·更新 2026年9月3日·GA4 / bot / 無効トラフィック / アクセス解析 / 流入の質

アクセス急増はbotか?|見分ける5つのサイン

アクセス急増はbotかを、滞在時間だけで誤判定しないための記事です。2026年8月、自社サイト84セッション中66件がクローラーで、そのうち61件が滞在データを送った実測と、同じ国・同じ日に集中する動きから見分ける方法を解説します。

アクセス急増はbotか?|見分ける5つのサイン

アクセスが急増しても、需要が伸びたとは限りません。特定チャネルへの集中、同じ日の同じ国からの連続訪問、1PV以下、2秒以下、購入と売上の停滞。この5つを組み合わせてbotの疑いを判断します。滞在データの有無だけで決めないことが重要です。

この記事のまとめ#

  1. アクセス急増は5つのサインを組み合わせて判断する

    チャネル、日と国、PV数、滞在時間、購入と売上を確認する

  2. 滞在データは人間の証拠にならない

    2026年8月には、クローラー66件のうち61件が滞在データを送信した

  3. GA4が自動除外するのは既知のbotとスパイダー

    除外された件数は表示されず、未知のbotが残る可能性もある

  4. 1件の短い訪問でなく、同じ日の集中を見る

    単独では通常の離脱と区別しにくいため、複数条件の重なりで判断する

1.アクセス急増を喜ぶ前に|本物かbotかを切り分ける#

アクセス急増を施策の成果と扱う前に、訪問の集中と売上を一緒に確認します。

急増を本物だと思い込むと、集客判断が変わります。セッションが増えたチャネルへ広告費を追加し、購入率の低下を商品ページの問題だと考えるかもしれません。しかし、増えた分がbotなら、予算を増やしても購入者は増えません。botを分母に含めた購入率やRPSも低くなり、本来は成果を生んでいるチャネルを過小評価します。ここで使うRPSは、売上をbot除外後のセッション数で割った値です。

botは、人が操作していない自動アクセスです。検索エンジンのクローラーのように必要なものもあれば、不正利用や情報収集を目的とするものもあります。Thalesの2026 Bad Bot Reportでは、2025年のWebトラフィックの53%をbotが占めました。内訳は不正目的のbotが40%、正当な用途のbotが13%です[1]。これはWeb全体の調査であり、個々のECサイトの比率ではありません。

最初の確認では、次の5つを組み合わせます。

  • 特定のチャネルだけが急増している
  • 同じ日、同じ国から短い訪問が集中している
  • 1セッションのページ閲覧が1PV以下に偏っている
  • 2秒以下の訪問が多い。ただし滞在データの有無だけでは決めない
  • セッションが増えたのに購入件数と売上が増えていない

1つだけではbotと確定できません。メールやアプリからの訪問がDirectに入る場合もあります。購入前に1ページだけ確認して離脱する人もいます。同じチャネル、日、国で複数のサインが重なっているかを見ます。botがチャネルの構成を変える仕組みは、bot流入がチャネル分析を歪める理由で詳しく説明しています。

2.滞在があってもbot|2026年8月に崩れた見分け方#

「滞在データを送ったから人間」とは判断できません。

2026年8月30日、RevenueScopeの自社サイトで84セッションを計測しました。そのうち66件は、中国の一般家庭の回線に見えるアクセス元(住宅プロキシ)を経由したクローラーでした。通常のブラウザと同じUAを使い、IPも複数の都市へ分散していました。UAはブラウザなどの種類を伝える文字列です。この形では、ブラウザとアクセス元の情報だけでは判定できません。

実際に66件のうち62件がブラウザとアクセス元の情報による判定を通過しました。ダッシュボードに表示された71セッションのうち、調査で人による訪問と確認できたのは9件でした。セッション数は急増していましたが、実際の訪問者が増えたわけではありません。

さらに、66件のうち61件には滞在時間が記録されていました。このデータは、ページに100ミリ秒以上いたことを示すにすぎません。ヘッドレスブラウザを動かすbotでも記録できます。従来の「滞在時間が記録されていなければbot」という判定だけでは、この61件を対象にできませんでした。

2026年8月30日の全84セッション、クローラー66件、ブラウザとアクセス元の情報による判定を通過した62件、滞在時間が記録された61件という主要数値を示す図。滞在時間だけではbotを判定できないことを示す

滞在時間だけでは、確認が足りません。平均滞在が0秒に近い急増は注意が必要です。一方、1秒や2秒が記録されていても、人による訪問とは限りません。滞在、PV数、訪問者の新規・リピーター、国、日付を組み合わせます。流入の質を3層で見る方法でも、1つの指標だけで訪問の質を決めない考え方を紹介しています。

3.GA4の「既知bot除外」でどこまで防げるか#

GA4は既知のbotとスパイダーを自動で除外しますが、すべてのbotを除外する機能ではありません。

Google Analyticsの公式ヘルプによると、GA4は既知のbotとスパイダーを自動で除外します。判定にはIABのInternational Spiders and Bots Listを利用します。Universal Analyticsとは異なり、GA4で利用者が設定をオンにする必要はありません[2]。

GA4では自動除外を無効にできず、除外されたbotの件数も表示されません[2]。ある日の急増で既知botが何件除かれたかも、除外後に未知のbotが何件残ったかもレポートからは分かりません。

GA4のセッションが増えたとき、既知bot除外が機能していないと即断するのも適切ではありません。自動除外の対象外となるbotが含まれている可能性と、人間の訪問が増えた可能性の両方があります。広告媒体が扱う無効クリックとの違いは、無効クリックとbot除外の違いで確認できます。

GA4で確認するなら、まずトラフィック獲得レポートを日別、チャネル別、国別に分けます。次に、セッションの増加と購入件数、売上の変化を同じ期間で比べます。ただし、GA4には除外済みbotの内訳が表示されません。急増したチャネルにbotが何件含まれたかという情報は、一覧に追加されないままです。

4.急増は1件でなく、同じ日の集中から見分ける#

短い訪問を1件ずつbot扱いせず、同じ特徴を持つ訪問の集中を確認します。

1ページだけ見て2秒以内に離れた新規訪問者は、実際の買い物客にもいます。1件だけでbotと判定すれば誤判定が増えます。2026年8月の事例では、同じサイト、日、国で、同じ特徴の訪問が5件以上集まるかを確認しました。日付は日本標準時(JST)で区切ります。

RevenueScopeは、同じ日に集中する訪問を次の5条件で確認します。国は似た訪問をまとめるために使い、特定の国を一律に除外しません。

  • 同じサイト、同じ日JST、同じ国
  • 1PV以下
  • 滞在2秒以下
  • 新規訪問者
  • 5件以上の集中

2026年8月30日の実測では、次の5条件を含む複数の判定によって61件をbotとして除外しました。61件は、この5条件だけで検出した数ではありません。

同じ特徴でも1日4件以下なら対象外です。滞在3秒以上のセッションと、2026年8月29日00:00 JSTより前のデータにも適用しません。VPNやプロキシを使う実訪問者を誤判定する可能性があり、すべてのbotを識別するものではありません。

見る順番は、急増したチャネル、購入と売上、同じ日と国への集中です。その後にPV数と滞在時間を確認します。0秒ではないという理由だけで、人による訪問だと判断しないためです。広告費への影響まで確認する場合は、bot流入で広告費を浪費する仕組みも参考になります。

RevenueScopeの解決策

RevenueScopeは、ブラウザとアクセス元の情報に加え、1ページだけの訪問、滞在時間が記録されたか、同じ日の集中を確認します。botとして除外した後のセッション、売上、RPSとbot除外数をチャネル別に表示します。

GA4では、既知botとして除外された件数がレポートに表示されません。残った未知のbotも一覧からは分かりません。RevenueScopeではbotだけだったチャネルも消さず、セッション0件、bot除外数ありとして残します。流入がなかったのか、botを除外した結果なのかを区別できます。

次は、見本ECサイトのサンプルデータです。実在する店舗の実績ではありません。

チャネルセッションBot除外売上RPS
Google検索24515612,500円2,500円
Direct170310306,000円1,800円
Referral01900円—

※ この3行は説明用に固定した架空例です。見本ECでは数値が毎日変わるため、この記事の3行とは一致しません。

Referralは190件を除外した後、セッションも売上も0件です。除外前はアクセスが多く見えても、広告費を追加する根拠にはなりません。Directはbotを除外した後も170セッションと売上が残ります。RevenueScopeは、bot除外後のチャネル別セッションと売上効率を同じ画面に表示します。

チャネル別のbot割合を示すグラフ。ダイレクトは74%、dev.toは85%、リファラルは72%、YouTubeは70%、Google検索は7%

botの疑いが強い集中を除外した後、チャネルごとのセッション、売上、RPSを確認します。botを含まないセッション数で購入率とRPSを算出し、集客と広告費の配分を検討できます。

FAQ#

Q. GA4でbot除外の設定をオンにする必要がありますか?

A. GA4では、既知のbotとスパイダーが自動で除外されます。利用者がオンにする設定はありません。ただし、除外された件数は表示されません。未知のbotが残る可能性もあるため、急増時は訪問の集中と売上を確認します。

Q. 滞在時間が0秒ならbotですか?

A. 0秒だけではbotと確定できません。すぐ離脱した実訪問者でも0秒になる場合があります。反対に、ヘッドレスブラウザを使うbotが滞在データを送る場合もあります。同じ日の同じ国から、1PV以下、2秒以下、新規訪問者が集中しているかを確認します。

Q. 海外からのアクセスをすべて除外すればよいですか?

A. 一律には除外しません。海外の購入者や旅行中の利用者を失う可能性があります。国は同じ特徴の訪問をまとめる情報として使い、特定国をbotと決めません。セッション、PV数、滞在、購入、売上を組み合わせて判断します。

Q. bot除外後は何を確認しますか?

A. チャネル別のセッション、売上、RPSを確認します。botだけだったチャネルにはセッション0件と除外数が残るため、流入がなかった場合と区別できます。bot除外後も実際の購入による売上が残るチャネルを、集客と広告費の判断材料にします。

まとめ#

2026年8月30日には、クローラー66件のうち61件に滞在時間が記録されていました。アクセス急増は、滞在時間だけでなく、訪問の集中と売上を組み合わせて判断します。

GA4は既知のbotとスパイダーを自動で除外します。ただし、除外数は表示されず、未知のbotが残る可能性もあります。1件の短い訪問ではなく、同じ日の集中を確認します。bot除外後のセッション、売上、RPSを使うことで、集客と広告費の配分を判断できます。

botを除いた数字で、伸ばすチャネルがわかる

月5,000セッションまで、AI連携もずっと無料。クレジットカード不要。最短5分で導入。

あなたのサイト(例: yourshop.com) を分析する準備ができました

クレジットカード不要·最短5分で計測開始

参考文献#

関連記事