ChatGPTに自社のことを聞いたら、営業時間も送料も古いままだった。直したい気持ちはあっても、直せる場所は1つではありません。しかも、全部に手を入れる時間はありません。どこから着手するかを、勘ではなく到達の実績で決めるところまで書きました。
この記事のまとめ#
- ChatGPTが返す自社情報の出どころは3つあり、運営者の手が届くのは自社サイト側だけ
- 検索の面に載せるためのクローラーと、学習に使うクローラーは別々に指定する[1]
- 直せる場所は本文の記載、構造化データ、プロフィール系の3種類
- 更新しても再クロールまでは数日から数週間かかり、反映には時間差が入る[2]
- どの記載から直すかは、AI経由でどのページに到達があるかで決まる
1. その間違いは、3つのどこから来ているか#
同じ「古い情報」に見えても、出どころは3つに分かれます。直せるかどうかは、そのどこから来たかで決まります。
この記事が扱うのは、何回聞けば自社が出るかという見つけ方でも、AIが返す売上の数字が正しいかでもありません。間違いを見つけたあと、どこを直せばそれが届くのかです。前者はChatGPTに自社が出るかの確認、後者はAIが数字を間違える理由で扱っています。
1つ目は、その場で読まれる自社サイトです。AIアシスタントは、回答を組み立てるときにサイトを取りに来ることがあります。OpenAIは、検索の面に載せるためのクローラーと、学習に使うクローラーを分けています[1]。検索の面に載るにはOAI-SearchBotのアクセスを許可する必要があり、学習からの除外はGPTBot側で指定します[1]。読まれる経路と、取り込まれる経路は別々です。
2つ目は、学習済みの記憶です。過去に取り込まれた時点の記載が、そのまま残っています。3つ目は、他サイトの記載です。比較まとめ、口コミ、数年前のプレスリリース。自社が書いたものではないのに、自社の情報として引かれます。

ここで、言葉のほうを確かめておきます。「ChatGPTの情報を直す」と言うとき、直す対象はChatGPTの中にあるように聞こえます。実際に手が届くのは、そこではありません。自社サイトに置いてある記載と、その記載を取りに来る経路の設定です。直すという行為の宛先が、最初に思っていた場所とずれています。
つまり作業の中身は、GEO専用の何かではありません。自社サイトの記載を最新にするという、既存のSEOの土台と同じ作業です。違うのは、直したあとに何を見て確かめるかのほうです。
2. 直せる場所と、直してから届くまでの時間#
直せる場所は3種類あります。ただし、更新した瞬間に反映されるわけではありません。
1つ目は、自社サイトの本文そのものです。営業時間、送料の案内、在庫の扱い、取扱の有無。購入の直前に効くのは、だいたいこの4つです。読み手が人でもAIでも、読まれるのは同じ記載です。
2つ目は、構造化データです。機械が読める形で情報を置き直します。実店舗の営業時間や所在地はLocalBusinessの構造化データに置けます[3]。商品の価格と在庫はProductの構造化データに置けます[4]。本文だけだと表記のゆれで読み取りにくい情報を、決まった形で渡せます。
3つ目は、プロフィール系です。実店舗があるなら、Googleビジネスプロフィールのビジネス情報は自分で編集できます[5]。
そして時間差です。Googleは、クロールについて「数日から数週間かかることがある」と書いています[2]。再クロールを依頼する窓口はGoogle Search Consoleにあります。ただし依頼できるだけで、いつ反映されるかが確定するわけではありません。AI側が読み直すまでの幅は、公表されていません。

この時間差があるので、直したその日に確認しても、何も変わっていないのが普通です。焦って別の場所も触ると、どの変更が効いたのか分からなくなります。そもそも読まれる状態をつくる側の話は、ChatGPTの回答に自社を出すための土台にまとめています。
問題は、この3種類を全部やり切る時間がないことです。商品ページが200枚あれば、構造化データの入れ直しだけで数日が消えます。着手順を決めないまま始めると、直った頃には別の記載が古くなっています。
3. 直せない場所で、代わりに何が効くか#
学習済みの記憶と、他サイトの古い記載。この2つには、運営者が直接書き換える窓口が用意されていません。
既存の記憶を運営者側から書き換える窓口は、私が確認できた範囲では公開されていません。窓口が無いという話であって、内容が永久に変わらないという話ではありません。ただ、そこが直るのを待つ前提で計画を立てることもできません。
代わりに効くのは、その場で読み直される側を厚くすることです。AIは、回答を組み立てるときに読める記載があれば、そちらを使えます。自社サイトの記載が最新であるほど、古い記憶に頼る余地は減ります。この考え方は使っているAIを自社の数字で賢くするで扱っています。他サイトの記載がどう効くかはAIに選ばれるサイトの条件にまとめました。
ここで1つ、はっきりさせておきます。直したからその通りに返ってくる、とは約束できません。AIの回答は、運営者側から制御できる対象ではないからです。だから確認は、回答の文面を読み返すのではなく、そのページにAI経由で人が到達したかどうかで取ります。
AI経由の到達は、リンク元の情報とアクセス元の名乗りから判別します。すべてのAIアシスタントがリンク元を渡すわけではないので、この数字は実際にAI経由で到達があった数の下限です。引用はされたがクリックまで至らなかった露出も、ここには入りません。それでも、観測できている範囲でどのページに人が到達したかの順番は、この数字で見えます。

直す候補のリストは、自社サイト側にあります。どこに人が到達しているかは、AI経由の到達の側にあります。2つは別々の場所にあって、同じ順番で表示される場面がありません。足りないのは新しいデータではなく、この2つを同じ順番に載せるものです。
RevenueScopeの解決策
RevenueScope は、AI回答経由でクリック到達したセッションを、着地ページとAI入口の組み合わせで表示します。行ごとに、セッション、その着地セッションの売上、最後にAI経由で到達があった日を表示します。Google Search ConsoleはGoogle検索だけの窓なので、AI入口別のこの一覧は出てきません。
「直近30日、AI経由の到達があるページは?」とMCP経由でChatGPTなどのAIアシスタントに尋ねると、次の形で返ってきます。説明のために架空店舗アオイで書き出します。
| 着地ページ | AI入口 | セッション | 売上 | 最終到達日 |
|---|---|---|---|---|
| 配送と送料の案内 | ChatGPT | 120 | 18万円 | 8月12日 |
| 配送と送料の案内 | Perplexity | 50 | 7万円 | 8月11日 |
| よくある質問 | ChatGPT | 40 | 3万円 | 8月9日 |
| 店舗案内 | ChatGPT | 30 | 1万円 | 8月5日 |
| 商品一覧 | Perplexity | 20 | 1万円 | 8月3日 |
※ 上の表は説明のために組んだ架空店舗アオイの一例(イメージ)で、数値は丸めてあります。ボタンの先の画面が集計しているのは見本ECのサンプルデータ(日々更新)なので、ページ名も金額も上とは別のものが表示されます。
「配送と送料の案内」だけで170セッション。残り3ページを全部足しても90です。AI経由の到達は、薄く広くではなく1ページに寄っています。直す順番は、このページの記載からです。営業時間が古いままの店舗案内は30セッションで、後回しにする根拠が観測できている範囲で立ちます。
同じページでも、ChatGPT経由が120でPerplexity経由が50です。入口が違えば、次に確かめる回答も変わります。最終到達日が8月3日で止まっている商品一覧は、直しても取り戻す到達が今のところありません。ここまで揃って、200枚の商品ページに手を付けるかどうかが今日決まります。
FAQ#
よくある質問#
Q. ChatGPTに直接、間違いを訂正してもらう窓口はありますか?
A. 既存の記憶を運営者側から書き換える窓口は、私が確認できた範囲では公開されていません。手が届くのは、その場で読まれる自社サイト側の記載です。検索の面に載せるためのクローラーと、学習に使うクローラーは別々に指定します[1]。
Q. 自社サイトを直せば、ChatGPTの回答も新しくなりますか?
A. そう約束することはできません。回答の内容は運営者側から制御できないからです。確認は回答の文面ではなく、そのページにAI経由の到達があるかどうかで取ってください。
Q. 構造化データを入れれば、送料も伝わりますか?
A. Productの構造化データに置けるのは価格と在庫です[4]。送料の扱いは本記事では確認できていないので、送料の案内は本文の記載を最新にしておくのが確実です。
Q. 直したあと、どれくらい待てばよいですか?
A. Googleはクロールについて数日から数週間かかることがあると書いています[2]。AI側が読み直すまでの幅は公表されていません。待つ間は、そのページにAI経由の到達があるかを見ておくのが実務的です。
まとめ#
ChatGPTが古い自社情報を返すとき、出どころは3つに分かれます。その場で読まれる自社サイト、学習済みの記憶、他サイトの記載です。運営者の手が届くのは1つ目だけです。ChatGPTの中を直すのではなく、ChatGPTが読みに来る場所を直す、という順番になります。
直せる場所は本文の記載、構造化データ、プロフィール系の3種類です。営業時間と所在地はLocalBusiness[3]、価格と在庫はProduct[4]に置けます。更新しても再クロールまでは数日から数週間かかるので[2]、直したその日に確認しても何も変わっていないのが普通です。
全部を直す時間はありません。だから着手順を、記載の気持ち悪さではなく、AI経由でどのページに人が到達しているかで決めてください。到達が1ページに寄っているなら、直すのはその1ページの記載からです。順番が決まった時点で、今日やる作業が1つに絞れます。
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