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クーポン・セールの効果の測り方|売れた数でなく売上で見る

クーポンやセールを打つと注文数は増えます。でも「売れた数」が増えても、売上や客単価まで増えたとは限りません。値引きで件数だけ伸びて売上は横ばい、ということは珍しくありません。クーポン・セールの効果を、売れた数でなく売上・客単価(AOV)・転換率(CVR)で測る考え方と、施策ごとに見比べて『どの販促が本当に効いたか』を見分ける方法を、やさしく整理します。

クーポン・セールの効果の測り方|売れた数でなく売上で見る

クーポンを配ったら、注文数がぐっと増えた。セールをやれば、その日は伝票が山積みになる。——だから今回の販促は成功だった。ECを運営していると、つい「売れた数」で効果を判断してしまいます。国内の物販系ECの市場は年々大きくなっていて[1]、クーポンやセールの巧拙が売上を左右する場面も増えています。

でも、本記事で最初にお伝えしたいのは、少し違う見方です。売れた数(注文の件数)が増えても、売上や、お客さん1人あたりの単価まで増えたとは限りません。値引きで件数だけが伸びて、売上は横ばい、ということは珍しくありません。実際、ある小さな店は思い切って値上げをして客数を3割ほど減らしましたが、売上はかえって増えました。数と売上は、別物なのです。この記事では、クーポンやセールの効果を「売れた数」でなく、売上・客単価(AOV)・転換率(CVR)で測る考え方と、施策ごとに見比べて「どの販促が本当に効いたのか」を見分ける方法を、順番に整理していきます。

まとめ解説動画

この記事のまとめ#

  • クーポンやセールの効果を「売れた数(注文の件数)」だけで判断すると、見誤ります。値引きをすれば件数は増えやすいのですが、1件あたりの単価が下がるため、件数が増えても売上は横ばい、ということが起こるからです。
  • 効果は、売上・客単価(AOV、注文1件あたりの平均売上)・転換率(CVR、訪れた人のうち買った人の割合)の3つで見ます。件数という1つの数字より、この3つのほうが「本当に売上が増えたのか」を正直に映します。
  • そして、全体の数字を見るだけでは「どの販促が効いたか」までは分かりません。クーポンA・セールB・通常販売、というように施策ごとに分けて売上・客単価・転換率を見比べて、初めて次の一手が決まります。

1. 「売れた数」では効果は測れない#

効果を件数だけで見ると、値引きはほぼ必ず「成功」に見えてしまいます。だから件数は、判断の出発点には向きません。

クーポンやセールを打つと、注文の件数はたいてい増えます。安くなれば、いつもは様子を見ている人や、他店と迷っていた人まで動くからです。ここまでは、ねらいどおりです。問題は、その件数の増え方を「効果」と思い込んでしまうことにあります。

売上は、件数だけでは決まりません。売上は「件数 × 客単価」で決まります。値引きは件数を押し上げる一方で、1件あたりの単価を確実に削ります。たとえば40%オフのクーポンで件数が2割増えても、1件あたりの単価がそれ以上に下がれば、かけ算の答えである売上は、増えるどころか横ばい、ときには下がることさえあります。さらに、安さ目当てで来た人は、見るだけ見て買わずに帰る割合も高くなりがちで、転換率(買った人の割合)も思ったほど上がりません。

冒頭の値上げの話は、これをちょうど逆から見た例です。値上げで客数(件数)は3割減ったのに、1人あたりの単価が上がったため、かけ算の答えである売上はむしろ増えました。件数と売上は、同じ向きに動くとは限らないのです。だからこそ、効果は件数でなく売上で見る必要があります。

クーポン施策を「売れた数」で見るか「売上」で見るかで、評価が逆転することを示した対比表。注文数で見ると2割増で成功に見えるが、客単価は値引きで下がり、売上はほぼ横ばい、転換率もわずかな上昇にとどまる。同じ施策でも、見る指標を変えると結論が変わることを示す

つまり、件数という1つの数字は、値引きの効果を映す鏡としては曇っています。では、何を見ればよいのか。次の章で、件数の代わりになる3つの数字を整理します。

2. 売上と客単価と転換率で見る#

クーポン・セールの効果は、売上・客単価(AOV)・転換率(CVR)の3つで見ます。この3つがそろって初めて、「件数が増えた理由」と「本当に得をしたのか」が分かります。

1つ目は、客単価(AOV)です。注文1件あたりの平均売上のことで、売上を注文数で割って求めます。値引きをすれば、ここは下がります。大事なのは、どれだけ下がったかです。値引き幅のわりに客単価の下がり方が小さければ、その販促は単価を守れています。逆に、深い値引きで客単価が大きく削れていれば、件数が増えても1件ずつの儲けは薄くなっています。

クーポン・セール・通常販売の3つで、客単価(AOV)がどれだけ違うかを比べた棒グラフのイメージ。深い値引きのクーポンは客単価がもっとも低く、値引きのない通常販売がもっとも高い。値引き幅が深いほど1件あたりの単価が削れることを示す

2つ目は、転換率(CVR)です。サイトを訪れた人のうち、実際に買った人の割合です。クーポンやセールは、この数字を上げるためのもの、とよく言われます。たしかに上がることもありますが、安さに引かれて来た人は買わずに帰る割合も高いので、思ったほど上がらないこともあります。だから転換率は、上がったかどうかだけでなく、客単価とセットで見ます。

3つ目は、売上そのものです。客単価と転換率がどう動いた結果、最終的に売上が増えたのか。ここが、効果を判断する最後のものさしになります。売上を計測する仕組み自体は、いまの分析ツールに購入のデータを送る設定をすれば用意できます[2]。

ただし、ここで気をつけたいことがあります。この3つを「サイト全体の合計」で見るだけでは、まだ足りません。全体の売上が上がっていても、それがクーポンのおかげなのか、別の販促のおかげなのか、たまたま季節要因で伸びただけなのかは、合計の数字からは読み取れないからです。次の章で、その切り分け方を見ます。

3. 施策ごとに分けて「効いた販促」を見分ける#

効果を正しく測る最後の鍵は、施策ごとに分けて見ることです。全体の合計でなく、クーポンA・セールB・通常販売のように販促ごとに売上・客単価・転換率を並べて、初めて「どれが効いたか」が見えます。

たとえば、ある月にクーポンとセールを同時に走らせ、全体の売上が伸びたとします。ここで「販促は成功だった」で止めてしまうと、次に活かせる学びは何も残りません。クーポンのほうが効いたのか、セールのほうが効いたのか、あるいは値引きしていない通常販売がいちばん利益を稼いでいたのかが、混ざったままだからです。これを分けるには、それぞれの販促に小さな目印を付けておきます。販促ごとにリンクへ付ける短い印(utm、施策を見分けるためのURLの目印)を使えば、どの注文がどの販促から生まれたかを、後から仕分けできます。

施策ごとに分けると、もう1つ分かることがあります。値引きは、深くするほど効くとは限らない、ということです。10%オフより40%オフのほうがたくさん売れる気がしますが、深い値引きは客単価を大きく削るので、売上で見ると割に合わないことがよくあります。値引き幅を変えながら売上を見比べると、「これ以上深くしても売上は伸びない」という境目が見えてきます。

値引き率を10%・20%・40%と深くしたときに、売上がどう変わるかを示した棒グラフのイメージ。20%あたりまでは売上が伸びるが、40%まで深くしても売上はかえって頭打ちになる。深い値引きほど効くわけではなく、売上が伸びる境目があることを示す

ここで、はっきりさせておきたい境目が2つあります。1つは、利益の話です。売上・客単価・転換率で「売れ方」は分かりますが、「その値引きで利益が残ったか」は、これだけでは分かりません。利益は、売上から原価を引いて初めて見えるもので、割引の決め方と利益の残し方は割引・値下げの決め方で別に整理しています。もう1つは、時間軸です。1回のセールが終わったあとに、セール期と平常期を見比べて次の値引き幅を決める事後の振り返りは、セール直後の振り返りで扱っています。本記事は、その手前にある「効果を測る指標選びと、施策ごとの見比べ方」に絞っています。

考え方そのものは、むずかしくありません。むずかしいのは、これを毎回、施策ごと・入り口ごとに分けて、手作業で集計し続けることです。流入のデータ、注文のデータ、売上のデータは別々の場所にあり、施策の目印と突き合わせて1つにまとめ直すだけで、肝心の判断にたどり着く前に力尽きます。シンプルな考え方なのに、続けるほど重くなるのです。

RevenueScopeの解決策

クーポン・セールの効果を売上で捉えようとすると、結局ぶつかるのは同じ壁です。「どの施策が、件数だけでなく売上・客単価・転換率で本当に効いたのか」を知りたいのに、そのための数字が複数の場所に散らばっていて、施策ごとに毎回まとめ直さないと見えないことです。

RevenueScope は、その散らばった数字を施策ごとに1画面へ集約し、注文数・客単価(AOV)・転換率(CVR)・売上を並べて見せます(表示はデモデータ)。

施策注文数客単価(AOV)転換率(CVR)売上
クーポン40%OFF420¥3,2003.1%¥1,344,000
セール20%OFF310¥4,5002.4%¥1,395,000
通常販売(値引きなし)180¥6,8001.6%¥1,224,000

この表のいちばんの読みどころは、注文数がもっとも多いクーポン40%OFF(420件)が、売上ではいちばんではないことです。深い値引きで客単価が¥3,200まで下がっているため、注文数では半分以下のセール20%OFF(310件)に、売上で逆転されています。件数だけを見ていたら、まず気づけません。ここから次の一手が見えてきます。値引き幅を40%から20%寄りに調整し、客単価を守ったほうが、同じ集客でも売上は伸びる余地がある——という見立てです。やみくもに深い値引きを続けるのではなく、いちばん売上を稼ぐ値引き幅から打てるのです。

ひとつ、はっきりさせておきます。RevenueScope が出すのは、売上・客単価(AOV)・転換率(CVR)・セッションあたり売上(RPS)と、それを施策ごと・入り口ごとに分けた内訳までです。原価を引いた利益(粗利)や、在庫は出しません。だから「この値引きで利益が残ったか」までは、RevenueScope だけでは分かりません。どの施策が売上を稼いだかの材料はそろえますが、どこまで値引くかの最終判断は、あなたが下します。

FAQ#

よくある質問#

Q. クーポンを配ったら注文がはっきり増えました。成功と判断していいですか?

A. まだ早いです。注文数(件数)は値引きをすればたいてい増えますが、それは効果の一部しか映していません。値引きは1件あたりの単価を削るので、件数が増えても売上は横ばい、ということが起こります。注文数だけでなく、客単価(AOV)が下がりすぎていないか、売上そのものが増えたかをセットで見てください。件数が増えて売上も増えて初めて、成功と言えます。

Q. 客単価(AOV)と転換率(CVR)は、どちらを優先して見ればいいですか?

A. どちらか一方ではなく、両方を一緒に見ます。転換率が上がっても、客単価が大きく下がっていれば、売上は伸びません。逆に客単価を守れていても、転換率がまったく上がらなければ、その販促は人を動かせていません。2つを同時に見て、最後に売上がどう動いたかで判断します。1つの数字だけを追うと、必ずどこかで見誤ります。

Q. 施策ごとに分けて効果を見るには、何が必要ですか?

A. それぞれの販促に小さな目印(utm)を付けておくこと、そして流入・注文・売上のデータを施策ごとに突き合わせて集計することです。考え方は簡単ですが、これを毎回、施策ごと・入り口ごとに手作業で続けるのが重い作業になります。データが別々の場所にあるため、まとめ直すだけで時間を取られます。ここを自動でそろえる道具を使うと、判断に時間を回せます。

まとめ#

クーポン・セールの効果を「売れた数(注文の件数)」だけで測ると、見誤ります。値引きをすれば件数は増えやすいのですが、1件あたりの単価を削るため、件数が増えても売上は横ばい、ということが起こるからです。件数と売上は、同じ向きに動くとは限りません。

効果は、売上・客単価(AOV)・転換率(CVR)の3つで見ます。そして全体の合計でなく、クーポンA・セールB・通常販売というように施策ごとに分けて見比べて、初めて「どれが効いたか」と「次にどの値引き幅で打つか」が見えてきます。まずは直近の販促を1つ取り上げて、注文数だけでなく客単価と売上を並べてみてください。そこが見えると、勘で打っていたクーポンやセールが、根拠のある一手に変わります。

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