リライトした翌週に、そのページの順位が下がった。元に戻すか、このまま待機するか。下がり幅だけで決めようとすると、戻す理由も待つ理由も同じだけ立ちます。決め手になるのは、そのページが今いくら売上を生んでいるかです。この記事では、下落の中身を切り分けたうえで、観察期間の長さを売上の大きさで変える決め方を扱います。
目次
この記事のまとめ#
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「下がった」の中身は3種類あり、それぞれ対処が違う
再評価の途中の揺れ、検索側の変動との重なり、改稿そのものの悪化
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切り分けの起点は、下がったのが改稿したページだけかどうか
Googleも、減少がサイト全体なのか複数ページなのか重要な1ページだけなのかを確認することが重要だとしています[2]
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戻すコストはページの大きさによらずほぼ一定、待つリスクだけが売上に比例する
再クロールには数日から数週間かかることがあり、何度リクエストしても早くはなりません[3]
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同じ下がり幅でも、待てる週数はページごとに違う
着地売上の大きいページほど観察期間を短く切り、小さいページは次の再クロールまで待てます
1.リライト後の順位下落は3つに分かれる#
下がったという1つの結果の下に、性質の違う3つの出来事が混ざっています。再評価の途中で起きる揺れ。検索側の変動と改稿がたまたま同じ週に重なった場合。改稿そのものが評価を下げた場合。この3つは打つ手が別々なので、下がり幅を測る前に、どれに当たるのかを先に決めます。

2本のどちらをたどっているかは、日数を重ねるほどはっきりします。必要な日数は次の章で扱います。ここで先に決めるのは、確認する場所を1か所に絞ることです。
その1か所が、下がったのは改稿したページだけかという問いです。Googleは、減少がサイト全体で発生しているのか、複数のページだけなのか、非常に重要な1つのページだけなのかを確認することが重要だと書いています[2]。改稿していないページも一緒に下がっているなら、原因は改稿の外にあります。改稿したページだけが下がっているなら、残るのは揺れか改稿の悪化かの二択です。
検索側の変動と重なったかどうかは、時期で当たりが付きます。Googleはコアアップデートについて、まずロールアウトが完了したことを確認するよう勧めています[1]。そのうえで、完了後1週間以上待ってからGoogle Search Consoleでサイトを分析します[1]。ロールアウトの最中に改稿していた場合、そこで見えている下落は改稿の結果とは限りません。
改稿そのものが評価を下げた場合には、心当たりのつくサインがあります。Googleは自己評価の質問のなかで、コンテンツを実質的に変更していないのにページを新鮮に見せるためだけに日付を変えていないかを挙げています[5]。ほかのソースを参考にした場合には、単なるコピーや書き換えではなく付加価値とオリジナリティを示せているかも問われます[5]。本文をほとんど足さずに更新日だけ新しくした改稿は、この2つに引っかかります。改稿の前に手を入れてはいけない箇所はリライトで勝ちページを壊さない、本文でなくタイトルから直す選択肢はリライトしてもクリックが増えないで説明しました。
2.揺れと本当の下落を見分ける観察期間#
Googleは、順位のわずかな増減は常に起こる可能性があるとしています。特に手を加えなくても自然に順位が回復する場合も含みます[2]。すでにページのパフォーマンスが良好であれば、根本的な変更は避けたほうがよいとも書かれています[2]。つまり、下がった直後に手を戻すのは、Googleが推奨するやり方ではありません。
見分けるために必要なのは分析の技ではなく、日数です。Google Search Consoleの最新のデータは暫定値の可能性があり、データが収集中のためその後数時間で変動することがあります[4]。改稿の翌日のデータは、まだ確定していない値ということになります。週や月の粒度が用意されているのも、1日単位の変動を平滑化して長期的な傾向を見るためです[4]。

手を入れたあとの待ち時間についても、公式の説明があります。Googleは、サイトを変更しても効果が表れるまでには時間がかかることがあるとしています[2]。そのうえで、一般には数週間待ってからGoogle Search Consoleで再度分析することを勧めています[2]。確認するのは、掲載順位に良い効果があったかどうかです[2]。ここで言う数週間は、直さずに眺める時間ではありません。直した結果が出るまでの時間です。巻き戻しも変更の一種なので、戻したあとにも同じだけの待ち時間がかかります。コアアップデートと重なっている場合は、完了後1週間以上あけてから、ロールアウト開始前の1週間と現在の週を比べます[1]。
下がり幅そのものは、対処の大きさを決める材料になります。Googleは2位から4位への低下を、わずかな低下の例として挙げています[2]。この幅なら順位のわずかな増減の範囲で、すでにパフォーマンスが良好なページに根本的な変更を加えるのは避けたほうがよいとされています[2]。4位から29位のような大幅な低下であれば、サイト全体の自己評価に進みます[2]。
もう1つ、順位の絶対値の扱い方についてGoogleははっきり書いています。一般に掲載順位の絶対値についてはそれほど重要視する必要はなく、最終的にサイト成功の指標となるのはインプレッションとクリック数だという説明です[2]。順位が動いていないのにクリックだけが減る現象は別の原因で起きるので、検索順位は同じなのにクリックが減るで取り上げています。順位計測ツールとGoogle Search Consoleの数字が食い違う場合は、順位ツールとGSCの順位が合わないを参照してください。
3.戻すか待機するかはそのページの売上で決める#
戻すコストと待つリスクは、同じ天びんに載っていません。戻す側は、改稿を巻き戻す作業と、そのあとの待ち時間です。再クロールをリクエストしても、クロールには数日から数週間かかることがあります[3]。同じURLに対して再クロールを何度もリクエストしても、早くクロールされることはありません[3]。リクエストしたからといって検索結果にすぐ表示されるとも限りません[3]。この重さは、ページが大きくても小さくてもほとんど変わりません。
待つ側は違います。待っている間に減っていくのは、そのページが生んでいた売上です。金額はページごとに桁が変わります。ここで見る数字が着地売上です。着地売上とは、そのページを入口にして入ってきたセッションが最終的に生んだ売上の合計で、回遊した末に別のページで購入した分も入口のページに寄せて集計します。指標としての性質は記事のCVRは測っても意味がないにまとめています。
架空店舗Bで同じ週に改稿した2ページの掲載順位(イメージ)
| 入口ページ | 改稿前 | 改稿後 | 下がり幅 |
|---|---|---|---|
| 保湿クリームの選び方 | 2.1位 | 4.2位 | 2.1 |
| 化粧水を使う順番 | 2.0位 | 4.0位 | 2.0 |
この2つは、Googleがわずかな低下の例に挙げる2位から4位の形にどちらも収まっています。下がり幅は2.1と2.0で、差は0.1しかありません。同じ日に改稿して同じだけ下がった2ページで、先に戻すのはどちらか。この表に載っている4種類のデータでは、その順番は決まりません。順番を決めるのは表にないもう1つの数値、そのページが月にいくら売っているかです。

保湿クリームの選び方の月間着地売上は42万円、化粧水を使う順番は3万円でした。1週間あたりに直すと、およそ10万円とおよそ7千円です。ここで失うのは全額ではありません。順位が下がったことで減った分だけです。上のページは同じ期間に検索クリックが3分の1ほど減りました。週10万円を生んでいた入口がその割合で減るなら、失うのは週3万円前後という見当になります。下がったまま2週間置けば6万円前後です。下のページは母数が週7千円なので、同じ割合で減っても2週間で5千円に届きません。巻き戻しの作業と再クロールの往復に見合う金額ではありません。0.1しか違わない下がり幅から、待てる週数だけが別々に出てきます。
手動で回すなら、Google Search Consoleのページ別の表で改稿したURLを1本ずつ探し、改稿日の前後で期間を比べて順位とクリックを記録します。次にGA4のランディングページのレポートで同じURLの売上を引き、2つの数字を1つの行にそろえます。厄介なのは、この作業が1回で終わらないところにあります。線の形が決まるまでの数週間、下がったページの本数だけ、同じ手順を数日おきに繰り返すことになります。戻すか待機するかの結論が遅れるのは、順位の読み方が難しいからではなく、この繰り返しが改稿の本数に追いつかないからです。
RevenueScopeの解決策
戻すか待機するかを決めるために必要だったのは、そのページの順位の動きと、そのページの着地売上の2つでした。RevenueScopeのコンテンツ改善案は、この2つを1つの表で表示します。
コンテンツ改善案は、検索に出ているページを前期比で5つの状態に分類します。失速、伸びしろ、上昇、低クリック、安定の5つです。分類のバッジ、検索クリックと掲載順位の前期比、そのページを入口にした着地売上が、ページ1本につき1つの表で表示されます。着地売上は、改稿したページから入ったセッションが最後に生んだ金額を、入口であるそのページ側へ寄せて足したものです。botと判定したセッションは含みません。
分類のうち失速には、定義に厳密な線が引いてあります。失速が付くのは、検索クリックが実際に減ったページです。順位が下がっただけのページは、この枠に入りません。実際の流入があるページで順位が下がり、かつクリックが伸びていない場合だけ、早期警告として同じ枠に入ります。RevenueScopeが集計するのは、改稿したページ1本ごとの順位の変化と着地売上です。サイト全体の分析はGA4で続けてください。
架空店舗Bの改稿ページをRevenueScopeにたずねると(イメージ)
| ページ | 分類 | 検索クリック | 掲載順位 | 着地売上 |
|---|---|---|---|---|
| 保湿クリームの選び方 | 失速 | 120 → 80 | 2.1 → 4.2 | 42万円 |
| 化粧水を使う順番 | 失速 | 45 → 30 | 2.0 → 4.0 | 3万円 |
| 日焼け止めの塗り直し | 安定 | 58 → 58 | 3.5 → 3.6 | 18万円 |
| 敏感肌のスキンケア | 低クリック | 2 → 0 | 24.0 → 25.5 | 0円 |
※数字が合わないほうが正常です。上の4行は説明のために作った例で、デモ画面には見本ECのサンプルデータ(日々更新)が入っています。
改稿した上の2ページは、どちらも失速の判定です。着地売上は42万円と3万円で、ここだけが大きく開いています。上の行は検索クリックが3分の1減っているので、週10万円の入口から週3万円前後が失われている計算になります。だから観察期間を1週間で切り、巻き戻す準備を並行して進めます。下の行は同じ割合でも週2千円ほどなので、次の再クロールが回るまで様子を見ます。日焼け止めの塗り直しは順位もクリックもほとんど動いておらず、改稿の影響は出ていません。次の一手は、上の1行に期限を付けて、残りの3行を今週の作業から外すことです。
FAQ#
よくある質問#
Q. リライト前の版に戻せば、順位はすぐ戻りますか?
A. すぐには戻りません。再クロールをリクエストしても、クロールには数日から数週間かかることがあります[3]。同じURLに対して何度リクエストしても、早くクロールされることはありません[3]。リクエストしても検索結果にすぐ表示されるとは限らない、とも書かれています[3]。
Q. 2位から4位に下がりました。戻したほうがよいですか?
A. Googleは2位から4位への低下を、わずかな低下の例として挙げています[2]。順位のわずかな増減は常に起こる可能性があり、すでにパフォーマンスが良好なページには根本的な変更を避けたほうがよいとされています[2]。ただし着地売上の大きいページなら、様子を見る週数のほうを短く切ります。
Q. どれくらい待てば本当の下落だと判断できますか?
A. 日数を一律に決める公式の基準はありません。Googleは、順位のわずかな増減は常に起こる可能性があるとし、手を加えなくても自然に回復する場合を含めて説明しています[2]。最新のデータは暫定値で数時間のうちに変動することがあるので[4]、翌日の数字では決めません。コアアップデートと重なる場合は、完了後1週間以上あけて、開始前の1週間と現在の週を比べます[1]。
Q. 順位が下がったページは、失速したページと同じですか?
A. 同じではありません。RevenueScopeのコンテンツ改善案では、失速が付くのは検索クリックが実際に減ったページです。順位が下がっただけのページはこの枠に入りません。実際の流入があって順位が下がり、かつクリックが伸びていない場合のみ、早期警告として同じ枠に入ります。
まとめ#
リライト後に順位が下がったとき、最初に決めるのは戻すかどうかではありません。下がったのが改稿したページだけかどうかです。Googleも、減少がサイト全体で発生しているのか、複数のページだけなのか、非常に重要な1つのページだけなのかを確認することが重要だとしています[2]。
下がり幅は、対処の大きさを決める材料にとどまります。Googleは2位から4位への低下をわずかな低下の例として挙げ、4位から29位のような大幅な低下には、サイト全体の自己評価を勧めています[2]。同じ低下でも、次に何をするかまでは決まりません。
決まるのは、戻すコストと待つリスクを比べたときです。戻す側の重さは、巻き戻しの作業と数日から数週間の再クロール[3]で、ページの大きさによらずほぼ一定。しかも戻したあとには、効果が出たかどうかを確かめる数週間がもう一度かかります[2]。待つ側の損失だけが、そのページの着地売上に比例して増えます。だから線はここで引きます。着地売上が大きいページは観察期間を1週間で切り、その1週間で失う金額を上限として戻すかどうかを決める。着地売上が小さいページは、次の再クロールが回るまで待って線の形を見る。下がり幅が同じ2ページでも、同じ日に結論を出す必要はありません。
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