購入イベントの分母414ホストに入れていません。設定部を読んでいないホストを「購入イベントなし」に含めると、未確認と不在が混ざります。結果を読むときは、823、765、414、432ホストのどれが分母かを先に確かめます。

設定部を取得できた414ホストでは、購入イベントが258/414で62%でした。ただし、GTM設定部に購入イベントが見つからないことは、未計測の証拠ではありません。カート側の標準連携、gtag.jsへの直書き、サンクスページの実装は、公開GTMコンテナに現れない場合があります。

2.判定可能765ホストの56%に広告タグがあった#

判定可能な765ホストでは、広告タグが見つかった割合が56%でした。

広告タグありは432/765で56%です。この結果は、公開HTMLか公開GTMコンテナにタグが見つかったことだけを示します。現在の出稿や、広告経由の売上を正しく計測できていることまでは示しません。

判定可能765ホストの公開タグ5項目を示す棒グラフ。広告タグあり56%、旧UAタグ残置49%、広告2媒体以上38%、GA4がGTM内のみ26%、GA4未検出23%。該当ホスト数は432、377、288、199、177で、分母はいずれも765

旧Universal Analytics(UA)のタグが残っていたホストは377/765で49%でした。残置は公開コード上の観測であり、タグの送信やデータ利用を示しません。

GA4を公開範囲から検出できなかったホストは177/765で23%です。「GA4未検出」は「GA4未導入」と同義ではありません。同意後の読み込みなど、今回の取得方法で見えない実装もあります。

GA4がGTM内だけで見つかったホストは199/765で26%でした。HTMLだけを見ると、この層を落とします。GTMコンテナの存在だけでは、購入イベントや売上の送信までは判断できません。

広告タグが2媒体以上あったホストは288/765で38%です。次の67%は広告タグあり432ホストを分母にしています。同じ288ホストでも、問いによって分母が変わります。

3.広告タグがある432ホストの67%は2媒体以上だった#

広告タグが見つかった432ホストに限ると、2媒体以上のタグがあったホストは67%でした。

該当するのは288/432で67%です。残る144ホスト(144/432、33%)は1媒体でした。1ホストが複数媒体のタグを持つため、媒体別の保有率は合計100%になりません。複数のタグは、同じ購入を各媒体がどう評価したかを確認する理由になります。

広告タグあり432ホストは判定可能765ホストの56%。内訳は2媒体以上288ホストで67%、1媒体のみ144ホストで33%。288と144の合計は432ホスト

ただし、タグが2つあるだけで二重計上が起きているとは断定できません。タグが発火する条件、注文IDによる重複除去、各媒体のアトリビューション期間が分からないからです。二重計上が起きる仕組みは、GTMで購入が二重計上される原因で扱っています。

広告タグの数は、ツールの成熟度ランキングにも使えません。タグの多少と計測品質は一致しないからです。広告CVの健全性は、広告CV計測の点検方法のように、注文と計測値を同じ期間で照合します。

媒体ごとの管理画面は、それぞれの計測ルールで成果を報告します。申告売上を足すと、接点が重なる購入を複数媒体が成果に含める場合があります。媒体ROASと自社計測の違いでは、この帰属ルールの違いを整理しています。

今回観測した広告タグあり432ホストのうち、288ホストで複数媒体のタグが見つかりました。これは媒体数の目標値ではありません。自社で複数媒体を運用している場合は、タグの数ではなく、同じ期間に各チャネルが生んだ売上を比べます。

4.今回のタグ検出率から自社の売上判断へ移す#

媒体を残すか見直すかは、今回観測した正規化ホスト群のタグ検出率ではなく、自社のチャネル別売上で判断します。

広告タグあり56%や複数媒体67%は、自社の計測が正しいかを合否判定する基準ではありません。同業他社にタグが多くても、自社で売上につながっていない媒体へ予算を残す理由にはなりません。反対に、タグが1媒体だけでも、その媒体が利益ある売上を生んでいるなら、数が少ないこと自体は問題ではありません。

自社でそろえるべき軸は、同じ期間のセッション、売上、RPSです。RPSは売上をセッション数で割った値なので、チャネルごとに1訪問が生む売上を比べられます。売上だけが大きい主力チャネルと、セッションは多いのに売上が弱いチャネルを分けて確認できます。

注文数が十分にある場合は、AOVとCVRも判断材料になります。AOVは売上を注文数で割り、CVRは注文数をセッション数で割ります。RevenueScopeでは注文10件未満のチャネルについて、AOVとCVRを「—」で表示します。少数の注文で率が大きく動く区分を、他のチャネルと同じ確度で比べないためです。

売上の帰属先は、last touch、first touch、linear、time decayの4モデルで変わります。あるモデルのAOVと別のモデルのCVRを混ぜず、同じモデル内でチャネルを比較します。Criteo広告の見方のようなリターゲティングでは、最後の接点だけで評価すると役割を大きく見積もる場合があります。

ここまでを手作業で続けるには、チャネル名、期間、bot除外、売上の帰属ルールを毎回そろえる必要があります。計測ツールの選び方はECアクセス解析ツールの比較で扱っています。本記事の結論はツール数を増やすことではなく、今回のタグ検出率を目標にせず、自社の売上を同じ条件で比べることです。

RevenueScopeの解決策

RevenueScopeは、サイト全体とチャネル別の売上判断に必要な指標を表示します。

サイト全体では、売上、セッション、RPS、AOV、CVRを同じ期間で確認できます。チャネル別では、セッション、売上、RPS、注文数、AOV、CVRを表示します。AOVとCVRは、注文10件以上のチャネルだけに表示されます。

アトリビューションはlast touch、first touch、linear、time decayを切り替えられます。売上、RPS、注文数、AOV、CVRは選んだモデルの中で比較します。どのチャネルにも帰属しない売上は、Unattributedとして分けて表示します。

公開タグ調査は、今回観測した正規化ホスト群で検出した計測構成を示します。RevenueScopeは、自社サイトで計測した売上を同じ条件でチャネル別に示します。これにより、他社が何個のタグを置いているかではなく、自社でどのチャネルが売上を生んだかを予算判断の基準にできます。

FAQ#

よくある質問#

Q. この調査は日本のEC全体を代表しますか?

A. 代表しません。「特定商取引法に基づく表記」で検索上位に出たECサイトの正規化ホストが対象です。モール専業と検索下位の事業者は含みません。

Q. GA4未検出23%は、GA4を導入していない割合ですか?

A. 導入していない割合ではありません。公開HTMLと公開GTMコンテナから検出できなかった割合です。同意後の読み込みや、今回の取得方法では見えない実装が含まれる可能性があります。

Q. 広告タグあり56%は、現在広告を出している割合ですか?

A. 現在の出稿割合ではありません。公開範囲に広告タグが見つかった割合です。停止中のタグが残っている場合もあるため、出稿状況は別に確認する必要があります。

Q. 2媒体以上の67%は、二重計上が起きている割合ですか?

A. 二重計上の割合ではありません。広告タグがあった432ホストのうち、2媒体以上のタグが見つかった288ホストの割合です。二重計上の判定には、発火条件や注文ID、各媒体の帰属ルールの確認が必要です。

Q. 自社では何を見ればよいですか?

A. 同じ期間とアトリビューションモデルで、チャネル別のセッション、売上、RPSを確認します。注文数が十分ならAOVとCVRも加え、媒体数ではなく自社売上への貢献で判断します。

まとめ#

検索結果から抽出したECサイトの正規化ホスト823件のうち、公開タグを判定できたのは765ホストでした。判定可能765ホストでは、広告タグありが56%(432/765)、旧UAタグ残置が49%(377/765)、GA4未検出が23%(177/765)です。

広告タグがあった432ホストでは、2媒体以上が67%(288/432)でした。ただし、タグの存在は現在の出稿、計測の成否、二重計上を示しません。今回のタグ検出率を自社の目標にせず、同じ期間と同じ帰属ルールでチャネル別の売上、セッション、RPSを確認してください。

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参考文献#

外部参考文献は使用していません。数値はRevenueScopeが2026年8月15日から23日に公開HTMLと公開GTMコンテナを調査した一次集計です。

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