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キーワードカニバリゼーション解消|売上で残す方を決める

同じキーワードで自社ページ同士が食い合ったとき、多くのツールは「順位の高い方を残す」と教えます。ところが順位だけで統合先を決めると、順位は下でも売上を稼いでいるページを消しかねません。見本ECの実データでは、掲載順位2.6位のページが着地売上0円、最下位32位のページが着地売上12万円超という逆転が起きています。カニバリを順位ではなく着地売上で解く考え方を整理します。

キーワードカニバリゼーション解消|売上で残す方を決める

「同じキーワードで、自社のページ同士が検索結果を奪い合っている」。そんな状態に気づいて、片方に統合しようと考えたことはありませんか。このとき多くのツールは、掲載順位や被リンク、権威性を見て「順位の高い方を残しましょう」と教えます。ところが順位だけで残す方を決めると、順位は下でも売上を稼いでいるページを、まるごと消してしまうことがあります。この記事では、自社ページ同士の食い合い(キーワードカニバリゼーション)を、順位ではなく「着地売上」で解く考え方を、見本ECの実データで整理します。

この記事のまとめ#

  • 同じキーワードで自社ページ同士が食い合うと、検索エンジンがどちらを上位にするか迷い、両方とも順位が伸び悩むことがあります
  • よくある解き方は「順位の高い方を残す」。けれど順位は、そのページがいくら売上を稼いでいるかを見ていません
  • 見本ECでは、掲載順位2.6位のページが着地売上0円、最下位32位のページが着地売上12万円超という逆転が起きています
  • だから統合先は、順位だけでなく「そのページを入口にした着地売上」まで見て決める。順位は下でも売上トップのページを、うっかり消さずにすみます

1. なぜ自社ページ同士が同じキーワードで食い合うのか#

結論から言うと、キーワードカニバリゼーションとは、1つの検索キーワードに対して自社の複数ページが競合し、検索結果の枠を奪い合う状態です。

同じテーマで記事と商品ページ、あるいは似た商品ページを複数作ると、どのページも同じキーワードで検索に出ようとします。検索エンジンは「このサイトで、この語に一番ふさわしいのはどれか」を1つに絞ろうとするので、候補が複数あると評価が分散します。その結果、どのページも中途半端な順位で止まったり、意図しない方が表示されたりします。

具体的には、次のようなことが起きます。

  • 同じキーワードで、日によって表示されるページが入れ替わる
  • どのページも1ページ目の一歩手前で止まり、伸び切らない
  • 新しく作ったページが、既存の強いページの順位を下げてしまう

こうした食い合いに気づくと、多くの人は「片方に統合して、評価を1つにまとめよう」と考えます。統合の考え方そのものは正しく、Google も重複した内容は正規 URL を1つ指定してまとめることを推奨しています[1]。もっとも、統合と削除は別の判断で、古い記事をいつ消すべきかは記事を削除する3つの条件で扱っています。カニバリの問題は、削除でなく「どちらを残すか」の決め方です。

2. 順位で残す方を決めると、売上を稼ぐページを消しかねない#

順位や権威性だけで残す方を決めると、順位は下でも売上を稼いでいるページを消してしまう危険があります。

掲載順位×着地売上の2軸でページを配置した象限図。陶器マグカップセット(順位2.6/着地売上0円)は「順位は上位でも売上ゼロ」の象限でcoral強調され、竹歯ブラシセット(順位27/着地売上10万9,734円)とリネンの手入れ方法(順位32/着地売上12万2,783円)は「順位は最下位クラスでも売上は上位」の象限でteal強調されている

カニバリ解消をうたうツール(Search Console や順位計測ツール)の多くは、掲載順位・被リンク・権威性を見て「強い方を残しましょう」と教えます。どれも検索での見え方を測る指標です。けれど、そのページが最終的にいくら売上を稼いでいるかは、これらの指標には入っていません。

見本ECのデータを見ると、順位と売上がまったく別の動きをしています。陶器マグカップのページは掲載順位2.6位と上位で、クリックも取れています。ところが、このページを入口にした着地売上(そのページから入って最終的に立った売上)は0円です。一方、竹歯ブラシのページは掲載順位27位、リネンの手入れ方法の記事は32位と最下位クラスで、Google 検索からのクリックはほぼ0。それでも着地売上は、竹歯ブラシが109,734円、リネンの記事が122,783円あります。リネンの記事の売上には、AI 経由の39,892円も含まれます。

ここで起きているのは2つの逆転です。順位が高くても売上ゼロのページがあり、順位が最下位でも売上トップ級のページがある。もし順位だけで「残す方」を決めていたら、上位の陶器マグカップを残し、最下位のリネンの記事を消す判断になったかもしれません。でも実際に売上を稼いでいるのは、消そうとした側でした。カニバリの統合作業に限らず、リライトや整理の際に売上を稼ぐページを誤って壊さないための考え方は勝ちページを壊さないリライトの条件にまとめています。

順位ツールが見せるのは「検索でどれだけ上位か」だけで、「そのページがいくら売上を稼ぐか」は見えていません。

3. 着地売上で見ると「残すべきページ」が入れ替わる#

同じキーワードで競合する2ページを着地売上で見ると、順位で選んだのとは逆のページを残すべきだと分かることがあります。

「オーガニックコットン」で競合する2ページの着地売上を比較した横棒グラフ。ブログのオーガニックコットンガイド(掲載順位3.0)は着地売上3万6,073円なのに対し、商品ページのオーガニックコットンTシャツ(掲載順位4.3〜5.5)は着地売上45万8,683円と橙で強調され、約13倍の差があることを示す

見本ECには、「オーガニックコットン」という同じテーマで競合する2つのページがあります。1つはブログの「オーガニックコットンガイド」で、掲載順位は3.0位。もう1つは「オーガニックコットンTシャツ」の商品ページで、掲載順位は4.3〜5.5位です。順位だけを見れば、ブログの方が上位です。カニバリを順位で解くなら、「順位が上のブログを残し、商品ページをブログに統合する」という判断になります。

けれど着地売上を見ると、順位とは逆の結果になります。ブログの着地売上は36,073円。商品ページの着地売上は、2つの検索クエリを合わせて458,683円です。順位はブログが上でも、売上は商品ページがブログの約13倍を稼いでいます。 もし順位を頼りに商品ページをブログへ統合していたら、いちばん売上を稼ぐページを自ら弱めていたことになります。

ここで気になるのは、ブログ記事なのになぜ売上が付くのか、という点かもしれません。ブログの「オーガニックコットンガイド」自体は何かを販売しているページではありません。この記事から入ってきた読者が、同じ訪問の中でサイト内の商品を買うと、その売上は入口になったブログ記事に計上されます。理由は、2ページが受け止める読者の目的が違うからです。ブログは「オーガニックコットンとは何か」を知りたい段階の読者を集めます。読者は勉強しに来ているので、その場では買いません。ただし勉強した後にサイト内の別の商品を買うことはあり、その売上は入口だったブログに計上されます。一方、商品ページは「買う候補を探している」読者が着地し、そのまま購入につながります。同じキーワードでも、ページが受け止める読者の目的が違えば、稼ぐ売上は大きく変わります。だから統合先は、順位ではなく「どちらが売上を稼いでいるか」で決めるのが理にかなっています。カニバリ以外の記事群でも、どれから優先して手を入れるかを売上で決める考え方はリライトの優先順位を売上で決めるで扱っています。

RevenueScopeの解決策

ここまでで、カニバリの統合先は順位でなく着地売上で決めるべきだと見えてきました。残るのは、その着地売上をどう用意するか、です。これを自分でやろうとすると壁があります。着地売上はページ単位で出す必要がありますが、GA4 のページビューには「そのページを入口にした売上」がひもづいていません。さらに、購入は回遊した末に起きるので、どのページを入口とみなすか(帰属)を自分で決めて集計し直す手間がかかります。ページごと・キーワードごとに、これを毎回手作業でそろえるのは骨が折れます。

カニバリの統合先を決めるフロー図。「同じキーワードで2ページが競合」から「残す方を何で決める?」の分岐が始まり、「順位のみ」を選ぶと「順位だけで判定・売上を稼ぐページを消す危険」(coral)へ、「順位+着地売上」を選ぶと「順位+着地売上で判定・売上で残す方を決める」(teal)を経て「弱い方を統合/検索意図で分ける」へ至ることを示す

RevenueScope は、この集計をそのまま提供します。get_content_actions が、全コンテンツページを着地売上(そのページを入口にした訪問が、同じ訪問の中でサイト内のどこかの購入に至った金額の合計・全チャネル・bot 除外後)の高い順にそろえ、同じ画面に掲載順位も添えます。「順位は上だが売上は薄いページ」と「順位は下でも売上を稼ぐページ」を、1つの画面で見分けられます(表示はデモデータ)。カニバリで迷ったとき、残す方を勘でなく着地売上で選べます。

下の表の「リネンの手入れ方法」も、先ほどのオーガニックコットンガイドと同じ理屈です。記事自体は何も売っていませんが、この記事から入った読者が同じ訪問の中で別の商品を買えば、その売上は入口になったこの記事に計上されます。

ページ掲載順位着地売上(90日)
オーガニックコットンTシャツ(商品)4.3〜5.5¥458,683
リネンの手入れ方法(ブログ)32¥122,783
竹歯ブラシセット(商品)27¥109,734
オーガニックコットンガイド(ブログ)3.0¥36,073
陶器マグカップセット(商品)2.6¥0

見本ECの実出力(サンプルデータのフィクションサイト)

この表の読みどころは、掲載順位の並びと着地売上の並びが、まったく一致しないことです。順位2.6位のマグカップは着地売上0円、順位32位のリネンの記事は122,783円。もし順位だけで統合先を決めていたら、売上トップ級のページを消していたかもしれません。着地売上まで見えていれば、「順位は下でも、このページは残す」という判断ができます。

誤解のないよう、先に触れておきます。RevenueScope が出すのは、そのページを入口にした着地売上までです。着地売上は入口ページへの帰属なので、回遊した末の購入は、実際に買った商品ページでなく入口ページに寄せて数えます。ページ単位のコンバージョン率(CVR)は出しません。また掲載順位は Google 検索のみが対象で、2〜3日の遅れがあります。粗利や在庫は、この仕組みの対象外です。RevenueScope が提供するのは、順位と着地売上を同じ画面にそろえて「残す方」を選びやすくするところまで。どのページに統合するかは、あなたが決めます。

FAQ#

よくある質問#

Q. カニバリは、順位の高い方を残せばいいのではないですか?

A. 順位はひとつの手がかりですが、それだけで決めると危ういです。見本ECでは、掲載順位2.6位のページの着地売上が0円、最下位32位のページの着地売上が12万円超という逆転が起きています。順位が上でも売上ゼロのページはあり、順位が下でも売上を稼ぐページもある。統合で消すと売上ごと失うので、残す方は「そのページを入口にした着地売上」まで見て決めるのが安全です。

Q. 着地売上と、記事ごとのコンバージョン率(CVR)は何が違いますか?

A. CVRは「そのページの訪問のうち何%が買ったか」という率です。着地売上は「そのページを入口にして最終的にいくら売れたか」という金額です。読者は勉強目的の記事では、その場で買わないことが多いので、良い記事ほどCVRが低く出がちです。統合先を決めるときは、率で切り捨てず、実際に稼いだ売上の金額で見比べる方が、判断を間違えにくくなります。CVRと着地売上のずれ方はCVRと着地売上のどちらで見るかでくわしく扱っています。

Q. 統合すると決めたら、具体的にどう1つにまとめればいいですか?

A. Google は正規 URL を指定する方法として、リダイレクト・rel="canonical"・サイトマップの3つを挙げています[1]。強い順にリダイレクトと rel="canonical" が効きます。どのページに寄せるかは、着地売上で決めた「残す方」に合わせます。順位が高い方ではなく、売上を稼いでいる方を正規 URL にするのがポイントです。

まとめ#

同じキーワードで自社ページ同士が食い合うと、検索エンジンの評価が分散し、どのページも伸び切らないことがあります。片方に統合して評価をまとめる考え方は正しいのですが、落とし穴は「どちらを残すか」の決め方にあります。

多くのツールは掲載順位や権威性で「強い方を残す」と教えます。けれど順位は、そのページがいくら売上を稼いでいるかを見ていません。見本ECでは、順位2.6位のページが着地売上0円、最下位32位のページが着地売上12万円超という逆転や、順位で上のブログより下の商品ページが約13倍の売上を稼ぐという逆転が起きていました。

だから統合先は、順位だけでなく「そのページを入口にした着地売上」まで見て決める。順位は下でも売上を稼ぐページを、うっかり消さずにすみます。順位と着地売上を同じ画面にそろえれば、残す方を勘でなく売上で選べます。

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